第3話 デートですか?!
それから2週間。プレ家族として、私たちはラインのやり取りをするようになった。
初顔合わせのあと、グループラインを作って、そこでおはようとか、おやすみとか、他愛もないメッセージのやり取りをしている。
はじめは乗り気じゃなかった
特に私と
「は、
コール音が数回鳴ってから、
だけど、電話から聞こえてくる
今日だってそうだ。
『
ほっとする優しい声が、受話器越しに聞こえてくる。私は片手で前髪をさわりながら話を続けた。
「そ、そっか。良かった。今日はね、私が晩御飯の手伝いをしてカレーを作ったんだよ」
『美味しくできた?』
「う、うん! 美味しくできたよ。
『あはは。たくさん食べるんだね、
受話器越しで明るい声が聞こえてきて、ちょっとくすぐったい気持ちになる。それを誤魔化したくて、ついつい余計なことも言ってしまうんだけど、
「そ、そうなの! それで太らないから、う、うらやましいんだけどねっ」
『
「が、頑張って維持してるの、これでも!」
『あはは。そうなんだ、じゃあ俺と同じだね』
「お、同じって?」
少しドキドキしながら、私は
『俺も太りやすい体質だから、毎朝ジョギングしてるよ。そうだ、よかったら今度の日曜日、一緒に走らない? 嫌でなければ、だけど』
「い、行く! 行きます!」
『あはは。じゃあ、決まりだね。日曜日、楽しみにしてる。待ち合わせ場所はあとでラインにいれとくよ』
「う、うん。待ってる」
『うん。待ってて。日曜日のジョギングデート、楽しみにしてる』
慌てる様子もなく、流れるようにこう言って、
デートって言った、いま。
通話終了後の画面を見ながら、デートの意味を聞きたくて、もう一度電話しようか悩んだ。結局勇気がでなくて、私はそのままラインを閉じた。まだ胸がドキドキしてる。
その日の夜はそわそわして落ち着かなくて、眠れない夜を過ごした。
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