第4話 愚かな行動

 林サミコは,銀次に会えて嬉しかった。自分を理解できる男性に巡り会えた。自分をしっかりと抱いてもらえる男性に会えた。ちょっと,年下なのはあれだけど,でも,ハンサムだし,世間の常識をよく知っていそうだ。


 部屋にいても,銀次はもういない。林サミコは,部屋を出て,タクシーを拾った。


 林サミコ「運転手さん,わたし,娼婦なの。客を捕まえれるところまで行ってくれる?」

 運転手「え? でも,妊婦さんでしょう?」

 林サミコ「中には,変人はいるんじゃない?」

 運転手「まあ,有名なところは知っていますが,,,」


 運転手は,とにかくその場所に行くことにした。

 

 目的地に着いて,自慢の両方で6kgもある胸を強調するため,胸の谷間をしっかりを見えるようにして立っていると,すぐに声をかけられた。警察官だった。


 警察官「きみきみ,ここで何しているのかな? しかも,妊娠しているんでしょう? そんなに胸の谷間を強調して」

 林サミコ「え? あの,,,その,,,」

 警察官「素直に客待ちしていると認めたらどうなの? 素直に認めたら,妊娠中だから,拘留まではせず,罰金刑だけですましてあげてもいんだよ」

 

 林サミコは立ち待ちを認めた。その場で逮捕されて,覆面パトカーにつられた。そこで,厳重注意されて,罰金2万円支払って,もう立ち待ちはしないと約束された。


 そこで開放されれば,特に問題はなかった。だが,,,


 林サミコは,少し胸をはだけていた。夜は少し冷えるのだが,ありあまる脂肪組織があるため,ぜんぜん寒くない。それに,車内で2名の警察官に挟まれて,警察官の手が,たまたまか,それとも故意かわからないが,彼女の母乳に濡れた服に触ってしまった。


 こうなっては,すぐに警察官のあの部分がとんでもないことになる。林サミコは,警察官に暴れられるのを避けるため,已むなく,両手の中指と人差し指を針に変えて,彼らの首に刺した。


 10分後,,,


 警察官は,老人になって呼吸するのを止めた。


 林サミコ「ごめんね。暴れられるの,避けたかったの」


 林サミコは,自分の名前が書かれた調書を奪い取って,さらに,車内カメラを外して,自分のリュックの中に入れた。


 覆面パトカーから出て,しばらく歩いてから,タクシーを拾って,自宅の近くで降りた。タクシーが去った後,また,しばらく歩いて自宅のマンションに戻った。

 

 林サミコは,自分のバカな行動を恨んだ。警察官を2人も殺してしまった。でも,,,あの状況では,そうするしかないと思った。化粧していて,めがねをかけていたので,素顔がバレることはないものの,体つきに特徴がありすぎる。


リュックの中から,車載カメラと調書を取り出して,フライパンの上に置いて,初級火炎魔法弾を発射した。一回では燃え尽きなかったので,もう一度発射してほぼ消し炭にした。


 林サミコは,これは,夢だと自己暗示かけることにした。


 林サミコ「考えても,どうしようもないわ。これは,事故,うん,事故よ。うん,夢の出来事よ。わたし,夢を見ていたんだわ。そうしよう」


 林サミコは,寝ることした。もう,金を稼ぐという発想は止めることにした。いっそ,精神支配を駆使することで,なんとかしていこうと考えた。


 ーーー

 2人の遺体を乗せた覆面パトカーは,何日もその場所に放置された。覆面パトカーだと分かっていたので,誰も警察に通報しなかった。


 地元警察所も,たまたま彼らを管理する上司が,大怪我をして2週間の入院をしてしまった。それが発見の遅れに繋がった。


 遺体は,腐乱し始めて,近くを歩く通行人も異臭を感じた。とうとう,通行人から警察に連絡がはいって,発見された。遺体を調べても腐乱がひどく,死因特定困難な状況だった。犯人に繋がる情報もなく,付近の監視カメラを調べても,何もわからなかった。


 ーーー


 翌朝,林サミコは目覚めた。いい朝を迎えることは出来なかった。でも,もう考えるのは止めにした。


 今日は,鍼灸マッサージ専門学校に行く日だ。当初の目的を遂行しよう。まずは,銀次をこの専門学校に通わす!


