第39話

 ボプさんに言いくるめられて?俺達は一応何事もなかったかのように安全地帯で休んだ。


 まあ、直接戦闘をしていない俺が、こういった準備を一手に引き受けているのだが、今の所俺の評価はいたって悪い。

 戦闘だけがパーティーへの貢献ではないと思っているし、実際には精霊がかなりの魔物を間引いてくれているからかなり貢献しているはず。


 ありていに言えば、土の精霊、通称じいちゃんは地脈を通ってドロップアイテム等を運搬してくれる。

 ついでに魔物を仕留めてくれているらしいし、火の精霊サラマンダーさんは先行して俺達がいる階層より下で頑張ってくれている。

 風の精霊シルフさんは今の所俺から離れず護衛をしてくれている。

 水の精霊アクアさんが俺達の周囲で魔物を間引いてくれている・・・・ボプさん達に気が付かれない程度に、だけれども。

 精霊達の俺に対する役割?は地上と違うようで、地上では主にサラマンダーさんが俺を護衛してくれていたんだ。

 場所による相性もあるのか?


 ぶっちゃけ精霊が見えないから気が付かないのか、もし目の前で魔物がドロップアイテムになってもラッキー!ぐらいにしか思わないだろうから、ドロップアイテムはボプさん達が手に入れてしまう。

 それは癪だから、精霊さん達にはボプさん達から見えない場所で仕留めてもらう様にお願いをしている。


 未だに名前を知らないけれど、光と闇の精霊さん達は近くにいるのはいるけれど、あまり何かをする気配がない。

 風の精霊シルフさんがよく知っている様なんだけれど、

『あんた怪我しないよね?なら何かする必要ないし、あの子恥ずかしがり屋さんだし、闇はねえ、アンタが距離を取っている自覚ある?』


 う、それは・・・・光の精霊は主に怪我を治療してくれるが、今の所精霊さん達が鉄壁の布陣で、俺は未だ怪我を負った事が無い。

 闇は・・・・うん、呪いは解呪しちゃうと今の関係が損なわれる可能性があるからと、そのまんまなんだよな。

 しかも光と闇の精霊さん達は、あまり積極的に俺に関わってこないからと、俺が距離を取っている・・・・んだよな。

 何とかしたい所だが、今はダンジョンアタックとエレンからの依頼、つまりボプさん達が冒険者を殺して武具を奪っている疑惑の調査、可能であれば解決した後にもう一度見つめなおすのは、いいかもしれない。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


{どうするんすか?あいつ実際戦闘中は役立たずっすが、それ以外めっさ使い勝手がいじゃないすか?}

{だが・・・・お前達も見ていただろ、あの武器を。あれさえ手にすれば俺達だけで100層を突破は十分可能だ。}

{それはそうなんだけどお。あいつがいると快適なのよねえ。}

{それよそれ。実際役立ってんのに無下に扱うの中々しんどいのよねえ。だけどリーダーが言っている事も分かるんだよねえ。}

{それに・・・・だ、どうやらこそこそと嗅ぎまわっているようだからな、やはり処分するしかないだろう。}

{じゃあやっぱり100層っすか?}

{ああ、あいつ等を放り込んだら、直ぐに回収、装着する必要があるが、上手くできるのか?}

{勿論っすよ。}


 彼等の闇は深い。

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