第66話
ステファニーが一時的に屋敷へ戻っていたのには訳がある。
屋敷に沢山置いてある魔道具の中から、精神に対し効果があると思われる魔道具を探しに戻っていたのだ。
ステファニーは鑑定が出来る。
それで倉庫から目星をつけた魔道具を調べていたのだ。
で、幾つか見つけ、ヘイマンスが風呂に入っていると聞きつけ、報告?という名の突撃をかましていた・・・・オリビアのせいで気を失っているヘイマンスを発見、何て事【じゅるり】と思いながら2人でベッドへ運び、服を着せた・・・・もう全てガン見である。
で、気が付いた。
ヘイマンスが呪いのせいで成長が止まっていた色々が、解呪後に再び成長を始めたのだ。
で・・・・あれに変化があった。
もうステファニーは狂喜した・・・・オリビアを見て我に返り、オリビアに魔道具を幾つか託し急ぎ冒険者ギルドへ戻ったのだ。
そして残されたオリビアはヘイマンスが起きたので慌てさせないよう、ヘイマンスと共に急ぎ冒険者ギルドへ向かったのだった。
・・・・
・・・
・・
・
オリビアを伴い冒険者ギルドへ戻ったヘイマンスだが、
「休んだはずなのに体の節々が痛い。」
「それは成長痛です。」
・・・・俺18歳なんだけれど。
中へ入ると丁度エレンが新たな鎧に身を纏い、「どんな体にも合うんです君マーク3と命名した。」
と嬉々として俺に報告してくれたのだが・・・・凄い名前だな。
「今からボプ達が戻った時の対策案を伝えると共に・・・・」
ギルドマスターは全てを言い終える事が出来なかった。
何故ならば・・・・ボプ達が戻ってきたからだ。
その場に居合わせた冒険者達は事情を知らず、特に注目していないが、エレンは警戒をし、俺は・・・・精霊を呼び出した。
そしてどの面で俺達に会うんだ?
俺はそう思ったが、ボプの対応は違った。
「先ずは謝らせてくれ!色々迷惑を掛けて済まなかった!気が付けば何かに操られていたらしいんだ!だからと言ってヘイマンス殿にした仕打ちは許されるもんじゃない・・・・だがあれは俺達の意思で行ったのではないんだ!それとエレン殿・・・・置いていった武具を回収してある。受け取ってほしい・・・・返却する。」
俺は戸惑った。
何?ボプさんも精神に干渉されていたのか?
「魔道具は正常に作用していますが、変ですね。彼の言葉は真実であるように認識してしまう。」
オリビアさんが俺に伝えてくれるが・・・・どういう事?
「ヘリット様が寝ている間に、精神に対し有効な魔道具を装着しておきました。私も装着していますし、ステファニー様も、エレン様も装着なさっておいでです。それでも何かおかしい。」
エレンは何故か剣と鎧を受け取った。
「ヘイマンス殿にも申し訳ない事をした・・・・これは君のカバンだと思う・・・・受け取ってほしい。」
俺のカバンだ。
俺は何の迷いも、そして違和感もなく受け取ってしまった。
うん?ボプさんを拘束するんじゃないのか?誰も行動を起こさないのは何でだ?
俺を含めこの場に居た冒険者全員が、ボプの能力を誤解していた事に気が付いていなかった。
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