第23話 多留真コロッと騙される

 その日の夜,多留真は夏江のアパートに来た。久しぶりの再会だ。


 多留真「久しぶりだな。しばらく見ないうちに,また一段と爆乳になったな」


 多留真は,そういいながら,その爆乳を服の上から触った。


 顔を赤らめて,うつむきかげんにしている夏江は何も言わずに,一式の袋を渡した。それを受けとった多留真は,袋の中身を見た。そこには,超薄いゴム手,薄手のタイツ,さらに,薄手の長袖,さらに避妊具が入っていた。


 多留真「なんだ?これ?」

 夏江「わたしの体に触ると,相手の意識を朦朧にしてしまいます。だから,皮膚に接触しないようにこれを付けてください。多留真のためです」


 夏江は,今,多留真の体に触れている。服の上からだ。でも,それでも,夏江の頭の中に,いくつかの映像が飛び込んで来た。


 その映像は,多留真の右手と左手に,ピアロビ顧問から魔法陣を植え付けられているシーンだ。さらに,なにやら特製の厚手の下着を着せられていた。


 夏江「多留真,あなた,何か自分の体で実験でもしているの? 下着の服が何か特殊みたいだわ」


 夏江は,サイコメトリーで得たイメージのことは言わず,特殊な服に言及した。


 多留真「さすがは夏江だな。超現象捜査室の顧問になるだけのことはある」

 

 多留真は,夏江の体をよけて,上着を脱いで,特製下着を夏江に見せた。


 多留真「この下着には,高純度魔力結晶の粉が埋め込まれている。なんと,上級魔法30発分,S級魔法3発分の魔力がある」

 夏江「え? あなた,魔法が使えるの?」

 多留真「フフフ。この『ハンドガード』がわかるかな?」


 多留真は,手の甲と手の平の部分だけをガードしてある『ハンドガード』を夏江に見せた。


 多留真「右手には氷結魔法,左手には探知魔法が埋め込まれている。すごいだろう?」

 夏江「氷結魔法はいいとして,探知魔法って何?」

 多留真「俺は,戦闘には不向きだからな。だから,敵の正体を見つける役目を担う。特に,最近判明した新魔界からやってきた獣魔族を見つけるという役目だ」

 

 夏江は,獣魔族のことは,今,深く関わっている。さらに,多くの情報を得るために努力しているところだ。でも,そんなことは言えない。


 夏江「獣魔族?」

 多留真「そうだ。半年前に,獣魔族に捕まって,そこで獣魔族の子供を産んだことのある女性が,警察に庇護を求めてきた。地方警察では,相手にされず,まわりまわって,警視庁のα隊が彼女を庇護した。


 彼女の証言から,獣魔族がこの月本国でかなり根付いていることが判明した。今は,彼女が産んだ子供の捜索を進めている」


 夏江は,その説明だけでは不十分だったので,さらに詳細に説明を聞いた。その内容は,以下のようだった。


 獣魔族の子供を産んだ女性は,その後,ある獣魔族と懇意になり,こっそりと,仮死状態になる薬を2錠入手した。彼女と2歳半になる息子のためだ。その薬を飲むと,見かけ上,死んだ状態となる。獣魔族にとって,死んでしまうと,どこかの無人の山林に遺体を廃棄することになっている。遺体にまで,めんどうな手間をかけないという理由だ。


 遺棄された後,意識を取り戻した彼女は,息子を探した。しかし,近くにはいなかった。そこで,警察に庇護を求め,息子を探してもらうことにした。しかし,地方警察では狂人扱いされて相手にはされなかった。それで警視庁に訴えたというわけだ。


 幸い,α隊を知っている警察官が対応したので,α隊が彼女を庇護したという経緯だ。


 彼女の話から獣魔族がかなり幅をきかせているという事実が発覚した。だが,獣魔族は魔法が使える。そこで,獣魔族に対抗するため,ピアロビ顧問と月本国の武器製造会社とが協力して,ハンドガードに魔法陣を植え付けて,魔法を使えるようにするプロジェクトが開始された。そのプロジェクト名は『人体魔法装備計画』,略して『魔装計画』だ。その実験体のひとりが多留真というわけだ。


 多留真「という訳で,わたしは,敵が獣魔族かどうかを判別することができる」

 夏江「どうやって?」

 多留真「獣魔族は魔法が使えるが,自分が不得意な魔法の場合,自分の体にその魔法陣を直接植え付けるそうだ。つまり,自分の体に魔法陣があると,そいつは獣魔族というわけだ。そして,俺の探知魔法陣は,敵の魔法陣が起動状態であれば,それを探知することが可能だ。こんなふうにな」


 多留真は,左手を夏江の方に向けて,ハンドガードに装備された探知魔法を発動させた。


 フォー--ーー!


