第12話
「エレン、君の倫理観はズレている。」
絶対エレンは高貴の生れだ、間違いない。
他にまだ爆弾を抱えているのでは?
「倫理観?何の事だ?」
「普通未婚の女性は付き合ってもいない男性に、余程の事が無ければ肌を見せぬものだし、さっきベッドでどうのこうのって、異性に話す事じゃないぞ?」
「どうしてだ?父上は兄上は私達女性を寝所へ招き、父上は母上と、兄上は婚約者との子作りをよく見るよう、我が家秘伝の房中術故しっかり記憶するように言われているがそれの事だろうか。」
駄目だこれ、教育が腐っている・・・・房中術ってなんだ?話の内容からするととんでもない気がする。
まさか両親とのあれを見せられていたとか・・・・エレンの兄もそうだ、婚約者とのあれを妹に見せるか普通?
これは重傷だ、街へ戻ってから説得するしか・・・・修道院に頼もうそうしよう!
「普通そう言うの見せるって事は無いからな?今度修道院でシスターに聞いてみな、彼女達は神にその身を捧げた女性達だ。」
「よくわからないが街へ戻ったらそうしよう。」
俺は精神をガッツリ削られてしまったようだ。
いつの間にか精霊達も周囲からいなくなったし。
この後俺とエレンは街へ戻ったが、道中特に何も起こらなかった。
・・・・
・・・
・・
・
【メイエリング】
俺が拠点にしている街の名はメイエリング。
【フィリッピュス王国】という国にある街のひとつだ。
そうは言っても王都とは馬車で半日ほどで行き来できる場所にある、所謂商業都市。
で、街に戻った俺とエレンは早速冒険者ギルドへやってきた。
素材の売買とパーティー申請の為だ。
「次の方、どうぞ。」
順番待ちをしていたが、俺達の番になった。
「えっと、先にパーティー申請をしたいのですが。」
受付のお姉さんはいつもの女性だ・・・・名前は知らない。
「ヘリット・ヘイマンスさん、今日は特に素材が多いようですが、こちらの方と?」
エレンの事を言っているのだろう。
「まあ、そうなんだ。」
「うーん、あーその鎧、見た事があるのですが、大きさが・・・・ではヘリットさんがリーダーで、そちらの女性がメンバーで宜しいかしら?」
「それでいいよな、エレン。」
「どちらでもいい。」
「ではヘリットさんがリーダーで・・・・エレンさん?あ、カードを提出して頂いても宜しいでしょうか?」
何か困った顔をしている感じだけれど、何か不味った?
「どうぞ。」
「受け取ってくれ。」
「では確認を・・・・え?そ、そんな・・・・貴女、あのエレン・エッフェン女史ですか?し、しかし・・・・私の記憶と背丈や体格が違いすぎます。」
「私が
「え?解呪できたのですか?おめでとうございます!ヘリットさんもよかったですね!あのエレンさんがこんなに美人だとは誰も知らなかったはず。」
受付のお姉さんの言っている意味も分からない。
エレンが美人だったら何で俺はよかったってなるんだ。
この後周囲の冒険者達が、すっかり変わってしまったエレンの周囲に群がり、暫く大騒ぎになってしまった。
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