第41話 霊核の怒り、指輪ゲット

 シレイと林サミコが去った後,夏江はさすがに疲れたので,そのまま寝てしまった。夏江は裸体のままだった。超爆乳のせいなのか,まったく寒さを感じることはなかった。

 

 夏江の子宮の中で,霊核はニコニコとしていた。大量の精子,寿命エネルギー,これらがあれば,失われた記憶を帯び起こせて,『メリルの指輪』を復活させることも可能かもしれない。霊核は忙しく記憶回復の作業を行っていた。

 

 そんなことを知らない夏江は,ぐっくりと寝たままだった。20年も歳をとった柔道部員たちも気を失ったままだった。


 スーー-!(夏江のいる部屋の障子が,静かに開く音)


 障子が開いても,そこには誰も立っていなかった。正確には,肉眼で見ることができないだけだ。


 その侵入者は,自分の持っている羅針盤を改めて見た。それは魔法陣を探知するレーダーのようなものだ。そこには3個の点が映っていた。魔法陣は,植え付けられても,発動しないと検知できない。今の夏江には3体の魔法陣が発動している状況だ。


 そして,小さな声で独り言を言った。


 「魔法陣が3体も埋め込まれているようだが,この女,獣魔族か? いや,違うな。どこにも獣体の名残がない。それに人間特有の蒙古斑もある」


 獣魔族は外見は人間と同じだ。でも,体のどこかに,『獣』特有のあざのようなものが残っている。夏江にはそれがない。しかも人間特有の蒙古斑もあった。夏江は,普段は体を横にして寝る。仰向けになって超重たいおっぱいをまともに体に受けて寝るのは無理だからだ。そのため,デカ尻にある蒙古斑も一目で判別できた。


 「ともかく,この爆乳女はソープランド殺人事件の犯人ではないな。ということは,先ほど,タクシーに乗った若造が犯人かもしれん。まっ,相棒が彼を追ったので,どのみち俺たちの仕事は完了だな」


 侵入者は,そう言って,目の前で寝ている夏江をマジマジと見た。3体の魔法陣の機能が分からないので,うかつには手がでない。彼は,彼は自分の体の周囲に防御結界を構築させて,睡眠呪符を取り出して夏江の頭部に貼り付けた。


 呪符の効果範囲は非常に狭いものの,極微量の魔力で済む。そのため,近年,獣魔族も魔力の節約になる『呪符魔法』を積極的に取り入れていた。


 彼は,夏江がしている指輪に目がいった。それは魔法の収納指輪だ。3体の魔法陣とその指輪は関係があるものと思ったのでその指輪を外した。すると,間もなく羅針盤の3点が消滅した。


 「やはり,この指輪から魔力の供給を受けていたな。でも,この女,なんで魔法陣を3体も植え付けられていたんだ?」


 彼は疑問に思ったものの,それ以上,考えなかった。ましてや夏江が霊力使いなど夢夢思っていない。


 「まずは,この女を犯してから考えればいい」


 彼は,もうこれ以上警戒する必要もないので,隠蔽魔法陣を解除してその姿を現わした。そして,自分の着ている服を脱いだ。


 夏江の化け物的乳首からは,今にも母乳が溢れんばかりの状況で腫れている状況だった。


 彼は,片方で17kg,両方で34kgにもなる爆乳を両手で揉みに揉んだ。その刺激で直径と高さが23cmにもなる化け物乳首から母乳が湯水のように出た。

 

 それを見てさすがに勿体ないと思ったので,思わずその一部を飲んでしまった。彼の勃起した逸物は,直径がせいぜい10cm程度だ。だが,母乳を飲んでからは,その大きさがなんと直径15cmにも膨れ上がった。長さも30cmにも達してしまった。


 こうなっては,彼はもう見境がなく,その逸物を夏江の膣にグイグイと挿入していった。


 「うううーー!!超気持ちいい!!」


 それからは,気狂いのようにピストン運動をして夏江の母乳をどんどんと飲んでいった。そのため,彼の逸物は射精をしても,そのまま勃起状態をなんとか維持した。


 夏江の子宮のいる『霊核』にとっては,今は記憶の再生作業をしている最中だ。それを邪魔されてしまった。いつもなら5分間の接触で20年分の寿命を奪うのだが,怒りが増しているので,最大限の能力を振り絞って,彼の寿命をとことん奪っていった。


