小泉 玲奈視点 終

「死んじゃったかな?」 

 

「あ…ああ…………っあ…」

 

「よかったー生きてんじゃん……これおまけ!」 

 

ドカッ

 

「ゴフッ!」 

 

「関路くん!やりすぎだって!」 

 

「いいのいいの 最初にびびらせんの大事だよー……さて…」 

  

「次はおまえらーあはは」 

 

私が一番嫌いだった奴が……なんで…ここに? 

 

「おっ…おい…あれ…飛内じゃん… 」 

 

「は?なんでここに?」 

 

「やべーよ…あいつ…相田さんを車で轢いてさらに蹴り入れやがった」 

 

「…飛内!関路……!!」 

 

全身和掘りの人が怒鳴った 

 

「あ?なんで名前知ってんの?」 

 

「忘れたとは言わせねーぞ!!コラァ!」 

 

「いや…知らねーよ」 

 

「三年前テメェに彼女を奪われた西高の井岡だ!」 

 

「は?…井岡……?…………………ああ!豚岡か!」


「久しぶりじゃん!豚岡!その刺青どーしたん!すげー気合い入ってんじゃん!」 

 

井岡が顔を真っ赤にして声を荒らげた 

 

「テメェに入れられたのをカバーアップしたんだよ!」 

 

「えーもったいない…せっかくお前のために墨汁買って ぶた って文字とうんこの刺青いれてやったのに〜」 

 

「お前は絶対殺す!殺す!」


「はあ?何お前?中学の頃の俺に何も出来ずボコられて彼女を目の前で寝取られたお前が勝てると思ってんの?」 

 

「うるせえ!テメェだけは必ず殺す!」 

 

う…嘘でしょ…井岡という男がナイフを取り出した…

 

「まじかよ!まじでやんの?!まじでやるよ?俺?!」 

 

関路くんが服を脱ぎ左手に服を巻きつけた 

 

「なっ……なんてカラダしてやがる……」


「やべー…勝てるワケねー」

 

「……逃げたい…」


凄い身体だった…太い腕…分厚い胸板…全体的に丸みを帯びて筋肉で身体がボコボコしていた…


「クソッ!関係ねえ!!死ねや!関路!!」 

 

井岡がナイフを関路くんに向け身体目掛けて刺そうとしたが服を巻きつけていた左手でナイフを掴み右手で井岡の顎を撃ち抜いた…


ドカッ!      バタン

 

井岡の手と足がピンッと硬直して地面に倒れた


「あの井岡さんが…一発で……」


「嘘でしょ…あたしらやばくない?」 

 

「やべーよ逃げようぜ…」


凄い……あんな大きな身体の人を……… かっこいい……

 

私は今まで感じた事がない感情が出てきた…


「あー!痛え!つかバンテージ巻くの忘れてた!!」 

 

「関路くん…大丈夫?」  

 

「晴太!車にバンテージあるからとってきてくれ!」 

  

晴太くんという子が車に走って行った


「なっ…なあ?関路くん…俺らと一緒にコイツを輪そうぜ…関路くんが一番最初でいいからさ?」 

  

「はあ?何言ってんの?女の子を無理矢理ヤッたり脅したりして何がいいんだよ 口説き落としてこそだろうが」 

 

「まっ…テメェらみてえな ブ男共にはわからねーだろうがな」


関路くんは男共を馬鹿にしたように笑っていた……

 

「玲奈ちゃんは俺の物なんだああああ!!」

 

親衛隊だった男が関路くんに殴りかかった 

 

ドカッ バキ


「ぎゃああああーー!!」 

 

男はパンチを頭目掛けて放ったが関路くんはそのパンチしようとした手に頭突きをした……指が変な方向に向いている……


「なにこいつ…イカれてんじゃん……笑える」  

  

「んでどーすんの?あんたらは?」 

 

「いっ…いや…やらない…です…」


「お…俺はやらされたんだ…!」  

 

「そうそう…こいつらが玲奈ちゃんがムカつくからって…」


「はあ?あんたらだってノリノリだったじゃん!!」 

 

「関路くんごめん!うちの兄貴が言う事聞かなきゃ痛い目見るって脅されてて……」

  

「はあ?秋!テメェ!」 

 

クズ共が仲間割れを始めている……え…………私は…助かったの…?


「まーなんでもいいけどおまえらサイフの金全部だせ…あと付けてるアクセサリーも…」


「え…?」 

 

「早く出せ…殴られてーの?」 

 

「ひ……わかりました…」


関路くんがこっちに来た 

 

「あー玲奈さん?大丈夫スか?」 

 

「え…うん…」


「良かったー実はこいつらが玲奈さんに酷い事するって言ってたのをたまたま聞いてて」 

 

「そ、そうなんだ…でも…なんで助けてくれたの?…私達…会話した事ないよね?」 

 

「いやー俺、桐奈の幼馴染で桐奈がアンタにかなり世話になっていたってのを結構聞かされてて、だから放って置けなくて……」


「ってのは建前で!美人の先輩とお近づきになりたくて助けました!!」 

 

「ふふ…正直すぎでしょ……でもありがとう…本当に感謝してる」

  

「玲奈さんと仲良くなれるなら俺いつでも助けるんで!」 

 

