part Aki 10/17 am 11:52
「こんのさんも エプロンドレス着てみてください。お揃いコーデしてみたいですし…。こっちの臙脂の方も 早く見てみたいです」
ホントにこれ以上の脱いだり 身体 見られたりってゆーのは マジで御免被りたい。サッサとこんのさんの話題に切り替えてしまおう。ベッドのところに置いてあった臙脂色のエプロンドレスを こんのさんに手渡す。
「じゃあ 向こう向いてますね」
……たぶん 今日は 天中殺とか なんかそーゆー感じの星占い以外の 運勢最悪の日なんだろうな。……きっと。
「あきちゃんさぁ…。いつも あたしのこと 綺麗とかスタイル抜群とか言ってくれるクセに いざ 脱ぐとなったら 目 背けるとか ヒドくない?」
こんのさんが トンでもないことを言い出す。
冗談っぽい言い方だけど ボクの態度に不満があるってゆーのは 伝わってくる。
「えっ!? ……いっ いや… あ あの…… 別に 目 背けたりとかは…」
見たくないワケじゃ もちろん無い。
ってゆーか見たい。でも 見たいからこそ 見るワケには いかないワケで……。夏に見た キャミに短パン姿(……より正確に言うと 丸見えだったスポーツブラと白い太もも)が 目の前をチラつく。そして キャミで風を送ってたときに 奥まで見えた 胸の白い谷間。思い出しただけで 喉の奥がザラつく…。
「じゃあ こっち見てて大丈夫だよ。女の子同士なんだし あたし 気にしないし」
……そう。
こんのさんは〈女の子同士〉って思ってるから『見ても大丈夫』とか言えるんだ。でもボクは〈男の子〉。健全な男子高校生は 女子高生の生着替え見て 平常心でいるなんて不可能。でも ボクはポーカーフェイスで こんのさんの生着替えを見なきゃなんない。ラッキーといえばラッキーなのかも知れないけど ボクの気分としては 完全に苦行って感じ。
「……いや さぁ。別に見て欲しいってほどのもんでも 無いんだけど…さ」
こんのさんは そんなこと 言いながら ワンピースの首の後ボタンを外し キャミとストッキング姿になる。
心拍数が上がるのがわかる。大丈夫。大丈夫。自分に言い聞かせる。キャミ姿なら 夏のときも見た。ガン見したりしなければ 大丈夫。平常心でいられるハズ。大丈夫だ。
「生まれて初めて スポーツブラじゃないヤツ買ったの。ちょっと可愛いヤツ」
下着について あっけらかんと話すこんのさん。
こんのさんは知らないんだ。ここが〈男の子〉の部屋だってこと。そして 自分の横にあるベッドが〈男の子〉のベッドだってこと。そこでボクが こんのさんのことを妄想しながら 何度も何度もオナニーしたってこと。毎晩毎晩 こんのさんを想いながら 泣いてることを……。
「ほら あきちゃんが前してたのと 同じヤツ」
こんのさんは ベッドの縁に 腰掛けるとキャミの肩紐を下ろして ちょっとだけブラを見せてくる。
見ないように見ないようにって 視線を定めないように頑張ってたけど もう 限界だった。赤いタータンチェックに 包まれた白い豊かな膨らみが ボクの視線を釘付けにする。ああ ダメだ。勃起しちゃう。ボクの心の中で ムクムクとぺニスが固さを増していく。絶対 ダメなのに。生身のこんのさんに欲情するなんて 絶対 許されることじゃない…。
「……どうかな?」
こんのさんが 上目遣いにボクを見た。
それはあまりにもコケティッシュな仕草。激情を必死に食い止めていた理性を決壊させるには 十分すぎるほどの蠱惑。『男の子ってばれちゃマズい』 とか 『友情ごっこ』とか もうホントどうでもよかった この目の前にいる〈女〉に ボクの思いの丈を吐き出したい。その気持ちだけがボクの心を支配する。こんのさんの目に怯えた表情が浮かぶ。その表情すら ボクを押し止めることはできない。逆に 総毛だつ感覚とともに この女を征服して屈服させてやるっていう暗い焔が灼々と燃え上がる。
こんのさんの美しい貌が ボクに近づいてくる。……いや ボクがこんのさんに近づいていっているのか。何の現実感もなく 身体を動かしているという感覚もなく ただ心臓の音に支配されるようにして ボクは こんのさんに 近づいていく……。
………。
……。
…。
「亜樹ちゃーーん。紺野さーん。ご飯できたわよーー!」
風船が弾けとんだ。
ママの声に。
「はーーい。今 降りるーー!」
慌てて返事をする。
心臓はまだバクバクいってるけど 理性は戻ってきた。こんのさんの様子を伺うけど こんのさんは 何事もなかったかのように バッグから ブラウスを取り出しボタンを留めている。そのつぎは 臙脂色のエプロンドレス。
「……お待たせ。どうかな?」
「スゴく綺麗です。お化粧もよく合ってるし…。やっぱり 七海堂で買ったコットンレースが いいですよね」
「うん。ありがと。もう 降りよっか?お母さん 待たせちゃったら悪いし」
こんのさんは ボクの理性が吹き飛んでたことなんか 気がついてもないみたい。目が合ったとき 怯えた表情されたから 絶対 気がつかれたと思ったんだけど…。とりあえず ママのおかげで 今日最大(……いや人生最大かも)のピンチを かろうじて乗り切ることができたみたいだ。ありがとう。ママ。
………。
……。
…。
to be continued in “part Kon 10/17 am 11:58”
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