第33話

 2つのパーティーが合流したんだから、メンバー同士で何が出来て何が出来ないか、このような内容が事前に話し合うとか思っていたら、殆ど無かったんだが。

 前衛か後衛か、得物、つまり武器は何かと言った見た目でわかる事柄を少しだけすり合わせた程度。


 補足しておくと、件のパーティーメンバーに魔力を保持しているメンバーはいない。

 魔道具を所有しているメンバーはいるようで、魔石を確保しさえすれば攻撃魔法を使う事が出来るらしい。

 回復手段はポーションと使い捨てのスクロールだ。


 そして俺達と言えば、俺は精霊が攻撃を担ってくれるし、護衛もしてくれる。

 あまり目立たないが回復をしてくれる精霊もいる事はいる。

 普段は引っ込んで出て来てくれないが、風の精霊シルフさんが声を掛けてくれると一応やって来てくれる。


 闇の精霊は光の精霊・・・・回復してくれるのが光の精霊さんだ・・・・と共に行動する事が多いらしく、同じくあまり俺の前には現れない。

 ただ、ピンチになったり俺が助けを求めていると判断したら、いつの間にか問題を解決してくれている。

 何も言ってくれないが、地味ながらも実は一番俺を護ってくれてそうだ。

 因みにエレンを解呪できたのは、闇の精霊さんが頑張ってくれたお陰でもある。

 それにポーションやスクロールも豊富に用意してあるし、屋敷には大量の物資が保管してある。

 じいちゃんは物資が不足した場合取りに行ってくれる。

 だからある意味安心してダンジョンアタックに参加できる。

 まあエレンのお願いもあって、調査とはいえ一度同じパーティーとなるんだ、向こうが尻尾を出すまで油断しないよう、そしてやるからにはダンジョンアタックでも成果を出しておきたいし。


 で、俺達はダンジョン1層に設置してある転移陣?正式名称は知らないが、ダンジョンから出る時に使った魔法陣と同じような物があり、小さな部屋のようで中へ入るとドアを閉め、柱?に設置してあるボタンを押しているようだ。

 何か輝いた、と思ったら視界が歪み、気が付けば別の場所に居た。


「ここに全員来られた、という事はつまり50層を攻略済みって事だ。疑っていた訳じゃないが、万が一嘘をつかれていれば無駄に死なせてしまう可能性があった。すまんな。まあこれで俺達も安心して奥へ進めるって事だし、それはお互い様だろう。」

「ああそうだ。私はもっと奥まで行った事がある。だがヘイマンス殿は此処までしか着た事はないのだが、私と来た時は一切ダメージを受けていなかったから安心してほしい。」

 エレンとリーダーが話をしている・・・・ボブさんだっけ?いや、ボプさんだ・・・・よく間違えるんだよ。

「それは頼もしい。ではこれより先ずは60層を目指しアタックを開始する。基本は俺達が戦っていくので、2人はそれを見ながらどうすればいいか判断してほしい。こちらもあんた達の動きを見き分けつつ、60層まではこのスタイルでアタックをし、61層へ向かにあたりどうすべきかを考え直す事になる。」


 まあこちらもボブさん達を見極める時間はあった方がいいし、問題なさそうだ。

 違ったボプさんだ。

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