第7話 はじめての気持ち
◇◇10年前◇◇
「こちらが大河内くん。
そしてこっちが裕樹とみなみ!」
「俺は?」
「清水!」
裕樹はびっくりした。清水良太はめったに学校に来ていなかったからだ。
「はじめまして〜。清水良太っす」
爽やかな笑顔で自己紹介をした。
「きゃあ〜清水くんよ〜」
「久しぶりに見たわ。相変わらずお美しい」
清水はみんなに手を振った
「きゃあ〜!!!!」
「清水くんがわたしに手を振ったわ!」
「いや!わたしによ!」
「違うわ、わたしによ!」
「相変わらずモテモテだな清水」
「まあな
で、君が大河内ってやつだっけ?」
「あ、ああそうだ。」
(気難しそうなやつだな。一見爽やかで1番親しみやすいタイプに見えるが笑顔の裏には何を考えているのかが読めない、いちばん厄介なタイプだ。)
「よろしくね、わたしみなみ」
「俺は北川裕樹」
「さっきも言ったけどおれは清水良太だよ〜」
「みんな仲良くできそうでよかった!」
友美は嬉しかった。生まれて初めてこんなに友達が出来たのだから。
「じゃあこの辺で今日はお開き!
また明日ね!みんな!
みなみ帰ろう」
友美はいった。
「そうね。みんなまたね。」
「大河内く〜〜ん!一緒に帰ろう」
清水は大河内のことを誘った。
「ああ」
「なんかさ、大河内くんって他とは違う匂いがする。なんだろう」
(ハッばれたか、ならここで始末するしか
でもそんなことしたら友美と…)
「何考えてるの?」
ひょこっと大河内の前に現れた。
「うわあああ!」
大河内はビックリして尻もちをついた。
「あはははは!」
清水は大爆笑した。
「そんなに笑わなくても…」
「だって…あはは
大河内くん、君ほんとに面白いよ最高だね」
「言われたのは2回目だ。」
「2回目?1回目は?誰に?」
清水は興味津々だった。
「秘密だ。」
「ケチー!教えてくれたっていいだろ?
なっ?親友?」
「しんゆう?」
「なんだ?そんなことも知らないのか?」
清水はびっくりした。
「大河内くんは不思議な人だね。
はじめて会う人種だな。」
「人種?人は人だぞ?」
「そういうところとか。」
大河内はよく分からなかった。
でもはじめて友達ができた。
嬉しい、楽しい、全部全部はじめての気持ちだ。
◇◇
「大河内くんか…」
(今まで俺には俺のことが好きな人しか集まってこなかった。だからつまんない。
俺の言うことしか聞かない、ご機嫌取りしかしない。俺は王様なんかにはなりたくないんだ。)
でも今は違う。
大河内くん、彼は他の人とは違う。
俺のご機嫌取りなんかしないし、対等に話せる。楽しい。これがはじめての気持ちか。
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