第21話 林サミコが売ったもの

 ランは,総裁秘書と初めて会った時から,淡い乙女心を開花させていた。こんな感情は初めてのことだ。総裁秘書のためなら,どんなことだってできるとさえ思った。



 ランに与えられた直面する仕事,それは4点ほどある。


 1.赤点の生徒を救済すること

 2.成績上位者に特別な褒美を与えること

 3.火災事件の真相を究明すること

 4・爆乳の夏江先生を解雇にもちこむこと


 以上の4点だ。


 それ以外にランが期待することは以下の内容だ。


 5.総裁の愛人になること


 理事長室でランは札束を握りしめて総裁とイチャイチャしているシーンを思い浮かべながらヨダレを流した。


 ランは頭がよくないのは自覚している。簡単に言うと記憶力がよくない。勉強も嫌いだ。でも,人並みの判断力はあると思っている。


 箇条書きに書いた直近の業務内容を見て,一番難しそうなのは3番目の火災原因の調査だと思った。そこで,出火原因となったお守りをしていた林サミコを理事長室に呼び出すことにした。


 林サミコが理事長室に来たので,早速本題に入った。


 ラン「林さん,このビデオ見てくれる?」


 ランは前理事長が隠し撮りしたビデオを林サミコに見せた。林サミコは驚きの顔をして,そのビデオを食い入るように見た。そこには,意識朦朧として,前理事長になすがままに服を脱がされている自分がいた。


 そして胸を隠す時に,お守りから出火したシーンが鮮明に写っていた。高画質のビデオカメラによる映像だ。


 ラン「お守りから出火したのだけど,そのお守りはどこで買ったの?」

 林サミコ「夏江先生からもらったものです」

 ラン「夏江先生?」


 林サミコは,夏江先生からお守りをもらった経緯について語った。


 その話を聞いて,夏江先生は逮捕されたワルたちに手籠めにされたので,その腹いせに彼らを警察に売ったとランは思った。


 ランは,ますます夏江先生が嫌いになった。


 ランは,話題を変えて,赤点を取ったことついて言及した。


 ラン「あなた,前のテストで全教科赤点よ。それもほぼゼロ点。これってどうゆうこと? これでは,いくら救済したくても救済できないわよ」


 泣き上戸の林サミコは,涙を流しながら,赤点を取った経緯を語った。金城ミルカと一緒に試験勉強したときに,金城ミルカの知人シレイに,頭のよくなる催眠術を受けたこと,その催眠術の方法は,人体にではなく腕時計に施されたこと,さらに,ついでに,火事のあった当日,シレイからはやり腕時計に意識を鮮明にするという催眠術を受けたことも語った。


 ランは,林サミコの言った内容を,ノートに書き留めていった。自分が記憶力が悪いことを知っているので,それを補うためだ。


 林サミコの話が終わった後,ランは,自分の書いたメモをもう一度,読み返した。そこには,『腕時計』と『金城ミルカ』いう単語が2回出て来た。


 ランは,自分の箇条書きに書いた直近の業務内容を再度見た。1番目の赤点の救済だ。でも,どうやって,救済をすればいいのか? ランは,2番目の項目を見た。そこには,「成績上位者に特別な褒美を与えること」と書いてある。


 ランは,ニヤと微笑んだ。これって,もしかして,,,


 ランは,林サミコに向かって言った。


 ラン「林さん,本来なら退学が免れない状況ですが,人肌脱いでもらえば,再試験を受ける権利を与えましょう。いかがですか?」

 林サミコ「人肌脱ぐ?」

 ラン「そうです。すでに前理事長におっぱいを触られたのでしょう? 逮捕された連中にもおっぱいをさんざん揉まれたのでしょう? もう,そのおっぱいは汚れています。汚れついでに,成績上位の生徒にそのおっぱいを触らせなさい。そうすれば,再試験を受ける機会を与えます。どうですか?」


 林サミコは,そこまでして,こんな高校に留まる必要はないと思った。それに,両親からも,もっと授業料の安い高校に転校するようにと言われている。


 林サミコ「ラン様,わたし,退学を受け入れます。それに,学費が高額なので,両親から文句を言われています」


 さすがに,これにはランもまいった。


 ラン「あの,,,ちょっと,待ってください。至急,理事長と相談しますから」


 ランは慌てて,総裁秘書に電話連絡した。その内容は,授業料免除の特権を生徒に与える権利を与えてほしいというものだ。


 総裁秘書にとっては,そんな些細なことなど,どうでもいいので,二つ返事でOKを出して電話を切った。


 ランは,ホッと一息入れた。


 ラン「林さん,もし,そのおっぱいを成績上位者に触らせてあげるなら,あなたには授業料免除という特典を与えましょう。もちろん,赤点を取った科目の再試験を受ける権利も与えます。いかがですか?」

 

 林サミコは授業料免除という特典に眼が奪われた。おっぱいを触らせるだけで,授業料を払わなくていいのなら,両親に金銭的負担をかける必要もなくなる。弟にも塾代を回せる余裕が生まれる。


 そんなことを考えて,林サミコはランに逆提案をした。

 

 林サミコ「ラン様,あの授業料免除のほかに,特典はないのでしょうか?例えば,1回おっぱいを触らせると,いくらかの報奨金をいただけるとか,,,」


 林サミコは,この際,思い切って,お小遣いまでもねだってみた。どうせ,汚れたおっぱいだ。いくらでも汚れてもいいと思った。

 

 ラン「あらら? 欲が出て来たね。そうね,,,では,触る生徒にオプションを与えましょう。無料でおっぱいを触れるのは5分間だけ。延長5分につき1000円,おっぱい・乳首を口で吸うのも1000円。そのオプション料金はあなたの取り分よ。どう?」

 

 これでは,ある意味,娼婦と同じだと思った。でも,,,家庭事情を考えて,林サミコは決断した。


 林サミコ「はい,わかりました。それでいいです。でも,,,わたしだとバレないように,化粧することを許してください。いいでしょうか?」


 ランは,ニコッと微笑んだ。


 ラン「それくらいはいいんじゃない?校則でも,確か化粧は禁止されていなかったし」

 

 かくして,林サミコは,自分のEカップのおっぱいを学校側に売った。

 

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