 微かな風のようなものが夏江の体を吹き抜けていった。すると,夏江の周囲に,3体の魔法陣が薄らと出現した。しかし,それは,ほんの一瞬だった。しかし,その一瞬を多留真は見逃さなかった。


 多留真「何? 魔法陣?!! お前! 夏江ではないな?!」


 多留真の体から殺気が放たれた。


 夏江は,多留真が自分を獣魔族だと思って殺しにかかってくることをとっさに理解した。


 多留真は,右手を出して,氷結魔法陣を発動し,氷結の矢を繰り出して夏江を攻撃した。


 シュー! シュー! シュー!


 夏江は,攻撃が来ることを知っていたので,霊力の層のイメージを霊核に送った。すると,夏江の体の表層に3重の防御層が展開した。霊核が,その時の状況に応じた防御層を展開した。


 氷結の矢が霊力の層と衝突して砕けた。夏江は,霊核に『多留真を拘束して』と念話で叫んだ。叫んだ後,月本語が理解されないと思って,多留真をどうやって拘束したらいいか一瞬悩んだ。


 ところが,霊核は,勝手に霊力の触手4本を繰り出して,多留真の両手首,両足首をがっちりと握って,そのまま床に押し倒した。


 ダーン!(多留真が地に倒れる音)


 これには,多留真以上に,夏江が驚いた。『え?イメージを送っていないのに,勝手に霊力が発動してしまったわ』


 でも,今の夏江に,そんな細かいこと考えている時間はない。


 地に倒れた多留真は,夏江に向かって吠えた。


 多留真「貴様! 霊力さえも使えるのか!! 獣魔族で霊力が使えるなんて聞いていないぞ!!」


 多留真がすぐに霊力だと言ったので,夏江は,多留真は霊力が見えていると判断した。


 夏江「多留真,霊力が見えるのね?」

 多留真「もちろんだ」

 

 夏江は,多留真の頭を触った。今,多留真が考えていることが夏江の頭の中に入ってきた。


 多留真の目には,波長変換したコンタクトレンズがしてある。それによって,霊力が見えるようだ。


 夏江は,多留真の頭から手を離した。


 夏江「なるほどね。特殊なコンタクトレンズをすることで霊力が見えるようにしているわけね。驚いたわ。凄い開発力ね」


 これには,多留真が驚いた。

 

 多留真「貴様! 体を触れるだけで相手の思考が読めるのか!!」

 夏江「貴様,貴様って,うるさいわね。わたしは夏江よ。獣魔族ではないわ」

 多留真「ふん! 騙されんぞ! 夏江が霊力を使えるものか! それにお前には魔法陣が少なくとも3体も発動している。もっと詳しく調べれば,さらに多くの魔法陣があるに違いない!」


 ここで,夏江は,多留真の誤解を利用するのも悪くないと思った。今の夏江は獣魔族の偽物夏江だ。すると,本物が必要になる。そこで,ゲーム感覚でひとり二役を演じることしにした。つまり,獣魔族の霊体が夏江の体に憑依したという設定だ。本物の夏江の霊体は眠らされている,というわけだ。


 夏江はニヤッと微笑んだ。


 夏江「フフフ,多留真。さすがだわ。月本国の警察もかなり優秀だわ。探知魔法が使えるなんてね。これ以上,隠しても意味ないわ。いいわ。教えてあげる。わたしのこの体は夏江よ。でも,獣魔族のエツナがこの体に憑依しているの。フフフ。だから,わたしを殺すことは,夏江を殺すことと同じことなのよ」


 多留真は,この言葉を容易に信じた。


 多留真「じゃあ,お前が夏江の体を奪って,夏江の体に魔法陣を植え付けたのか?」

 夏江「もちろんそうよ。それに,霊力もね」

 多留真「その霊力や魔法陣で何をするんだ?」

 夏江「教えるわけないでしょ! バカ!!」

 多留真「・・・,じゃあ,なんで,夏江の体に憑依したんだ?他の女性でもよかったろう?」

 夏江「そうよ。誰でもよかったの。でも,夏江の体,性的に優れているでしょう?フフフ」

 多留真「俺をどうするんだ? このまま殺すのか?」

 夏江「いいえ,夏江の霊体を憑依するとき,夏江はわたしの目的を知ってしまったの。そしたら,夏江は抵抗したわ。いくら憑依しているからって,夏江の霊体が無茶苦茶抵抗したら,わたしも安穏と憑依していられないの。そこで,夏江の希望も叶えることにしたのよ。つまり,多留真,あなただけは殺さないってね。フフフ。よかったわね」

