第3話 実録 恐怖のネットミームブートキャンプ!

「ということで、ネットミーム強化合宿の講師を務めます。木村ですゥ!」


「よろしく!」「よろしくお願いします。」


「まずネットミームの定義から振り返ってみたいと思うんだぜ。そもそもミームとは、文化の中で人から人へと拡がっていくアイデア・行動・スタイル・慣習と進化学者のリチャード・ドーキンスによって定義されており、それがインターネットで拡散される『ネタ』に重ねられてネットミームと呼ばれてんだぜ。」


「ゆっくり解説みたいな口調をやめろ!」

(林、お前そっち側かよ.....。)


「うるさいぞ、東方原作厨がよっ!それはさておき、ネットミームの中のジャンルとして、コピペ、MAD、語録などがあるぜ。」


「具体的には何があるの?」


「良い質問だぜ、凛。例えばコピペには、キモオタクを代表する『ルイズコピペ』、『ぺこーら告白構文』などが、MADには野々村議員やナイト・オブ・ナイツがあるぜ」


「木村ぁ!お....おま...おまえぺこーらを馬鹿にすんなよ!」

「林さっきからなんだよ、バチャ豚、東方原作厨とか役満だろ.....まさか、お前プロセカ民?」「プロセカ好きだけど.....」

「お前完全にマイノリティじゃねえか、弱者男性!」

「2人とも落ち着いてよ!」

イタいオタクの喧嘩を止める陽キャだ、ありがたい。ヒカマニを無理やり注入し、心を落ち着かせる。


「失礼」咳ばらいをして話を再開する。

「さて君たちには、具体例を知ってもらったところで、内容に触れてみるぜ。」

(これからが俺の領域ゾーンだぁ)

ニチャア

鞄からパソコンを取り出し、貸会議室のプロジェクターにつなげて俺はある動画を検索、投射した。


「【音MAD】野々村竜太郎議員×千本桜?」

おれは構わず再生ボタンをポチッ!

「♪~高齢者問題はぁ…グズッ…我が県のニートゥッハッハッハッハッハアアアアァァ↑、我が県のみンゥッハー↑ グズッ我が県のみな らずぅう!!ニシンニミヤ…日本人の問題やないですか!!」

「ぷっ、wwwwww」

「なんやこれwwwwww」

俺は野々村を画面に据えながら絶頂。涙を浮かべる。

「トレ!!ビアンッ!!高度に裏打ちされた、本家へのリスペクトとMAD知識の高さ、丁寧な編集が生み出すハーモニィー!!」

おっと喰種グールの月山習が出てしまった。動画の再生を終える。

「ミームって面白いんだね!」

「俺、おとわっかしか知らなかったから、他のやつも知れて、良かったよ」


堕ちたな(確信)

二人がネットミームに魅了されたと確信したところで、同好会に勧誘する。

「俺、今度学校でネットミーム同好会を作ろうと思ってるから、二人には名前だけでも連ねてほしいんだけど....どう?」

「ほかのももっと知りたい!」

「俺も!」

「二人ともありがとう。じゃあ今度一条先生に言っておくからよろしく!」

思っていたよりも早くハマってくれたことに内心驚きだが、問題はないのでヨシ!

やりたいこともすぐ終わったので、俺は公民館を出た後、すぐ二人と解散して、順調な滑り出しに満足しながら家路についた




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