第54話
Side 屋敷
【屋敷】
話はヘイマンスが100層のボス部屋に放り込まれる所まで遡る。
ヘイマンスがボス部屋に放り込まれる直前、異変は起こった。
「ドロップアイテムの供給が途絶えた?」
元冒険者ギルドの職員であるステファニーは驚いた。
何せ屋敷の主であるヘイマンスに協力している精霊は、ヘイマンスがダンジョンアタックを開始してから、常にドロップアイテムを倉庫へ届いていたからだ。
それが途絶えた。
何かあったに違いない。
「オリビア!何かあったに違いないので、念の為支援用のカバンを用意しておいて!ヘリット様の身に何かあった場合、カバンが生命線となりますから!」
オリビアとはクールビューティーで無表情な女性の名前である。
「ステファニー様、既に用意してあります。」
そう言ってカバンをどこからか取り出すオリビア。
「い、いつも仕事が早いわね。それとアンチェを呼んできてくれないかしら。これから私は冒険者ギルドへ向かいます。彼女にはダンジョンへ持ち込む食材を用意してもらいます。」
「もう来ている。」
うわ、相変わらず仕事が早い!と驚くステファニー。
オリビアには【先見の明】と言われる能力があるに違いない、そう確信したのだった。
「あ、呼んだ?私を呼んだよねえ!え?お使い!行く行く行っちゃう!」
「・・・・アンチェ、そんな顔して行く行く言わない!殿方が聞いたら誤解をしますよ。」
「誤解って何の事?ねえねえ何ナニ・・・・って痛い!何もグーで殴らなくてもいいじゃないの!分かったわ!お使い行ってくるわ!」
ひたすら喋りまくるアンチェ。
で、そう言えば喋らない娘、トゥーナは何処へ行った?
「後ろにいる。」
うわあ!びっくりさせないでよオリビア。で、振り返ると・・・・いた巨乳が・・・じゃないトゥーナが。
折角の美人なのに、ずっと外にいるせいか肌が荒れ気味ね。
庭の仕事も大事だけれど、何かあれば私達が屋敷へ訪れた人々を持て成さなければならない。
それなのに肌荒れしている女性が出てくれば、屋敷の主人が悪く思われる。
「オリビアありがとう。トゥーナ、オリビアから聞いているかもしれませんが、ヘリット様もしくはヘリット様の周辺で異変が起こった可能性があります。私は冒険者ギルドへ向かいますから、何かあればオリビアはここに居てもらわねばなりませんから、何かメモを書いて必要と思った時に連絡をお願い。それと、折角の美人さんなのですから、肌の手入れをかかさないように。」
此方の言葉は理解してくれているから有り難いのよね、少し安心したステファニーは早速冒険者ギルドへ向かった。
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