 多留真「・・・,そうか。それでなんとなく分かった。エツナとか言ったな。お前,その魔法陣や霊力を使って,男どもから寿命を奪う気だな?」


 夏江は,キョトンとした。でも,多留真の勘違いを利用するのも悪くないと思った。


 夏江「そこまで教える義理はないわ。でも,あまりわたしのこと嗅ぎ回らないでちょうだい。最悪,この夏江の体を殺して,別の女性に憑依するだけよ。夏江を活かしたいなら,わたしのこと,ほっといてちょうだい。その見返りとして,多留真の従順な女性になってあげるわ。つまり,多留真の性奴隷よ。いくらでも,この体,虐待してもいいわよ。変態的な行為をいくらでもしていいわよ。何時間でも,何日でも付き合ってあげる!今の仕事に支障のない範囲でね」


 多留真は,この提案も悪くないと思った。つまり,黙っていれば従順な性奴隷としての夏江が手に入る!! それは男にとって最高だ!!


 多留真「わかった。その提案,受け入れよう。俺はもうお前を攻撃しない。お前は,エツナさんだったかな? 拘束を解いてくれ」


 夏江は,可笑しくなった。所詮,男はスケベなんだと。


 夏江「わかったわ。拘束を解きましょう」


 そうは言っても夏江は,霊力の解除方法など知らない。そこで,ものは試し,霊核に『解除してください』と念話してみた。


 すると,多留真を拘束していた4本の霊力の腕を解除して,自分の膣の中に戻っていった。


 夏江は,簡単な言葉なら霊核は月本語を理解できることを知った。


 多留真「俺は実験体として魔法が使える身になったが,エツナさんは,俺以上に化け物だな。エツナさん,あなたは,いったいどんな能力が使えるんだ?」

 夏江「教えてもいいけど,獣魔族であるわたしの味方でいると約束できる?警察に私を売らないと約束してちょうだい」


 今の夏江は叩けばホコリが出る体だ。でも,多留真を味方につけておけば,警察の動きがわかるので安心だ。


 多留真はエツナに扮した夏江と約束することにした。この状況ではやむを得なかった。


 多留真「わかった。約束しよう」

 夏江「その言葉,信じるわ。わたし,簡単なことなら,相手の心,読めるのよ。それと,今示したように霊力が使えるわ。それと,体を接触すれば,相手の精気や寿命を奪えるの。だいたい,こんなところかな?」

 多留真「なるほど。だから,エッチの際は,手袋をはめて,避妊具を使うのか。でも,それでは,いくらあなたが性奴隷に同意してもおもしくない。肌を合わせても,その精気とか寿命を奪わない方法はないのか?」

 夏江「そうね。まだ,この体,憑依して間がないから,うまく霊力を使えないのよ。ちょっと,待ってて。試したいことがあるから」

 

 夏江は,心の中で『多留真から寿命を奪わないでちょうだい』と念じた。すると,夏江の体全体に非常に薄い霊力の層が展開された。しかも,膣の内壁にまで展開していった。


 夏江「ふーー,どうやら,自分の体表に薄い霊力の膜を張ることができたわ。これで,多留真,いえ,ご主人様,わたしを素手で自由にできます。いくらでも,ご主人様の性奴隷として扱ってください」


 この夏江の言葉に,多留真は超嬉しくなった。


 多留真「エツナさん,そっ,そうか?それは俺としても超嬉しいかぎりだ」

 夏江「ご主人様,わたしのこと,エツナでは呼びづらいでしょうから,そうですね,,,『な〜子』とでもお呼びください」

 多留真「では,な〜子,お前は俺の性奴隷だ。いらゆる命令に絶対服従だぞ?」

 夏江「はい,ご主人様」

 多留真「な〜子,俺は,今,無性にむちゃくちゃしてる。お前のおっぱいとお尻をむちゃくちゃしないと気が収まらん!!」


 この言葉に,夏江は,ちょっと嬉しくなった。これで,また一歩,おっぱいを大きくさせることができるからだ。でも,喜びの表情を示さず,逆に,悲しい顔をした。


 夏江「ご主人様,はい,いくらでもむちゃくちゃにしてください」

 

 夏江はしおらしい言葉で返事した多留真は,夏江を抱いてベッドに横たわらせて,彼女を覆っているすべての服と下着を剥ぎ取った。


 夏江の片方で11kg,両方で22kgにもなる超爆乳が露わになった。乳首は直径,長さともに15cmの化け物乳首だ。お尻回りも,身長が158cmのおっぱい以外が痩せ型の夏江にしては異様に大きく,120cmもあった。


 多留真「なんだ?お前の乳首は?化け物乳首か?!」

 夏江「ご主人様,この体,ご主人様のために変えました。この乳首もご主人様のために変態的に大きくしました。ご主人様のあそこをしっかりと受け止めるためです。いくらでもいじめてください」

 多留真「何が俺のためだと? ウソばっかり言いやがって!! こんな乳首,食いちぎってやる!!」


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