春日部 美羽視点

「どーお?いい感じ?」


「うん!好みのメロディー!」


私は関路くんと出会ってから1カ月ほぼ毎日会っている、ノートPCで私好みのメロディを作ってその後メロディに合わせて歌う


今まで溜め込んでいた歌に関する事を全てぶつけられる…今…本当に楽しい…


「そろそろ時間じゃん、いつも場所でいい?」


「うん! やっぱすごく時間経つの早く感じる…」


「楽しい事やってればそーゆー感覚になるよね」


本当にそう…家や学校は時間が長く感じる…毎日毎日この時間……関路くんとの曲作りが待ち遠しい…もっとこの時間が続けばいいのに…


「ついたー、んじゃまた明日ねー」


「うん……」


はあ…これからの事を考えると憂鬱だ…関路くんと友達になってから色々な遊びを教えてもらってそれ以外の事がすごくつまんなくなった…


「………」


父がいる…丁度いい…


「お父さん…お願いがあるんだけど…」


「………」


「予備校の後に同級生と勉強会をやろうって話になったの、だから門限を少し伸ばしてほしくて」


「……1時間だけならいい…」


やった!これで関路くんと居れる時間が伸びる!


「そのかわり…結果を出せ…」


「…はい」


ーーー


「今日はカラオケ行こーぜ」


「うん!点数負けた方が奢りね!」


「奢り確定したようなもんじゃん……」


門限が伸び…遊び幅が広がった…カラオケ スポッチャ バイクでツーリング…色んな場所に行った…すごーい楽しい…


「美羽ーそろそろ冬だし寒いっしょ?」


「うん…めっちゃ寒い…」


「俺んちに場所移さね?」


「え!いいの?」


「うんー、俺んち基本親あんまいないし地下もあるんだよねー」


「トレーニング部屋なんだけどまだそこそこスペースあるしどうかなって」


「お願いします!」


関路くんのお家楽しみだなー…


それから関路くんのお家で色々な事をした…曲作りはもちろん…ゲームやったりオススメの映画やアニメ、漫画など…この時間が続けばいいのにと何度も思った……でも一つだけ不満がある…


「関路…」


この人だ…南部桐奈…関路くんの幼馴染…

とんでもないくらいお金持ちらしく関路くんにお金を渡したり物を買ってあげたりしている……高校には行ってないらしくほぼ毎日関路くんのお家に来る…


「美羽さん…もう冬だしバイクで送る事が出来なくなる…だからしばらく来ない方がいい……」


「いえ、大丈夫ですよ冬になったら帰る時間を少し早くすればいいだけですから」


この人…嫌いだ…私と関路くんとの幸せな時間を奪おうとしている


「「…………」」


「ん…桐奈来てたのか、トイレ行ってたわ」


「関路…これ」


「おーまじで助かる…」


桐奈さんは関路くんに袋を渡した…中身はコンドームだった…


「今日…いいよね?」


「あーりょーかい」


……するんだ…私が帰った後……なんだろう…この感情…私には光輝くんがいるのに…………


関路くんのお家から出て家に帰る時色んな感情が出てきた…悲しみ 怒り 嫉妬    ずるい…ずるいよ…桐奈さん…


ーーー


「美羽さん…今日はありがとう…僕の家に来てくれて」


「はい…」


…予備校の帰り光輝くんに勉強会のお誘いを頂いたので本当は関路くんのお家に行きたかったけど断るわけにはいかないので嫌々招待を受けた……

 

「それで……これが……」


………つまんない………はあ…今は……


時計を見る


全然時間経ってない…早く終わんないかな


「美羽さん!聞いてる?」


「あ…ごめんなさい…少しぼーっとしてました」


「そうなんだ じゃあもう一回言うけど………」




「よし!これで終わり!お疲れ様!」


「はい…今日はありがとうございました」


やっと終わった…早く家に帰って寝て、明日は絶対関路くんのお家に行こう


「美羽さん…最近綺麗になったよね」


「……」


当然だ…関路くんからコンタクト付けたら?と言われ眼鏡からコンタクトに変えスキンケアもしっかりして髪も前よりケアする様にしている…


「前も綺麗だったけど今はもっと綺麗だよ」


「ありがとうございます」


嬉しい…けど……関路くんに言われたら…もっと嬉しいんだろうな


「美羽さん……高校を卒業したら…今の関係から一歩進めてみないか?」


「……そうですね、私もそう思っておりました…」


嘘だ…本当は……この関係を………



帰宅し早速関路くんへメッセージを送った…


(関路くん!今日はごめん!明日は空いてる?)


早く返信来ないかなーーピコン きた!


(ごめーん 明日他の子と約束あるわ)


(明後日空いてるから明後日でー)


…なんで…


私は夜…全く寝る事ができなかった…



予備校終わりすぐに関路くんのお家に行った…監視するためだ…関路くんは女遊びが激しい…そんなのわかってる…けど最近すごく嫉妬してしまっている……駄目なのに…光輝くんがいるのに…


いた!女の子と一緒にいる!


「まじで会うたびカナちゃん可愛くなってる!」


「関路くんのおかげだよ!紹介してもらった美容品本当にどれもいい!」


「でしょ!俺も色々試した中で一番いいなと思った物ばかりだし」


「私も最近、自分に自信出てきた!だって二週間連続で告白されたんだよ」


「だろーねー今のメイクもカナちゃんに似合ってるし…めっちゃ好き!」


「ありがとー関路くんに買ってもらったやつ使ってるのー」


「実はね、今アルバイトしててお金を貯めて鼻高くしようと思ってるの!」


「おーそうなんだ、今も充分可愛いと思うけどねーでも高くなったらもっと可愛くなるかもね」


「うん!さすがに桐奈ちゃんや玲奈さんには敵う気がしないけど…」


「いやいやカナちゃんにはあの二人とは違った魅力があるから自信持って!」


「うん…そうだよね!関路くんいい事ゆー」


「関路くんと出会って一カ月…本当に変われた!私関路くんが言う事なんでもしてあげる!」


「へーじゃー色々してもらおうかな」


「キャー」


二人が関路くんのお家に入っていった…


一カ月…私は出会って四カ月経ってるのに……何も…


ずるい…ずるいずるい!私も関路くんに抱かれたい!あの腕で抱きしめてほしい!あの分厚い身体を体いっぱい感じたい!


…………もう…自分に嘘つけないや……ごめんね…光輝くん…




もう我慢できないよ…





私は次の日関路くん会ったと同時にキスをした…

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