第49話
俺が放った魔法【ファイヤー】は魔物に当たったが、一瞬動きを阻害しただけで大したダメージにはなっていないようだ。
エレンはまだ気が付かない・・・・出血があり、未だ止まっていない。
このままではエレンが危ない!
俺は更に【ファイヤー】を唱え、魔物に向けて再び放った。
先程命中させた魔物に【ファイヤー】は再び当たったが動きを止めただけだ。これではさっきと同じだ。
どうすれば?
俺は次々と【ファイヤー】を放った。
放った直後に次の【ファイヤー】を放つ準備を行い、気が付けば20発ほど【ファイヤー】を放っていたようだ。
魔物は・・・・全身火だるまになりながら別の方向へ移動していき、暫くして動きが止まり、倒れたようだ。
そのまま燃える魔物。
やがて魔物は消え、何かアイテムを落としたようだ。
所謂ドロップアイテムだ。
その時、身体の中で【ドクッ!】という表現がいいと思うが、そんな衝撃があった。
俺は何とかエレンの所に向かい、怪我の治療を行うべく、【キュアー】を唱えた。
エレンは出血していたが、血の流出が止まり、その後怪我をしていた箇所が治っていくのが分かった。
「うっ・・・・は!ヘ、ヘイマンス殿・・・・私はどうしていたのだろうか?」
「お互い怪我をしたみたいで気を失っていたみたいだ。今魔法で回復させたが、光の精霊と違い血を止め、見た感じ怪我をしている箇所の治療をしただけだから、内部にダメージがあっても今の俺では対処ができない。」
エレンは立ち上がる事が出来たようで、
「私の事より自分の治療を・・・・剣が落ちている。」
どうやら魔物は剣をドロップしたようだ。
エレンは剣を取り、別の魔物に向かって投擲をした。
ええ?どんな性能の剣か分からないのに、いきなり投擲?
俺は何故魔法を連発できたのか、体内に発生した【ドクッ!】という感覚が何なのか、そして何故精霊が姿を現さないのかまだ考えるという事が出来ていなかった。
よく見るともう一振り落ちている・・・・俺の短剣のようだ。
エレンが先程得た剣を投擲した。
投擲した剣は見事魔物に命中、そのまま魔物は倒れた。
どうやら数種類の魔物がいるようだ。
人型の魔物がいるかと思えば、獣みたいな魔物もいる。
どうやら最初に襲ってきた魔物は、いち早く俺達の所に向かってきたようで、他の魔物はゆっくりとした足取りでこちらに近づいてくる。
エレンが投擲した剣は・・・・どうやら手元に戻ってきたようだ。
つまり元々持っていた【出戻り
同じアイテムをドロップするのかは分からないが、現実として見た目も同じと思われる剣が存在するのだから、そういうものなのだろう。
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