第5話 幸運の錬金術②

 全部材料を入れてから……ミアの変身している『ホームベーカリー』のフタを閉じた。


 ミアに言われて……フタにあるボタンを押すと。



 ウィィイイイン!!



 って、おっきな音で動き出した!?


 びっくりしたけど、ミアに『次は』とお願いされたわ。



『次は〜、『時間短縮クイック』でしゅ!』


「……なぁに?」


「お嬢様。奥様も使われる技能スキルです。使い方次第で、パンがすぐ作れるのです」


「ほんと!?」



 お母様のように……出来るかもしれない?


 すっごいすっごい!!


 だったら、それを使ってみよう!!



『みゅ、時間短縮クイックとまず言ってくだしゃい!』


「うん! 時間短縮クイック!!」



 ミアに言われたとおりに声を出せば……ポンって音と一緒になんか出てきた!


 ステータスよりは細くて……▷▶︎▷って模様があるのと、数字? なんだろう??



「お嬢様。そちらは私にも見えます。やり方をお教えしますので、数字のところを触ってください」


「うん!」



 ポチポチと指で触れば……本当に、数字が動いていくわ!


 セット……って言うのが出来たら、『決定』ってボタンを押して。



『みにゅぅううう!』



 時間短縮クイックのステータスのようなのが消えると、ミアが叫んで……ホームベーカリーの箱も光っていく!!


 カタカタ……が終わったら、ポンって音が聞こえてきたわ!



「……おお!」



 すっごくいい匂いがする!!


 パンの……パンの焼けたとってもいい匂い!!


 ミアのホームベーカリーからしてきて……早く食べたいと思うくらい!!


 けど、熱くてヤケドしそう!!



【『初心者が作る食パン』


 ・製造=100pt



 レベル2まであと300ptです



 】



 またステータス画面が出てきたけど……なにこれ??



「リーシャ? またなんかステータス出たの?」


「うん。よくわかんない」



 レベルとか、ptってなに?


 ミアならわかるかな?



異能ギフトとミアが成長するのに必要なものでしゅ!』


「「へー!」」



 お母様も……ロティと作る時に、そんなのが出るのかな?


 ちゃんとしっかり見ていればよかったけど……たくさん作ってた時は、あたしまだちっちゃかったのを思い出した。


 もっと詳しく聞くのは、あとにすることにして。


 まずは……はじめて作ったパンを出して食べよう!!


 ワクワクしながらも……フタを開けてみれば。


 すっごい、いい匂いと湯気の中に。


 綺麗な茶色の塊が出来てた!!



「お嬢様。取り出しは大変熱いので私が」


「うん! お願い!!」



 あたしじゃ、じょーずに出せないと思うし。


 シェトラスがミアに聞きながら……出してくれたパンは。


 大きな筒から……コロンと出てきて。


 底にちょっと穴があったけど……いい匂いがすごくておいしそう!!


 これ……お母様たちにも食べてほしいわ!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る