最終話①
休日、小さな女の子を見つけた公園に
行ってみた…
確か、この辺りか…
小さな森のアーチの入り口が…
あれ?森の中に家があったかな?
手鏡越しに見た風景が
眼前に広がっていた
気持ちの何処かで
行くなとブレーキをかけている
…体がアーチの方に吸い込まれていった
アーチをくぐると、煉瓦造りの家の庭の中に
佇んでいた
懐かしいな…
俺の記憶の片隅に置き忘れた…遠い出来事が
ぼんやりと浮かび上がる
手鏡…
俺はズボンのポケットから取り出す
…返さないと…誰に…
お兄さん、待っていたよ
背後から少女が声をかけた
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