第2話

後の授業は座学だったのでいろいろなことを知れた。今日は時空の塔のつえについてだったり、魔本文を覚える単純な授業もあった。どれも私をワクワクさせた。中には素敵な魔法もたくさんあり、この魔法というもののない世界から来た私は全てが新鮮で面白かった。



でも先生に聞かれても声が震えて全然だったけどね…。



あっという間にほとんどの授業が終わると、隣に座っていたアリーが声をかけて来た。



「お疲れ様。慣れた?忙しかったでしょ。それも初めての魔法授業だったし。」



そう言って笑いかけてくれるアリーはとても優しい。厳しいところもあるが、マリーのことを気にしてくれているのだ。


「ねぇ、家庭訪問があるでしょ。なんとか入れ替わらないかな?私も流石にバレてしまうと思うの。」


「そうね。でも入れ替わる方法がわからないわ。本当は入れ替わるのではなくこっちに呼ぶ予定だったんだもの。間違いを正す魔法はリスクがいるし難しいのよ。」


「私にできることないかな。」


「それなら、マリーがなんでこっちにあなたを連れて来たかったかわかる?」


大きく首を振る


「マリーはいつも失敗ばかりでママに認められたかったのよ。ママはこの大陸に王国を持つ女王陛下だから、ママに認めてもらって褒めて欲しかったのよ。だからマリーは高難度魔法を使用したの。でも逃げたい気持ちが強かったから失敗したんだと思うわ。」



マリーは自分を認めて欲しくて呼んだのか……


「じゃあ、もっとすごい事をしましょうよ。今日の授業であった時空の塔に行って伝説の杖を探しにいくのはどうかしら。」


「見つかるわけないじゃない。あれは見つからないのよ。今までいろんな人が探したんだから……。それにあそこにいくには時間がかかるわ。帰ってくるのが家庭訪問の日になってしまう。明日から学園は休みだけどリスクが大きいわ。」



「でもやってみましょう。アリーも行きましょう?」



「おい、バカじゃないのかそんな無謀なことしたってどうするんだよ。」



「リチャードも来れば安心ね。頑張りましょうよ。こんな素敵な世界に読んでくれたマリーにお礼がしたいのよ。」



私は一生懸命訴えた。


「わかったわ」


呆れた顔でアリーが答えてくれた。


「仕方ない俺も行くよ。」


「ありがとう。そうと決まれば準備しましょう。」



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