第32話
魔法屋を出てからも、念の為に各種ポーションを追加で購入し、携帯食や調味料も追加で購入した。
乾燥野菜も購入。
肉はダンジョン内でドロップするから買わなかった。
尤も大量の荷物になってしまっても、土の精霊のじいちゃんが運んでくれるから問題はないのだ。
この後冒険者ギルドへ戻ってみると、受付のお姉さん、えっとステファニーさんだっけ?が俺の所へやってきて、
「ヘリット様、早速屋敷を使えるようにしてありますので、本日から利用できますが如何なさいますか?」
何この女性、砕けた感じのお姉さんは何処へ行った?まるで別人じゃないか。
ただ宿代1年分ぐらい前払いしてあるんだよなあ。
あ、もしかして大量の荷物を屋敷に置いておいたら、必要なものを必要な時にじいちゃんだったらダンジョン内へ持って来たり出来る?
まだ屋敷内で寝泊まりはできないだろうから、最優先はそこを確認だな。
それに屋敷を手に入れた理由の一つに、今後得られるドロップアイテムの一時保管場所として利用するから、それも試さないと。
うーん、じいちゃん任せだなあ。
・・・・
・・・
・・
・
『今から試すのじゃな?ではそこの庭で儂が戻るまで地脈と繋がってほしいのじゃ。ではちょっくらいってくるぞい。』
俺は今、屋敷の外で地面に横たわっている。
横たわっているというより突っ伏している感じだ。
じいちゃんに頼んだ所、今から荷物の受け取りや運搬を試してくれるらしい。
今まで得たアイテムなんかは冒険者ギルドへ運んでいたからな。
で、待つ事1時間。
じいちゃんは戻ってきた。
『指定された場所へ置いてきたぞい。』
俺は起き上がり、じいちゃんに感謝の意を伝え、早速屋敷の中へ入った。
で・・・・なんじこりゃ!
一応棚も設置してあったが、所狭しと魔石やら肉やら牙?牙なのかこれ?見た事の無い・・・・俺はダンジョンで精霊達が確保してくれた素材とか見てないんだよなあ・・・・アイテムが所狭しと置いてあった。
これ、どうやって換金しよう。
持っていくのも一苦労。
『それなら大丈夫だぞい。まだ地脈経由でもらった魔力があるでな、以前の場所へ運んでおくぞい。』
じいちゃんは荷物と共に消えてしまった。
これまた冒険者ギルドにアイテムが溢れかえるから、怒られるかな?
まあ実験は成功したみたいだし、これで明日に備えられそうだ。
俺は屋敷で生活するには建物を知らな過ぎたので、今日は宿で寝泊まりする事にした。
それに明日はダンジョンへ今まで組んだ事の無いメンバーで挑むのだ。
寝具が変われば慣れるまでの影響がどうなるか分からない。
寝具、今まで宿だったから知らないが、どんなのがあるのだろう。
俺はそんな事を思いながら宿で寝て、朝を迎えた。
勿論食事はちゃんと食べているぞ。
・・・・
・・・
・・
・
翌日、冒険者ギルドで待っていると、エレンがやってきた。
「おはようエレン、いよいよだな。」
「おはようヘイマンス殿。私の問題につき合わせてしまい申し訳ないが、放置していれば今後も犠牲者が出る。そうならない為にもよろしく頼む。」
エレンは依頼を受けて件のパーティーを調べている。
調べて、というか今まさに合流し、事実を確認し解決をしようとしている所だ。
「まあ装備も見直したし、精霊達も頑張ってくれると思うから、エレンが思う解決が出来ればいいな。」
「そうありたいが、何事も全て上手く行く事はない。何らかのトラブルに見舞われるだろうが、最初から心得ておけば何とかなる。」
この後はダンジョンの何階層から行くのだろうとか話をしていたが、俺とエレンが合流して30分ぐらい経過して、件のパーティーが現れた。
「準備はいいようだな。手始めに50層へ向かい、そこから出発する。準備が終わっているのであれば、今から出発する!」
リーダーのボプ・ポプマさんが声高らかに宣言した。
いきなり50層か。
まあエレンがいるから此方の実力は分かっているって事か。
まあ俺が何処まで行けるかは未知数だと思うから、そこは考慮しているのか甚だ疑問だ。
まあ俺は最初から眼中にないだろうが、雑魚には雑魚なりのやり方があるんだよ。それに、雑魚と思われていた俺が実はって展開には・・・・ならないか。
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