  妊婦の彼女の足でも,ここから歩いて40分ほど離れた所にある鍼灸マッサージ専門学校に向かった。


 林サミコは,途中で編入するという形になった。職員室で,簡単なオリエンテーションがあり,座学については,自宅のネットで好きな時間に受講を受けるシステムをとっている。ただし,午後の1時間だけ,座学の時間があり,そこで質問タイムを設けている。その授業の参加は自由だ。


 実技指導は,午前9時から12時まで行う。実技はオンラインで見ることは可能だ。でも,実技をオンラインで見ても面白くはないだろう。


 林サミコは,実技講師と一緒に実習室に来た。


 講師「途中編入生を紹介する。林サミコ君だ。見ての通り妊娠中だ。でも,ぜひ学びたいというので編入を許可した。皆さんも彼女に気を使ってほしい」


 男連中は,鼻の下を伸ばした。なんと言っても,その両方の乳房で6kgにもなる巨乳だ。しかも若くて美人。身長が145cmと小型なのもいい。近づきやすくて,守ってあげたくなる。


 男どもが林サミコに近づきたいのに,女性陣が彼女のところに来て,彼女を男から守るようにして行動をするものだから,全員,男性に近づけなかった。


 それでも,林サミコは,女性のひとたちとライン交換をしていった。それに目をつけた男性たちが,「俺も」,「俺も」というので,結局,全員の生徒とライン交換した。


 昼休み,林サミコは,男性の生徒全員に,自分の胸から上の写真を送った。しかも,胸の谷間がはっきりと見えるものだ。明らかに誘っている写真だ。その時,『返信お願いしまーす。早く,仲良くなりたいでーす。自分の写真を何枚か添えて,簡単な紹介文も送ってもらえるとありがたいでーす。身長,体重,趣味,どの辺に住んでいるのか,一人暮らしかどうかも記載してくださいね?


 わたしの紹介しまーす。わたし,林サミコ,15歳,今,妊娠中でーす。でも,彼とケンカ別れをしました。今は,年下の弟,まだ生後間もない妹の3人で,ここから徒歩40分ほどのマンションで暮らしています。妹の世話は弟が看ています。


 わたし,今,新しい彼氏を募集しています。彼氏だけの関係でいいです。結婚まで要求しません。(ほんとうは,結婚してほしいのですけど,,,) わたしと一緒に夜を共にしてほしいです。

 

 妊娠している子供のことは気にしないでください。生まれたら,弟が面倒みる約束です。弟は,赤ちゃんの世話がとても好きで,率先してしてくれます。


 わたし,,,夜,とても寂しいです,,,』と付け加えた。


 このライン内容に,男連中が色めき立った。林サミコに,さほど興味がなくても,とりあえず,自撮りをして,自分の紹介文を書いて送った。あわよくばエッチできる??


 このメールに,すぐに全員の男性から返事が来た。情報が足りない相手には,追加情報を要求した。この情報で,今後の方針が決まってしまう。


 林サミコが求める条件は,一人暮らし,身長が低いこと(145cmから160cm),中肉中背,年齢ができるだけ若いこと,,,


 この条件に該当する男性はいなかった。でも,ひとり暮らしで,身長162cm,19歳の男性がひとりいた。彼の名は,海斗。


 林サミコは,海斗に,今日,一緒に夕食をする約束をした。他の男性には,お昼,順番制で,一緒に食事しましょうと返事した。


 海斗は,別に妊婦の女性には興味なかった。でも,食事くらいならということで,彼の家の近くまで一緒に帰って,近場のレストランで食事した。その食事中,林サミコから猛烈に性的アタックを受けた。童貞の彼は,とうとう自分の性欲に負けて,彼女を自分のアパートに連れていった。


 彼の部屋は,ゴミ屋敷そのものだった。女っけがまったくなかった。6畳ひと間の,バストイレ付き。一人暮らしなら問題ない。


 彼は,慌てて部屋の中にゴミを片隅に追いやった。


 林サミコがほしいのは,彼の身分証と学生証だ。


 そこで,林サミコは,彼の説得にかかった。


 林サミコ「海斗さん,あの,,,正直に言います。わたし,実は,お腹の子の父親と一緒に暮らしています。年下です。あのメールにあった弟が,実は,わたしのお腹の子の夫です」


 海斗「ええーー? ほんとですか?」

 林サミコ「はい,そうです。彼は,昔,障害事件を起こしてしまいました。それで,まともな仕事ができません。でも,鍼灸師には興味があるようで,ぜひその勉強をしたいそうです。国家資格までは期待していません。それで,あなたの名前を借りて,彼に実技を受けたいのです。いかがですか?」

 

 海斗「えーーと,,,でも,わたしはどうなるのですか?」

 林サミコ「はい,オンラインで授業を見てはどうですか? それか,丸1日,時間ができますので,バイトを探すことも,ほかの勉強をすることもできます。いいと思いませんか?」