やっぱ私…見る目ないや……こんないい人を嫌っていたなんて……桐奈ちゃんの件も何か語弊があったんだ…だってあの時…関路くんと凄い笑顔で笑ってたし…


ーーー 

 

「おーそこそこ持ってんじゃん…アクセもいい感じ」

   

「あ!あとそこのデブ二人とキチガイの金とアクセも取ってきて」


「は、はい!」 

 

全員の金目の物を奪った後 

 

「これはあのデブがぶつかってきた時に凹んだ車の修理代だから」


「いや…轢い…「あ?」すみません!」

  

「関路くん持ってきたよ!ごめん!中々見つからなくて…」


「あーいいよ 終わったから」 


「じゃー今から産卵ゲームやろー」 

 

「え…?」

 

「は?」


「卵をケツの中に1分入れて割れなかったら勝ち…ケツから出しちゃったら両腕の骨を折る…割れたら……プフ」 

 

「まーしばらく快便は無理だろーなーあはは」 

 

「安心してーローション多めに使ってあげるし卵は何気に頑丈だから!」 

  

「じゃー最初に誰やる…?」 

 

「「「…………」」」


「そーだよねー誰もやりたくないよねー」 

 

「そこで大サービス!誰か一人犠牲になればあとは全員やらなくていいです!さーどーします?」 

 

なるほど…かなりひどいやり方だけど仲間割れをさせようとしてるのがわかる……

 

「あ、あんたがやりなさいよ!」 

 

「は?ふざけんな!お前がやれ!」 

 

「そっちこそふざけんな!ウチら女子にやらせるつもり?!」 

 

「………兄貴がやってよ…」


「秋!テメェふざけんな!」

 

「……兄貴がこんなかで一番年上だし」 

 

「たしかに!お兄さんお願いします!」 

 

「そうよ!一番年上の人がやるべき!」

 

「お前ら!」 

 

「早く決めねーと俺が決めるぞ」 

 

「おいお前ら!秋の兄貴を抑えつけろ!!」  

 

皆が秋のお兄さんを抑えつけてパンツを下ろした 

 

「よし!決まったな!それじゃー早速…」


「が…があああ!!」 

 

「入った…いつ見ても笑える…」


関路くんはタバコ吸って笑っているが他はかなり引いている…私は…前までなら皆と一緒の気持ちだったけど今は……


「あと40秒!…………へへ」 

 

ジュー

 

「かっ…!んーんー!!」 

 

関路くんが秋のお兄さんのお尻に火の付いたタバコを押し付けた


「おー!よく耐えた!すげー!」 

 

「嘘っ……」

 

「ガタガタガタ」 

 

皆は怯えはじめた 

 

「3.2.1………………はあ……」


秋のお兄さんはなんとか1分耐えた…秋のお兄さんは安堵の表情を浮かべているが関路くんはがっかりしている…


「はーつまんね…お前ノリわりーわ」 

  

ドン パリッ

 

関路くんがお兄さんのお尻を蹴った…


「があああああああああああああ!!!」  

 

「ぶはははは!すげー声!」 

 

「あ…ああ」 

 

「ひ、ひい…」


蹴った衝撃で中の卵が割れてしまったようだ…お兄さんが涙や涎まみれで転げ回っている………関路くんがいい人……やっぱり…私…見る目……

  

「あースッキリした…晴太!玲奈さん!いこーぜ」 

 

「う、うん」 

 

「そ…そうね」 

 

車まで無言で歩いていたら晴太くんが声を出した  

 

「関路くん…さすがにやりすぎじゃない?」 

 

「私も…酷い目にあったけど…あそこまではしなくても…」


関路はニヤニヤした顔から一変真剣な顔になった 

 

「あいつらこういう事すんの 初めてじゃないだよ」

  

「前もさ似たような事あったんだ…それきっかけで俺の友達…精神的に参っちゃってさ…今もまだ入院してんだ…」 

  

「だからだりーけどこういう女の子を無理矢理やろーとする奴は嫌いでさ…ついやり過ぎちゃうんだ…」

 

関路くんが悲しそうな顔で語った


「そうなんだ……ごめんね…関路くん僕…誤解してた」

 

「……関路くん…やっぱ優しいよ…」 

 

「はは…湿っぽい話になっちゃったね……まー玲奈さんも無事だしこれから明るくいこー」

 

「関路くん!僕一生ついていくよ!」 

 

「私ね?ずっと関路くんの事誤解してた…本当はいい人なんだね」


「はは…ありがと…………(まあ…さっきのエピソード嘘だけどwww)」

 

「関路くん?今さらだけど車……」


「あー無免だけど3年は運転してるんで安心して乗ってください!」


「え…でも」 

 

「山を歩きで下るんスか?」 

 

「あっ…うん…乗る…」  

 

私を絶望の淵から救ってくれた…唯一の人…親しいと思っていた全員に裏切られ完全に希望がないと思っていたのに…………嫌い…だったのに………こんなの…自分に嘘つけないよ……


「ねえ…関路くん…」 

 

「ん?どうしたんスか」 

 

チュ

 

「へへ…お礼……になるかな?」 

 

「玲奈さん……」


 

あんなに嫌いだった彼がいまではこんなに愛おしい……桐奈ちゃんがあんなに笑顔で彼の横で笑っていた気持ちがわかった気がする…


大好き関路くん……んーん関路…絶対離さないから…ね


 

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