精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる！が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない

第74話

　中々ステファニーさんが戻ってこない。

　どうしたのかと思っていると、中から慌てたステファニーさんがやってきて、

「エッフェン様が湯船でのぼせました！私だけでは何ともし難いので、ヘリット様、どうか一緒にエッフェン様を安全な場所までお連れしたいのです。」

　俺は問答無用で手を引っ張られ、中へ突撃していった。

　・・・・

　・・・

　・・

　・

　何とか湯船の端で身体を支えているように見えるエレン。

　意識がないようで、ステファニーさんが何とか湯船から出そうとしたものの、女性の力では人間一人を持ち上げる事が出来ず、一番近くに・・・・まあエレンに会いたいからここで待っていたので当然なんだが・・・・俺を急ぎ中へ連れてきたようだ。

　本来であれば残りの2人、何だっけ？背が高いアンチェさんとお胸の大きなトゥーナさんだったよな・・・・2人を探すのは時間的に無理があるから仕方がないと思う事にした。

　俺は何とかステファニーさんと共にエレンを脱衣所まで運んだ。

　後で知ったらどう思うか考える暇もなく、裸のエレンに申し訳程度に布を掛けて運び出そうとしていたが、布もいつの間にか落ちてしまい、まあ一度見ているとはいえ、裸のエレンを見てしまったうえに、今は何とか運び出すのに相当密着している・・・・何とか床に敷いてある布へエレンを置いた所で、俺の股間が異常をきたした。

　なななななんだこれ！

　未だかつてない感覚になり・・・・

「ヘリット様！ヘリット様もお濡れになりましたし、一度全て脱いで身を清めて下さい。衣類は私が責任をもって清めますし・・・・その間にエッフェン様を運んでもらうよう、アンチェに伝えてきます。」

　もう俺、駄目だ。

　股間から何か出た感覚がある。

「ステファニーさん、股間が変なんだ・・・・」

「私の見立てでは心配いりません！一応ここで脱いで下さい・・・・恥ずかしがらないで！これは大事な確認です・・・・やはり！【じゅるり】さ、これは男性の生理現象ですから異常ではないです。」

　俺はステファニーさんに言われるまま裸になり、着ていた衣類は全てステファニーさんに任せ、そのまま何か臭うし体を清めに1人洗い場へ向かった。

『こ・・・・これは初めての・・・・なんて幸運！急いで・・・・アンチェが先ね。あ、こういう事もあろうかと箱を用意しておいて正解ね。』

　その後アンチェを呼び出したステファニーだが、ヘイマンスが身体を洗い終えても戻ってこなかった。

　で、アンチェがやってきて、

「うわ！服着ていないじゃないの！うーん、運ぶのは何ともないけれど、気を失っている人に服を着せるのって中々しんどいのよねえ・・・・もう布でくるんで運んじゃえ！」

　こうしてエレンはアンチェに簀巻きにされつつ、ベッドへ運ばれていったのだった。

『鑑定の結果・・・・まだ間に合う！うふふふふ・・・・』

「ステファニー様、オリビアが呼んでいる・・・・いない。」

　事情を知らないトゥーナがいなくなったステファニーを探した所、自室にて濡れた衣類を脱いで、着替えているステファニーを発見した・・・・何故かヘイマンスが先程まで着ていた衣類一式と共に。

「あ、さっき私濡れちゃったでしょ？着替えはここにあったし、急いでいたからうっかりヘリット様が脱いだ衣類まで持ってきちゃったのよ。何せヘリット様は入浴中ですし、私がご一緒する訳にはいかないでしょ？」

　訳の分からないトゥーナだった。

　そしてオリビアとピンク・ポークは・・・・

　深刻な表情で対峙していた。