第12話 出産と愛人契約
夏江は,マキのマンションで出産する日を迎えた。この日は,2名の産婆が夏江の対応をする。それ以外に,生まれてくる4人の赤ちゃんを面倒みるために,4人の女性スタッフも来ていた。
マキには勝算があった。霊力使いの女性は,決して死産にはならないと。だって,夏江に自分の陰部強度を測定させたら,なんと200もあったからだ。獣魔族のどの女性よりも強靱だ。どんな巨大なあれを持つ獣魔族だろうが,夏江にかかればおちゃのこさいさいだ。
おぎゃー! おぎゃー! おぎゃー! おぎゃー!
産婆らの力を借りて,夏江は無事に4人の赤ちゃんを産んだ。猫魔獣族の赤ちゃんは,外見が猫の形をしている。その事実は事前に知らされていたので,夏江は驚かなかった。
夏江は自分が引き取る予定の黒色の猫の形をした赤ちゃんを抱いた。その赤ちゃんには,紛れもなく美澪の霊魂が宿いしてた。
夏江「美澪ちゃん,元気で育ってね。1ヶ月後に再会しましょう」
夏江は美澪の赤ちゃんに声をかけたが,赤ちゃんからは泣くだけで返事はなかった。
夏江は,黒猫の体をさすって,母乳を与えようとした。これまではほとんど出なかったが,赤ちゃんを産んだとたんに,母乳がまた出始めた。
もう一方の乳首からの母乳は容器に蓄えられて,他の3人の赤ちゃんに分け与えられた。
マキは明日の予定について夏江に説明した。
マキ「夏江,今日はゆっくりしなさい。でも,明日の午後,例の私立高校に行ってちょうだい。校長らとの面接があります。そこで採用を勝ち取りなさい」
夏江「はい,がんばります。でも,採用されなかったら?」
夏江のその片方で9kg,いや,赤ちゃんを産んで,さらに1kgほど大きくなっていて,片方だけで10kgもの爆乳になっており,乳首は直径や長さは15cmほどになっていた。そんな胸を見ながら,マキは夏江に言った。
マキ「その爆乳と変態乳首を晒してでも採用を勝ち取りなさい。採用されないという選択肢はないのよ」
夏江は,言われなくてもそうする覚悟はできている。マキの要求以上に,AV監督の要求を優先しなければならない。AV女優としてそれに見合った行動をしなければならない。そう言い聞かせることで,自分のプライドを押し殺した。
夏江「わかりました。大丈夫です。採用を勝ち取ります」
マキ「あら? 意外ね。 反論しないの?」
夏江「いえ,この子を1ヶ月後に手元におくためです。どんなことだってできます」
マキ「その子,ミレイって言ったっけ? なんか女の子の名前みたい」
夏江「・・・」
夏江は,改めてその子猫の股間部を見た。そこには,女の子には絶対ないはずの可愛い逸物がついていた。
夏江「あれ? この子,男の子なの?」
マキ「バカね,あんた。自分が引き取る子供の性別も理解しないなんて!」
夏江「・・・」
夏江は,美澪の魂を宿した黒猫が男性だと始めて知った。
夏江「そうね,,,でも,男の子でも問題ないわ。元気に育ってくれればね」
そんなこんだで,翌日の昼を迎えた。
夏江は,臨時保健士としての採用面接を受けるため,マキの手配した車で目的の華丸私立高校に向かった。
その場所は,東都から車で1時間半ほど南に移動した逗子市の近くにあった。
ー 華丸私立高校,理事長室 ー
華丸私立高校に着いた夏江は,理事長室で,理事長,校長,教頭の3名による面接を受けた。
夏江は,自分の履歴書を皆に渡して自己紹介を行った。
夏江「わたし,ポールさんが急用でここの保健士の仕事ができなくなったので,代わりに推薦された者です。夏江と言います。
わたしは,国立東都大学の修士課程を卒業し,警察学校を出てから警察官となりました。その後,人の病でも,西洋医学でも治せない分野に興味を持つようになり,その方面,つまり保健関連分野も含めてですが,専門的に勉強するため,警察を辞めました。
今は,マキ人材派遣会社のスタッフとして勤務しています。保健士の方面の知識も豊富にあると自負していますし,この高校の臨時保健士として立派に務める覚悟です。どうかよろしく採用いただきますようお願いします」
夏江は,そう言って,深々と頭を下げた。夏江はマタニティドレスを着ている。その超爆乳を隠すためのマタニティドレスであり,すでに凹んだお腹のためではない。
理事長たち3名は,夏江のこんな説明よりも,彼女の爆乳に目が移っていた。夏江はマタニティドレスを着ていて,よくみると乳首に当たる部分が少し濡れているようだった。
歳の頃がまだ30代後半の理事長は,鼻の下を長くした。でも,夏江の体のことを聞くのは止めにして,マキ人材派遣会社からの推薦状を見ながらつぶやくように言った。
理事長「夏江君だったね。この推薦状によると,東都大学でも警察学校でもトップの成績だね。超エリートと言ってもいい。それを捨てるのは勇気がいっただろうね」
夏江「・・・」
理事長の言葉は,別に夏江に正直に話をしてほしいという意味でない。誰でも,言いたくない過去はあるからだ。特に理事長は尚更だ。
理事長は,その推薦状を机に置いてから,夏江の体のことを聞いた。