 海斗「でも,わたし,高い授業料を払っていますし,,,」

 林サミコ「その点については,わたしの体で返します。今日,わたしとエッチしていいです。その後,1週間に一度,わたしのマンションに来て,わたしを抱いてください。どうですか?いいと思いませんか?充分に引き合うと思いませんか?弟が授業に通うのを止めるまで,毎週1回,わたしを抱けますよ」

 

 海斗「・・・,それなら,まだいいかな?でも,学校側は,それを許してくれますか? 原則的には無理だと思うのですが」

 林サミコ「そこは,明日,弟を連れて学校側と交渉します」


 海斗は,結局,学校側がOKという条件で,同意することにした。海斗は,自分の学生証を彼女に渡した。林サミコは,彼の学生証をゲットした。


 いざ,あれをする時,,,


 林サミコ「わたし,あれをする時は,相手に,ちょっとの間,目を閉じてもらっています。おまじないです。すいませんが,裸になって,横になってくれませんか?」

 海斗「え? はい,わかりました」

 

 海斗は,全裸になって横になった。


 林サミコは,試したいことがあった。針の効能だ。針を刺すと指示待ち状態になるのは知っている。これまでは,2本の針を刺した。でも,1本だけにすれば,『指示待ち状態』にならずに,精神支配的なことができるのではないか?


 林サミコは,海斗の首筋に針状にした中指を少し刺した。自分とエッチしているシーンを,針を通して注入していった。


 3分後,,,


 針を取り除いた。彼の反応したあの部分は,さかんに粘液をだしていた,,,


 彼は,そのまま20分間も目を閉じたまま,夢の中であの行為を楽しんだ。


 林サミコも,全裸になった。彼の粘液を自分の体につけた。夢を現実と思わせるためだ。


 海斗が夢から覚めた。彼の隣には,彼の粘液で汚れた林サミコがいた。


 海斗「あっ,ごめん。体を汚してしまったみたい。すぐにシャワーの準備するから待ってて。でも,とっても気持ちよかった。ありがとう!」


 海斗は,完璧に夢を現実と認識していた。林サミコは,一般人相手なら,この程度のイメージ投入で,夢を現実にできることを知った。


 彼女は,シャワーを浴びて体を綺麗にして服を着た。


 この取り引きは,海斗にとっては,とてもいい条件だった。暇なバイトを探せば,その職場で鍼灸のオンライン授業を見ることができる。しかも1週間に一回は林サミコを抱ける! 夢を見ているような感じだった。実は,本当に夢なのだが。



 ーーー

 自分のマンションに戻った林サミコは,隣の部屋のドアをノックした。しばらしくして銀次が出た。


 林サミコ「これ,渡します。専門学校の学生証です。明日,一緒に専門学校に行ってください。代理出席が可能かどうか,教員にお願いします」

 銀次「まあ,無理だろうが,散歩がてら行ってもいい」

 林サミコ「あの,,,わたしの部屋で少しコーヒーを,,,」

 

 銀次は,この意味を理解した。同日の女性に,30分ほど留守にすると言って,ルリカをほっといて,林サミコの部屋に入った。


 銀次は,林サミコと距離を置きたかった。でも,その気持ちと性欲とのギャップが歴然とあった。林サミコとの愛の行為は,銀次にとってもやみつきになりそうなものだった。


 ・・・

 30分後,銀次は隣の部屋に戻ろうとした。


 林サミコは,去りゆく銀次をなんとしても,自分のものにしたかった。


 林サミコ「ご主人様,ちょっと,,待ってください」

 銀次「なんだ?」

 林サミコ「あの,,,10分ほど,ここで待ってもらいますか? 実は,隣にいる女性の方と,まだ挨拶をしていないので,挨拶したいと思って,,,」

 銀次「そんなの不要だよ」

 林サミコ「ダメです! 挨拶は重要です。ご主人様,ここで待っていてください!」


 林サミコは,さっさと服を着て,隣の部屋のドアのチャイムを鳴らした。しばらくして,若い女性が出てきた。28歳くらいの美人女性だ。胸はDカップ。美しい胸をしていそうだった。


