第47話
もう1話 Side エレン
当初は1層から、という事だったが、こちらが50層を攻略済みと伝えると、予定を変更、50層からスタート。
実際60層までを様子見でダンジョンアタックを開始したが、呆気なく攻略でき、いける所・・・・つまり100層を目指す流れになったが、66層を境にボプ殿達は攻略速度が落ち、1日2層となり、最終的には1日1層となってしまった。
ここまでボプ殿はおかしな素振りを一切見せず、時折私の剣を魅入っている様子は感じるものの、想定された出来事は起こらなかった。
道中安全地帯でヘイマンス殿の・・・・精霊・・・・が、特にじいちゃんと呼んでいる土の精霊が用意してくれる設備は有り難く、快適に過ごす事が出来た。
泉で休む事になっても、水の精霊・・・・アクア殿が水を工面してくれシャワーを浴びる事が出来、ここがダンジョンと疑ってしまいそうになった。
結局100層に到達するまで何も起こらず、ある意味困惑してしまった。
・・・・
・・・
・・
・
いよいよ100層を攻略。
その前に装備を確認しよう。
後になって思えばこの時どうしてこんな風に思ってしまったのか、この行動を疑問に思えなかった自分が許せない。
しかもヘイマンス殿が私と同じく、所持品を地面に並べていた事に対し違和感を覚えなかった事自体が異常なのだが、どうしても今の行動が当たり前に思えてしまっていた。
で、私が元々持っていた【出戻りちゃん】【どんな体にも合うんです君】、そして精霊から頂いた【出戻りちゃん弐号】【どんな体にも合うんです君弐式】まで地面に並べ確認を・・・・一体何を確認するというのだ。
で、ここで問題が起こった。
●第1話参照
ボプ殿がボス部屋の前でヘイマンス殿をパーティーから追放する、と言い出したのだ。
私は慌てて起き上がり、異論を唱えたものの受け入れられず、あろう事かもう1人の男性が・・・・名前は確かブラーム・マッテイスと名乗っていたと思うが・・・・ヘイマンス殿の背後に忍び寄っており、羽交い絞めにしてボス部屋に放り投げたのだ!
この時私はそれを見ている事しかできなかったが、この時になってようやく精神干渉の攻撃を受けていた事を悟った。
扉がしまる!
ボプ殿が指摘したが、今から防具を身に纏う時間はない!
剣を取りに行く間に恐らく扉は閉まってしまうだろう。
私はヘイマンス殿の後を追って何とか滑り込んだ。
武器も、防具もない状態で100層のボスに挑んで勝ち目はあるのだろうか。
私がここまで名を成せたのは【出戻りちゃん】に負うところが大きかった。
その剣がない状態で・・・・鎧もない。
何て愚かなのだろう。
これでヘイマンス殿に何かあれば、一生自分を許せない。
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