小さい魔女はこれからです!
西園寺 椿
第1話
ふわー。私は重たい瞼を開けた。
ここどこだ?
朝起きると見慣れないドレッサーに見慣れないカーテンがついたベット。ここがどこかわからない。
戸惑っているとドレッサーの方から声が聞こえた。
「ねーねー。起きてよ。」
声のする方に近づいてみるとそこには鏡の中の私が私に手を振っていた。鏡である筈なのに私と同じ動きをしていない。不思議に思って首をかしがると私が
「ゆうかちゃん。私の名前はマリーよ。今日からあなたにそっちの世界で少しの間過ごしてもらいたいの。私の代わりに学校に行って私の代わりにママと過ごして欲しいの。」
「え!そんなの困るよ。私も学校に行かなきゃ」
「大丈夫。こちらの世界との時間軸は違うし、それに私が時間をいじったから、あなたがそちらで過ごす時間でこっちは1日も経たないわ。夜の間だけよ。三日間だけでいいの。そこのノートに色々書いておいたからその内容を見て行動してね。じゃあ、バイバイ。」
彼女は私の体で大きく手を振り消えていった。少しすると鏡に戻り今の私を映し出した。
「えーー−、これからどうすればいいの」
やっと落ち着いてノートも見ると、そこにはこう書いてあった。
『私の名前はマリー。魔法学校の4年生よ。三日間体が戻ることはないわ。私があちらの世界に行こうとしたのに間違ってしまったからこうなっているの。ごめんね。朝はママがゲートまで送ってくれるわ。ママと一緒に準備して学校にいってね。学校に行けばアリアナが待っているわ。アリは私の親友で状況を知っているから安心してね。一応幼馴染のリチャードが待っていると思うけど気にしないで事情は知ってるけど小言がうるさいから。授業は同じクラスの子と一緒だから全部アリについていけばいいわ。楽しんで!!」
そんなことが書いてあった。持ち物と時間割も入っていたので学校の鞄と思われる鞄に入れた。
さっきまで焦っていたが、急に落ち着いてきた。少しすると部屋に誰か入ってきた。
「お嬢様。お母様とお食事の時間です。制服に着替えましょう。」
彼女はそういうと私に服を着させてきた。
私は制服に着替えて食事の場所へ行った。部屋はとても広くそして天井までも高くシャンデリアを施し真ん中に大きなダイニングテーブルがあり、母らしきが食事を始めていた。
「遅いからさきに食べ始めましたわよ。」
「おはようございます。」
「今日はずいぶん丁寧な言い方ですね。」
私は苦笑いして頂きますの挨拶をし食事に手を伸ばした。
ほとんどの皿を食べ終えると、母が
「もうそろそろ時間になるのでゲートに行きましょう」
と声をかけてきた。私は荷物をメイドにもらい母と手を繋いでドアを開けた。ドアの先には大きな噴水と馬車が用意されていた。馬車を引いているのは馬ではなくペガサスだった。私はとても感動し目をキラキラさせた。
学校へのゲートはすぐだった。生徒たちはゲートまで箒などで来るのが一般的なようだった。
ゲート前で母親とお別れしてゲートを潜ったゲートを潜るとその先は大きな門があり、同じ制服を着た生徒がたくさんいた。門を潜ると後ろから女の子の声が聞こえてきた。
「マリー、アリよ。」
そのこは気が強そうな少し吊り目で茶色のフワッとした長い髪を持ちそれを半分に分けて結んでいる子だった。
「私、マリーだけどマリじゃないわ。」
「そうだったわね。でもバレないようにマリーって呼ばせてもらうわ。」
「マリーったら魔法を失敗してこんなことになるなんてびっくりだわ。手紙が飛んできた時はビックリしたんだから。今日は時間割の通り1時間目2時間目は魔法実践学3時間目国語4時間目理科5時間目魔法歴史学よ。全部私についてきて授業中も全部教えるけど、いつものマリーも答えられないから気にしないでね。」
アリはすごい勢いでどんどん話していく。何かに焦っているようなくらいだ。
「1時間目2時間目に向けて着替えて早く場所に向かいましょ。ホームルームは夕方だから、気にしないでね。」
そう言って彼女に手を引かれながら私は付いて行った。
運動場のような広い空間の先に森があるような場所が授業の場所だった。先生位らしき人が立っていた。その人は髪を結び横に流しており片目だけ眼鏡をかけていた。生徒たちが集まっていると頃に入ると今度は前に不貞腐れたような顔で立っている人がいた。
「おい、お前マリーか?」
私は首を振った。すると彼は呆れた顔をして
「俺の名前はリチャード。お前の幼馴染に当たる。」
この人が次に教えられた人か。青い目に紺色の髪の毛を持つ男の子だった。思ったより早く会えてよかったそんなことを思っていると授業が始まった。
「今日は土を自由自在に操ってもらいます。まずは丸いお団子を作りましょう。」
生徒たちが一斉に重い思いのところへ散らばった。
アリーの横にいるとリチャードもついて来た。頭の後ろに両手を繋ぎながらだらしない姿勢で。
みんなは地面の一部に願いを込めて、ある呪文を唱えた。
「ソルアルンジ」
そう唱える子の足元には小さ目の丸いお団子ができていた。
「マリー、作りたいものを想像して、他のところに流れを感じるようにして、呪文を唱えるのよ。」
そう言われてやろうと思ったが、私は、まだうまくいかない。そんなことをしていると、先生らしき人がやって来てしまった。
「まだ、マリーさんは作っていないようですね。私の前でやって見せてください。」
え。こんな時に先生の前で。私魔法使ったことないのに…!緊張強いの私は唾を飲んだ。
「ソルアルンジ…」
呪文を唱えながら私は目を瞑った。
「きゃー」
悲鳴が聞こえて間を開けると自分の前に大きな丸い形の土ができていて、そして私の足元からクレーターのような大きな窪みができていた。
「魔力を維持しないとダメではないですか。魔力調節は我々にとって一番大切な基礎なのですよ。」
私は怒られてしまった。今にも涙が出そうだったが、俯き我慢した。
「リーストラクト」
そう唱えると元に戻った。ほっとしたのも束の間、先生に明後日の家庭訪問が楽しみだと嫌味を言われた。
家庭訪問!?
そんな時に入れ替わってるなんて信じられない…。
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