 林サミコ「あの,,,隣に引っ越してきた林サミコといいます。今,妊娠中で,一人暮らしです。もし,何かあったら心配で,,,」

 女性「まあ,それは大変ね。銀次がお邪魔するって,言っていたわよ。何でも,身重だから,食事の世話をするとかなんとか言っていたわ」

 林サミコ「はい,銀次さんには,よくしていただいています。でも,,,」


 林サミコは,そういいながら,左手の中指を針に変えて,彼女の首に刺した。


 林サミコ『あなたは,銀次が嫌いになる。銀次の性的奉仕は,もう不要になる。あなたは,ひとりで自慰することで満足になる。そのほうがエクスタシーを何倍も感じる。あなたは,今から銀次を追い出します』

 

 この思念を針から注入していった。


 3分後,,,


 林サミコ「あの,,,挨拶だけでしたので,これで失礼します。銀次さんもすぐに戻ると思います」

 女性「そうね。何かあったら,遠慮なく言ってちょうだいね」

 林サミコ「はい,ありがとうございます」


 林サミコは,自分の部屋に戻った。


 林サミコ「ご主人様,挨拶が終わりました。どうぞ,お戻りください。あの,,,ご主人様,この部屋は,いつでもご主人様を待っています」


 銀次は,返事せずに隣の部屋に戻った。


 10分後,,,


 コンコン!


 林サミコの部屋のドアから音がした。ルリカを抱いた銀次だった。背中にリュックを背負っていた。明らかに追い出されたようだ


 林サミコは,ニコニコとして彼らを部屋に入れた。


 銀次「サミコさん,あなた,もしかして,精神支配ができるのですか?」

 林サミコ「はい,どうやら,できる見たいです。でも,持続時間がどの程度あるのかわかりません」

 銀次「普通なら数分。強力な魔力や霊力を流せば,数日は有効だと思う」

 林サミコ「わたし,あまり魔力を使っていません。ということは,数分で効果が切れるってことですか?」

 銀次「彼女の性格なら,効果が切れたら,すぐにわたしを呼ぶと思う。それで持続時間を推定できる」


 案の定,30分後に銀次の携帯に電話が鳴った。彼女からだ。銀次は戻ることにした。戻り際,林サミコに言った。


 銀次「精神支配はいいが,彼女の体には害を与えないでくれ」

 林サミコ「わかりました,ご主人様」


 ーーー


 翌朝,


 林サミコは,ルリカを背負った銀次を連れて専門学校に行った。そもそも出欠は学生証をスキャンすることで管理する。代理出欠など,する人がいないので,それをチェックする人もいない。でも,クラスの仲間には,理由を説明する必要がある。


 林サミコ「あの,,,海斗さんが,昨晩,怪我されて,たまたま,わたし,その場に居合わせました。それで,彼の代理でわたしの弟を連れてきました。海斗さんも快諾していただきました。 ついでに妹も連れてきました。すいませんが,数日間,弟を海斗と呼んでいただきたいのですが,,,」

 

 女性陣は,銀次を見て,胸がキュンとなった。『めっちゃ,ハンサム!たべちゃいたい!』


 銀次には,バンパイヤになってから,自然と女性を魅了する技を身につけてしまったようだ。女性陣からは,まったく反論はなかった。


 しかし,男性陣からは,そもそも,昨晩,怪我したときに,一緒に居合わせたこと自体,気にくわない。反論は明言しないものの,内心ハラワタが煮えくり返る思いだ。


 林サミコ「あの,男性の方,すいませんが,こちらに移動していただけますか?」


 男性陣を女性陣から切り離した。彼女は,小声で彼らに言った。

 

 林サミコ「あのカーテンの中で,10秒間,あの部分を触っていいです♥ 2人ずつ着てくださいね」


 そう言って,近くにいた2人を連れていった。10秒後,別の男性が入っていった。男性は16名いるので,1分半で全員が終わった。彼らは,彼女の胸を触る間もなく,針に変わった5本の指を10秒間首筋に打ち込まれた。


 林サミコが針を打ち込む時は,針を変形させるときだけ魔力を使う。念を注入するときは魔力を使わない。そのため,時速時間の長短は,打ち込む針の本数と打ち込んだ時間で決まると考えている。


 5本の針で10秒間,銀次を海斗と認識する精神支配を受けた。このような,ある意味どうでもいい精神支配は,持続時間が長くなる。ほぼ永久的といってもいい効果を生む。しかも,5本も打ち込んだため,彼らの寿命は2年ほど奪われてしまった。


 さらに,彼らは,林サミコの言うことなら,差し障りのない範囲ですべて受け入れるようになった。

 

