part Kon 10/17 am 11:52
「こんのさんも エプロンドレス着てみてください。お揃いコーデしてみたいですし…。こっちの臙脂の方も 早く見てみたいです」
あきちゃんは あたしの気持ちには 気づかないみたいで(当たり前だけど…)ニコニコしながら あたしのエプロンドレスを 手渡してくれる。
「そーだね。あたしも着替えるよ」
「じゃあ 向こう向いてますね」
そう言って あきちゃんはドアの方を向く。
……気になる。
女の子同士なのに。
何で そこまで見ないようにするワケ?
それって 見たいってことの裏返しじゃないの?
「あきちゃんさぁ…。いつも あたしのこと 綺麗とかスタイル抜群とか言ってくれるクセに いざ 脱ぐとなったら 目 背けるとか ヒドくない?」
冗談めかして たしなめてみる。
「えっ!? ……いっ いや… あ あの…… 別に 目 背けたりとかは…」
「じゃあ こっち見てて大丈夫だよ。女の子同士なんだし あたし 気にしないし」
〈女の子同士〉って言った瞬間 あきちゃんの顔に 例の困惑とも悲しみともつかない微妙な表情が浮かび 直ぐ消えたのを あたしは 見逃さなかった。
「……いや さぁ。別に見て欲しいってほどのもんでも 無いんだけど…さ」
ワンピースのループボタンを外して脱ぎ キャミとストッキング姿になる。
「生まれて初めて スポーツブラじゃないヤツ買ったの。ちょっと可愛いヤツ」
国道沿いの量販店で 2200円。
赤のタータンチェック。
あきちゃんが 前してたのと同じ柄。
「ほら あきちゃんが前してたのと 同じヤツ」
キャミの肩紐を下ろして ちょっとだけブラを見せる。
「……どうかな?」
その時 初めて あきちゃんの異変に気がついた。
さっきまで チラチラ あたしの身体 気にしながらも 目が泳いでたあきちゃんが こっちを じっと見てる。
目が合った。
初めて見る あきちゃんの表情。
瞳孔がカッと開いていて 気圧されてしまう。
えっ?
もしかして 本当に押し倒される?
本能的に そう感じる。
あきちゃんは あたしを〈女〉として見てる。
〈女の子〉でも〈女性〉でもない。
〈女〉だ。
そのことが 本能的に理解できた。
……怖い。
恐怖を感じる。
痴漢されたときの恐怖に近い。
だけど 嫌悪感はない。
あたしがレズっ気とか エッチとか思ってた そんなカワイイものじゃない。
もっと 本質的でドロッとした 欲望を あきちゃんから感じる。
……怖い。
でも あきちゃんのなら 受け止めてあげられる。
そうも 思える。
「……いいよ。きて?」
to be continued in “part Aki 10/17 am 11:52”
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