第4話 初めの一歩

昨日二人の勧誘に成功した俺は、新規同好会作成の許可を貰うために、職員室に来ていた。


「一条先生、相談があるんですけど.....。」

「あら、どうしたの木村君?」

「あの、新規で同好会の作成がしたいんですけど.....。」

「なるほどね!じゃあこの紙に概要を書いてもらって、書き終わったら渡してちょうだい」

「ありがとナス!」


気づかれないように淫夢ネタをぶち込んでから、俺は用紙に書き始めた。

同好会の名前:ネットミーム同好会

活動内容、目的:ネットの流行から社会を考察する。

活動日:週2回(水、金)

(顧問.....どうしよう.......。)

まだ顧問を決めていなかった。

内容が内容だけに純粋無垢そうな人間じゃないと騙せないのは確かだ。

俺は頭を回転させある一つの結論にたどり着いた。

(せや!)

「あの.....一条先生?先生に顧問をやって頂くことって可能ですか?」

「私、教師になってまだ数年だし、特に今顧問やってないからいいよ」

「ありがとナス!」

完全勝利した俺は脳内でUNICORNを流しながら素早く、顧問の欄に一条先生と書き、提出する。

「ねっとみーむどうこうかい?なんか変な名前ね?」

「インターネットについて研究する同好会なので.....。」

「楽しそうでいいわね。じゃあ校長に通しといてあげる。」

(やったぜ。)

「オナシャス、センセッシャル」

麻薬のように淫夢語録を決めて、職員室を出た。


「とりあえず、2人に連絡するか」

林と凛さんに旨を伝えて、午後の数学の授業に向かった。



______________





「えーそして、解と係数の関係は.....」

(こいつの授業、分かりやすいんだけどつまらないだよな~)

そんなことを思いつつ、教室でぼんやりとしてた。

(凛さん以外と真面目なんすね)

隣の席の凛は、根は真面目さんなようでちゃんと授業を聞いていて、俺に気づく素振りもない。

語尾が強くなるという感に釣られて意識していなかったが、中々の美少女である。

身長は女の子の中では高い方だし、とても端正な顔立ちをしている。目はしっかりとした二重で、鼻や唇は小さく、眉毛や髪型も整っている。

しかも妙に艶めかしい。胸部はとても膨らんでいるし、ミニスカートからギリギリまで出た足は艶っぽい。

今更だが、なぜこんな美少女ギャルさんが同好会に入ってくれたのか謎である。

そんなに野々村が滑稽だったのだろうか?

(今考えてもしょうがないし、あとで聞こう)



______________



「たち.....凛、ちょっといい?」

「どうしたの?」

「なんで同好会に入ろうと思ったんだ?」

「私、実は親が厳しかった抑圧されて友達も少なくて、心機一転高校では頑張ろうと思って、家から遠い高校を選んで一人暮らしをして、イメチェンしたの。それで、初日に色んな人に話しかけてみた中で、君が一番接しやすかったし面白かったからかな。」

凛にも重い過去があったようだ。

(しかし、なんか告白っぽくてなんか照れるな)

気恥ずかしさのあまり、鈍感系主人公ムーブをしてしまうのが木村勇人。

「つらかったな、俺がこれから幸せにしてやるぜ!」

これが大きな波乱を巻き起こすことをこの時の俺は知らない。

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全力!ネットミーム同好会 あせちれん @creepy_gakusei

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