 かくして,林サミコは,男性陣を魅了し,銀次は女性陣を魅了することで,なんなく,銀次を海斗の代理として認めることになった。


 鍼灸の実習では,いろんな針を使う。その実習を通して,林サミコは,自分の指を針に変えなくて,実際の針を使って,精神支配できそうだと感じた。それができるなら,針を受ける患者に対して,精神支配を行うことも可能だと思った。


 銀次は,別のことを考えていた。鍼灸の実習を受けているとき,針を刺す部位が,少し『気』の流れが乱れることを知った。


 銀次『あれ? おれ,『気』を見ることができるようになったのか? 』


 銀次は,生きている肉体を失ってから,霊力の扱い,空手技,さらに気功術の訓練をしてきた。気功術については,常に気の流れを感じるようにしてきた。死んでいる肉体ではあるが,常に,血を補給しているので,生体の肉体とほぼ同じように働く。


 銀次は,この時,『気』を見る能力を身につけた。針を打つツボ,その場所は,治療にも役立つが,敵を,最小の力で無力化するのにも役立ちそうだと感じた。


 この時から,銀次は,鍼灸の実習を真面目に受けるようになった。


 ーーー 

 銀次が通い始めて,1週間が経過した。このクラスの女性徒15名は,もうすっかり銀次の虜だ。


 昼休み,銀次は,ひとりの女性徒を連れて,保健室に連れ込んだ。保健室のカギは,チャッカリと林サミコを使って入手済みだ。彼女は,すでに銀次の奴隷のようになっている。銀次に血を吸われても,それを喜びと感じた。ただし,銀次は性的な要求はしなかった。銀次のあの部分は,一般の女性には,対処不可だからだ。


 血を吸ったあと,彼女の体を使っていろいろと実験した。体のいろいろなツボに,指先から微弱な気功弾を発射して,どのような効果が現れるかを実験した。


 その結果,非接触で30cm離れた場所からの初級レベルの気功弾で,その女性を,硬直状態にさせることができた。そのツボを『硬直ツボ』と呼ぶことにした。どれだけ実用性があるか不明だが,一般人相手には有効な手段になりそうだ。


 その後,『快楽ツボ』,『麻酔ツボ』,『催淫ツボ』,『激痛ツボ』などなど,いろいろと発見していった。


 銀次が発見したツボは,林サミコに伝授された。


 銀次は,平穏な生活を望んでいるが,でも,心の底では,復讐心がある。自分を殺した魔装軍隊に復讐したい。殺すことまでは望まない。でも,できれば性奴隷くらいにはさせたい。そのために,自分の配下にしたい


 でも,銀次はまだまだ力不足だ。でも,ひとりずつ,攻略していくなら,可能ではないか? 


 銀次は実行に移すことにした。このまま悶々としているよりもはるかにいいとの判断だ。


 銀次は,林サミコに業務命令を出した。


 銀次「佐美子,SART隊の魔装軍隊が,どこにいるか調べてくれ」

 林サミコ「ご主人様,どうやって,調べるのですか?」

 銀次「佐美子が調べなくていい。クラスの男連中に調べさせなさい。わたしもクラスの女性たちに調べさせる」

 林サミコ「はーい,ご主人様」


 かくして,30名のクラスの仲間が,一斉に,携帯で,ネット情報を解析していった。いろいろなニュースで,ときどき魔装軍隊の記事が書かれていた。さらに,一影のインタビュー記事もあった。さらに調べていくと,彼女らのベース基地が,滝ヶ原基地だということも判明した。


 銀次「サミコ,ここからタクシーを飛ばして,滝ヶ原基地に向かいなさい。サミコなら,事務員から今,魔装軍隊がどこにいるかもわかるだろう。一影だけの所在でもいい」

 林サミコ「ラジャー! ご主人様!」

 銀次「変装だけは忘れないように」

 林サミコ「はい,変装セットはリュックに常備していますから大丈夫です」

 

 林サミコは,銀次が魔装軍隊に殺されたことを知っている。当然,復讐するつもりだろう。でも,武力で負けるとわかっているのに,どうやって復讐するつもりなのか?

 

 彼女は,タクシーで,高速飛ばして3時間ほどかけて,目的地に着いた。事務員を短時間,精神支配するのは容易なことだった。


 そこで,得られたのは,札幌決戦の後,マスコミ対応などをいろいろして,2週間前から,1ヶ月の予定で長期休暇をとっていることが判明した。職業柄,どこにいるかは,常に把握できている。


 彼女らは,北海道の温泉から,順次,南下していって,今は,千葉県の先端の館山市近くの温泉旅館に泊まっていることが判明した。2日後には,横須賀に渡って,箱根にある月隠温泉旅館に泊まることも判明した。

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