第7話

ここに来てたぶん2日目でスライムと仲間になった訳だが、このスライムはいわくつき?らしい。


周りに同族が来たと思ったら襲ってきたり、酸を吐いてきたりする。

こいつ嫌われてんのかな~なんて思っているとスライムは襲ってきた同族を殺していく。

しかもスライムは殺した同族を食べだすという最早蛮族かな?なんて思う行為すらし始めた。

なんかスライムと心の距離が広がっていくような気がする。


段々と森の外に向かおうとはしているが生憎ここがどこかがわからない。

スライムが同族を殺して吸収している現場を何回か目撃するだけで2日目も夜を迎えた。


なんとなくだがスライムは悲しんでいるようだ。よかったスライムは蛮族なんかじゃないんだ。

俺はそうのように思いながら寝た。




◇◇~スライム~

僕はウルフを倒すために仲間を取り込んだ。

そして強くなった僕は命の恩人を襲っていたウルフを倒すことに成功したんだ。

従魔契約もして、これから僕のスライム生に新たな章が始まったとばかり思っていた。

でもそんな考えは打ち砕かれることになる。



……――……


ポヨン ポヨン


森の中を命の恩人(以後、ご主人様表記とさせていただきます。)と一緒に歩いていた。


ご主人様はどこから来たのだろうか?


そんな妄想を膨らませながら僕はひたすらに森を進んでいった。

ここは僕が生まれて暮らしていた場所だ。お母さんは僕らのことを育てることなくいなくなっちゃったけど、同族はいっぱいいる。


今日も当たり前のように同族にあった。


ピギィ?ピィ!(お前?まさか同族を喰らったのか!)


同族を吸収してしまったけどそれはしょうがない。吸収した同族だってみんなウルフに殺されるぐらいなら、って言ってみんなで力を合わせたんだ。


僕は殺意があって同族を殺したわけではないことを説明しようとした。

でも同族は聞く耳を持たなかった。


同族は酸を放ってきた。

その酸を受けるだけで許されるならそれでよかった。


僕は同族よりも強くなっていた。それでも何発も酸をもらうと死んでしまう。

ご主人様に付いて行くか、ここで殺されてしまうか。


迷いに迷った。それでも結論をゆっくり考えている暇なんてなかった。


僕は同族を吸収した。


吸収するたびに強くなっている気がする。こんな僕は自分のことが嫌いになりそうだ。


どうしても自分のことを許せそうにない。

こんな僕がご主人様と一緒にいてもいいのか。


そんな問いが思考を駆け巡る。


気がついたらもう夜になっていた。

ご主人様はもう寝るみたいだ。僕も寝ようかな、と思っていた時だ茂みの中から、


ガサガサガサガサガサガサ


と音がなっていることに気づいた。

そして茂みの中から出てきたのは……。



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