第8話 その勇者、ホームルームに出る
「一部ヤル気のありあまっている生徒がいて、大変嬉しいけど、みんな知ってるとおり本当はダメだからね。
教師や師範への挑戦は、第一席次の持つ権利だから。
でも、今回は特例で受けることにするよ。アレを壊した罰としてね。
だから、天霧は二学期までよく鍛えておくように。ちゃんと『マテ』が出来るよう、きっちりシツケてあげるからね。」
う〜ん、
「それじゃ、あまり時間もないから、サクッと自己紹介してホームルームを終ろうか。
まずは席次が一番下の
「
ネクラそうなヤツだが、俺を見ながら言うなし。
「うんうん、ヤル気があってとても良いよ!じやあ、次。」
「はい、第5席次の
ポニテが可愛い秋津洲さんだが、君も俺見ながら言うのやめて。
でも、秋津洲って、
「第4席次、
それだけぇ?メガネっ娘の九重さんは、無口っ娘なのかな?
「第3席次、
天霧!Aクラス内の決闘禁止期間が開けたら、お前に決闘を申し込む!いいか、覚えておけ!」
左目の眼帯がカッコイイな、おい。病気まだ
「いいね、いいね!どんどん君らの可能性を先生に見せておくれ。
はい、次。」
「第2席次、
だが、覚悟しておけ!殺しはしないが、お前らの魂に本当の『恐怖』を刻んでやる!」
「「「くっっ!」」」
「コラ、天霧!まだ『マテ』だ。」
ちょっとムカついたんで、軽く『威圧』してしまいました。
「
貴様に名乗る名などない!天霧!
第1席と2席の間にある、絶対に乗り越えられない壁というものを教えてやる!」
長髪の男が、見事挑発に乗ったよ(笑)・・・
「素晴らしい!今年のAクラスは活きのいいのが
はい、今日のホームルームはこれでおしまい。では、解散。」
そう言って皇先生が教師を出ていくと、他の奴らもぞろぞろ出ていった。
俺は奴らと行動を一緒にしたくなかったので、しばらく席に残っていると、
「いやー、お父さんから聞いてたけど、天霧くん凄いね!想像以上の俺様ぶりだったよー。」
「やっぱりカイさんの?」
筋肉ダルマが、こんな可愛い子の・・・本当にトンビがタカを産むことがあるんだな・・・
「うん、娘だよ〜。よろしくね、天霧くん。
それと、私はお母さん似だよ〜。失礼なこと考えちゃだめだよ〜!」
ぷうっと口を膨らませて抗議する秋津洲。アザトカワイイなぁ
「ははは、こっちこそよろしくな。
カイさんの娘なら、ユキトでいいよ。中等部にももう一人
「じゃぁ、ユキトくん。わたしも、サラサって呼んで。
でも、ユキトくんって聞いてたとおりの大物ね。入学初日から、御三家の
「
「ぷぷぷっ!インテリヤクザっで、口が悪いなぁ。
でも、本人プライド高いから気をつけなよ〜。」
「知ってるのか?
「うん、ユキトくんと
でも、私フタバとは仲良しなんだよー。」
「フタバって、
「あはは、そうだよ。可愛い子でしょ?あの子。
女の子から見ても、すごく可愛いと思うし、男の子からしたら守りたくなるような〜、そばに置いておきたいような〜」
確かに可愛くて、小っこくて守りたくなるのは分かるな。でも、それ以上に胸部装甲がゴリッパ・・・
「じぃーっ」
「うわっ!」
サラサが顔を近づけて、じっと俺の顔を
「やっぱり、ユキトくんも男の子ですなぁ〜」
「いやいや、そんなやましい事は、けっして・・・」
「ふふふ、冗談よ、じょうだん。
でも、私なんか嬉しい。
ユキトくん、なんか浮世離れと言ったらいいのか、どこか遠いところにいるみたいな
「サラサ・・・」
『ユキトは、私たちと一緒にいても、ずっと心は故郷の世界に残しているのですね。私たちがそばにいても、あなたのその心の空洞は埋められないのですか?』
そう言ってくれたのは、アムネリアだった。最後まで傷ついた俺の心に寄り添ってくれた・・・
「ほら!またどこか遠いところを思っている?
地元に彼女でも残して来たのかな?ユキト少年は?」
「いや、そんなんじゃないし!」
サラサは指で俺の鼻先を押しながらからかった。
でも、この子アムネリアなみに人の心に敏感なんだな。聖女か?
「お兄ちゃん!」
ガラガラピシャ!
あっやべ!なんか面倒なヤツが・・・
「プギャー!お兄ちゃんが、酷いこと考えてるのですー!激おこプンプン丸なのですー!」
「あらぁ!うわさの妹ちゃんだー!すっごく可愛い――!はぁ、お姉ちゃん、このまま持って帰りたわ――!」
面倒な場面を覚悟したが、意外にも初手からスズネが抱き人形にされて、詰んでいた。
「はうぅ、誰だこいつ、ですぅ・・・。スズネを抱っこしていいのは、お兄ちゃんたけだぞ、ですぅ・・・ぅぅううう。」
あっという間にサラサに抱っこされたスズネが、死んだ魚の目で弱々しい抗議をしてる。
「えっと、スズネ。今お前を抱っこして、頬をスリスリしてるのが
「スズネちゃーん!サラサお姉ちゃんだよ―!よろしくねっ!いや、私よろしくしちゃうからねー!
んふぅ――!スズネちゃん!カワイイなー!愛らしいな――!天使だよ――ん!」
スズネがこんな顔してる。
(´×ω×`)
・
・
・
スズネに
どうやら、まだイベントは終わってなかったらしい・・・
「おい!お前!
エルフを連れているところを見ると、
ウザ絡みするヤツはスルーに限るわ。
「礼儀を知らないサルは、無視するにかぎるのです。」
「あら、ダメよ。スズネちゃん。あれは
俺の連れがバカを
「ちょ、まっ!待つでござるよ!」
「ござるぅ?」
「お兄ちゃん、確定なのです!こいつイタキモ、イタキモなのです!」
「あらあら、まあまあ〜」
「くそっ!
けっ、決闘だ!不正入学した上、ぼ、僕を侮辱したお前に、決闘を申し込むぞ!」
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