 彼は,獣魔族なので外見が老いることはない。でも,確実に寿命が失われていき,ピストン運動をしている最中に息絶えてしまった。


 だが,『霊核』の寿命を奪う行為はそれで止まらなかった。さらに彼からあらゆるものを奪っていき,彼の遺体がシワシワになり,さらにミイラ状態となり,しまいには,灰状にまでなってしまった。


 『霊核』にこの行為ができたのも,かなりの部分で記憶の再生に成功したことが要因だ。

 

 ソープランド殺人事件を引き起こしたあぶれ獣魔族を暗殺させるべく,樹魔族の組織から送られた2名の暗殺者,そのうちの一名は,このようにして,人知れず世を去った。



 翌日,目を覚ました夏江は,自分の傍にかなりの量の灰燼があるのに気がついた。夏江の頭部に呪符が貼ってあるのにも気がついた。さらに,魔法の収納指輪も外されて落ちているのにも気がついた。彼女は,呪符を取って,それをマジマジと見た。それはマキから教えられた『念強化呪符』とよく似ていた。たぶん,その親戚のような魔法なのだと思った。


 それ後,落ちている指輪を元のように左手の薬指にはめた。夏江は,誰かがわたしの指輪を奪おうとしたのだと思った。でも,なんで傍に落ちているのか?? でも,昨晩のことは,隠蔽映像魔法陣によって記憶されていないのだけは理解した。


 夏江はその灰燼をかたづけるべく,それに触った。


 すると,その時,夏江のサイコメトリー能力が強烈に働いた。


 ヒューーーン!(夏江の頭の中に,幾多の映像がフラッシュする音)


 夏江の頭の中に,昨晩行われたレイプの様子がマジマジと映し出された。


 この時,夏江はとっさに,携帯に手を当てて,その頭に浮かんだ映像を携帯の録画に念写していった。その映像は,AVとして,かなり価値ある映像だと思ったからだ。隠蔽映像魔法陣が機能していない以上,できるだけ鮮明に念写するように心がけた。

 

 夏江「なんとも,すけべが男がいたものね。自分の命を投げ出してまで,わたしとエッチするなんて」


 夏江は,彼が獣魔族の組織から送られた刺客だとはまったく思っていない。


 その後,夏江は,部員とは異なる服装が傍らにあるのに気がついた。それは,灰になった男のものだ。また,その傍に,指輪も落ちていた。夏江は,灰になった男の指輪だろうと思って,さほど気にせずに,それを左手の中指にはめた。 


 ヒューーン!(夏江の頭の中に,幾多の映像がフラッシュする音)


 夏江は,頭の中に浮かんで来る映像で,その指輪の使い方を理解した。特にロックなどの機能はなかった。機能を追加すると魔力消費が上がるので,そのようなことはしないのが普通だ。


 夏江「これって,物を収納できる指輪だわ。それに,魔法石も中にあるわ。ラッキー-!!」


 さらに,灰燼に埋もれて,小皿大の大きさの変てこな物があった。夏江は,それを手に持った。


  ヒューーン!(夏江の頭の中に,幾多の映像がフラッシュする音)


 夏江は,頭の中に浮かんで来る映像で,これが,魔法で発動する羅針盤を感知するものだと理解した。彼女にとっては,さほど使い道のないものだ。でも,折角なので,覚えたての収納指輪に接触させて,それを指輪の亜空間に収納した。


 夏江「あらら,消えてしまったわ。でも,この指輪って,ほんと便利ね」

 

 夏江は,労せずして,収納指輪と魔法陣探知羅針盤をゲットした。


 ソープランド殺人事件の犯人と思われる『あぶれ獣魔族』を暗殺すべく,獣魔族の組織は2名の刺客をこの熱海温泉に派遣したのだが,そのうちの1人は,人知れず死亡してした。


 

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