第2話 なにを作るか
なーにを作ろーかなあ!!
「おや、お嬢様方。いらっしゃいませ」
ちゅーぼーに行くと、やっぱりシェトラスが居たわ!
『おん? ミアも』
それと、ミアのおとーさまであるレイバルスも居たわ。おかーさまのロティは、今お母様と一緒だもの。
レイバルスは、ミラクルのおとーさまの契約精霊だけど……ロティの旦那様だから、ほとんどこっちにいるのよね?
なんでって思ったりもしたけど、あたしが生まれた時からずっと居るから。今は不思議じゃないのよね?
『みゅ! おとーさま!!』
『なんか作りに来たん?』
『みゅ!』
レイバルスは精霊だから……あんまり大人じゃないけど、ミアを抱っこするとおとーさまに見えるから不思議。
あたしも……いつか大きくなったら、そう言う人とお付き合い出来るのかな?
お父様たちは、『こんやくしゃ』だったけど……こっちがびっくりするくらいラブラブなんだよね? いいけど。
「うん! 今日もお菓子作りたいの!」
「私も手伝う!!」
「……ぼ、くも」
けど、今日の目的はちゃんとあるから……シェトラスに言うとにっこり笑ってくれたわ。
「ですと、しっかりお手手を洗いましょう」
「「はーい!」」
「……うん」
お母様にきちんと言われているのよね?
ごはんを食べる時もだけど、お料理をする前もあともしっかり手を洗うこと。
でないと、ばっちいんだって。
きれーに洗ってから……今日はなにを作ろうか、サリー姉たちと一緒に考えようとしたんだけど。
「ねぇねぇ! 私たち、そろそろ『パン』作れないかな!?」
「え?」
「……サリー、ねえ?」
「おやおや、パン作りですかな?」
サリー姉の言ったことに、あたしもだけどミラクルもびっくりした。
お菓子は何度か一緒に作ったけど……まだ、パンは一回もない。
お母様はロティと一生懸命作っているのは見たことはあっても。
『あたし』は……まだ出来ない。
「簡単なの。簡単なのでもいいから作ってみようよ! 私、おば様が作ってくれるジャムパンも好きだけど。難しいよね?」
「そうですな。ジャムをあらかじめ入れるのは、かなり難しいです」
「でしょー? でも、リーシャもいるし……何かひとつは作れるよ!」
「……サリー姉」
だから、あたしは!
一回も自分だけで作ったことないのよ!?
ミアもいるけど……ロティのように、道具に『変身』することも出来ないんだから!!
「そうですな。奥様のように、ロティちゃんを使う要領では出来ませんが……私に伝授していただいた方法で作りましょうか? コーンパンなどいかがでしょう?」
「やった!」
「え? いいの?」
「何事も挑戦してみましょう」
シェトラスが、すぐに良いと言ってくれたから。
あたしは……ちょっとずつ嬉しくなってきたわ。
小さな体だけど……お母様のようにパン作りが出来るかもしれない。
それが、良いって許可をもらえたなら……がんばろう!!
お父様にも……お母様にも、食べてもらいたい!!
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