第67話

「それに色々迷惑をかけたうえに、ひどい仕打ちをしてしまった。詫びという訳ではないが・・・・我々は君の回復アイテムを何度も利用させてもらった。むしろ奪っていたといっても過言ではない。今まで得た魔石等、君が持ち運んだ物は全て今回の詫び代、そしてアイテム代としてそのまま受け取ってくれ。」


 その後ボプさんは受付で4名が所持していた魔石やらドロップアイテムを買い取ってもらい、臨時パーティーの解散手続きを行った。


 そして4名で帰って行った。


 ・・・・あれ?俺何しに来ていたんだっけ。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 ボプさん達が去ってから数分後、誰かが我に返った。

「精神攻撃じゃない!何よこれ!」


 そう言えば精神に対し、ある程度護ってくれるような魔道具を身につけていたんだよな。


 だけど・・・・あれ?なんでボプさん普通に帰ったんだ?

 確か犯罪者として手配がかかっていたはず。

 なのに何故誰も対応できなかったんだ・・・・俺もだが。


「これはどうした事だ!あいつが来たら問答無用で取り押さえるはずが、俺も動けなかった・・・・あいつの語りを何の疑いもなく聞き入ってしまった!魔道具を装着していたというのに・・・・」


 ギルドマスターは後手に回った事を詫びつつ、急ぎボプ達を追うべく討伐隊を向かわせたが、既に行方が分からなくなっていた。


 ・・・・何だったんだ、一体。

 それに実際失ったアイテムや武具は、ダンジョンで得た魔石やドロップアイテムを換金すれば、損失どころか相当な利益が出る、むしろ儲けた?


 だが俺は忘れない。

 確かに100層のボス部屋へ放り投げられたんだ。

 幸い?な事にエレンは何とか間に合って、結果俺とエレンは100層を2人で攻略、何とか生き残る事が出来た・・・・


 俺は気が抜けたみたいにその場へ座り込んだ。

 帰ろう。

 後の事はステファニーさんに託し、俺はエレンと共に屋敷へ戻った。

 あれ?エレンも屋敷で暮らすのか?


 戻って直ぐに、そう言えば随分修道院へ行っていなかったな!と思い出し、1人で向かう事にした。

 道中色々な人に声を掛けられ、細かな頼まれ事を【精霊が】解決してくれ、少し時間はかかったが無事修道院に到着した。


「あらヘリット様、お久しぶりですわ!」


 いつもの女性だ・・・・少し年上なのだが、そんな感じを微塵も見せない、まあ年齢不詳な見た目なんだな。

「まあその、ずっとダンジョンに籠っていたので、寄付できずにごめんなさい。」

「何を仰るのですか!聞けば修道院からヘリット様の屋敷へ派遣した3名を解呪なさったとか。もうそれだけで充分過ぎるのですよ?寧ろこちらがお支払いをしなくては。」


 俺は思った。

 オリビアさんが喋っていた事もそうだが、何故こうも呪われた人がいるのか、何故3名とも呪われているのか。

 聞いたら答えてくれるかな?

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