疑念

「よっこい……しょ!うん、これで大丈夫」


唖然としている朋美をよそに鮎川は、再びその雨戸を開けてくれた。

直後、スマホに連絡が入る。

どうやら前回面倒な顧客を担当していた営業が飛んでしまい、その対応に追われているらしい。

鮎川は言った。


「今日は辻さんそっち方面行かないから安心して。五時にも俺が迎えに行く事になってるから、それまで任せたよ。」


「あっ、えっ、」


鮎川は言うや否や家を出て行ってしまった。


一人残された朋美は、再び背後に視線を感じ、戦慄した。

朋美はあと6時間3分、この家から出られない。

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