理事長「あなた,マタニティドレスを着ているが,妊娠しているのかな? 胸が異様に大きいようだが,それはわざとそうしているのかな?」
夏江は,このような質問が来るのはわかっていたので,準備した答えを言った。
夏江「妊娠はしていません。この服は,わたしの大きなおっぱいを隠すためです。数ヶ月前から巨乳症を発症してしまい,今でも,少しずつ大きくなっているようです。その副作用で母乳も出て困っています。パットで吸水させているのですが,追いつかなくて,,,」
校長「そんな巨乳では,年頃の男子生徒は目のやりばがなくなりますね。とても勉強が手に着かなくなる弊害が生じます」
教頭「わたしもそう思います。ここは,教育の場であって,性欲を発情させる場ではない。生徒に悪影響が出ます」
校長も教頭もまともなことを言った。でも,理事長は夏江を採用させたかった。
理事長「確かに,そうかもしれんが,夏江君のおっぱいが大きいのは病気のせいだ。それを理由に採用を拒否するのは,教育者としては失格ではないのかな? 夏江君は優秀な経歴の持ち主だし,それに,マキ人材派遣会社からは,それなりに寄付金もいただいている。そうむげに採用を拒否することはできない」
校長「それなら,マキ人材派遣会社に,彼女のような巨乳ではなく,ほかの人材を派遣してもらうべきです」
理事長vs校長教頭の言葉のバトルが始まった。どちらも一歩も引かない覚悟だ。
この私立学校は,数年前からクラス分けを成績順に変更したことから,トップクラスでは,メキメキと学力が向上し,有名大学への進学率が大幅に上昇した。逆に,出来の悪いクラスは,ますますワルに走ってしまい,いろいろと問題が頻発している状況だった。
そんな問題を抱えて入るが,進学率をこれからますます引き上げようという学校側の大方針がある。そんなときに,爆乳教師が教壇に立っていい結果を産むはずもない。
このバトルを聞いて,夏江から提案をした。
夏江「あの,,,わたしが教壇に立つ半年の間,生徒たちには,成績が決して下がらないと約束します」
校長「ふん。そんなでまかせを! もし,成績が下がったらどう責任とるんだ?」
夏江「・・・」
夏江は,AV女優の本領発揮の時だと思った。
夏江「そうぞ,わたしを好きにしていいです。ラブホテルでもどこでもご一緒させていただきます」
この言葉に,教頭が理事長以上に鼻の下を伸ばして言葉を付け加えた。
教頭「この学校は,月末ごとにテストが行われる。そこで,夏江君が担当するクラスの成績が下がったら,その都度,その約束を果たしてもらってもいいのかな?」
校長「おっ,教頭,それはいい考えですね。理事長,この条件ならわたしも同意します」
理事長は,まさか夏江がそんな言葉を言うとは思わなかった。そんな簡単に自分の身を賭けに使うとは,,,ならば,愛人契約もできるのではないか?
理事長「では,そういうことにしましょう。夏江君は,明日から登校してもらいます。詳細は,学年担任の山吹先生に任せることでいいですね?」
校長「はい,それで結構でしょう」
教頭「わたしもそれで構いません」
理事長「では,夏江君,明日から登校してください。住む場所については,すでに近場でアパートを借りているので,そこに住めばいいでしょう。具体的なことは事務員に聞いてください」
夏江「はい,採用ありがとうございます。では,後で事務室に寄ってから帰ることにします」
夏江は,席を立ってお辞儀した。
理事長「校長と教頭はもう下がってください。夏江君とは,給与の話がありますから,このままここに残ってください」
校長と教頭は席を外した。
理事長「夏江君,あなたはどうやら身持ちは硬くないようだね。男に抱かれたいという趣味でもあるのかな?」
夏江は,ちょっと考えてから答えた。
夏江「わたし,誰でも寝るような女性ではありません。これまで,経験した男性は2名だけです。とても尊敬できる男性でした」
夏江は,そこまで言ってから,ちょっと間をおいて続けた。
夏江「ですが,この仕事をなんとしてでも受けなさいと社長から命じられました。今後多くのスタッフを高校に派遣したいそうです。わたしが躓くと,後に控えているスタッフに影響が出ます。そこで,已むなく,あんなことを言ってしまいました。
でも,仮に月末のテストで成績が下がったとしても,この身を売るつもりはありません。適当な理由をつけて断るつもりです。セクハラで訴えることだってできますし」
理事長はニヤニヤした。
理事長「わかりました。そういうことにしておきましょう。ところで給与ですが,月額30万円になります。でも,わたしの言うことを聞けば,月額100万円に引き上げましょう。いかがですか?」
月額100万円ももらえるのであれば,最近,自分の下僕になったトトルにも,月々の手当をあげることもできる。断る手はない。
夏江「言うことを聞くって,具体的にどういう意味ですか?」
理事長「そうですね,,,週に2回,わたしとエッチすること。それが条件です」
今の夏江は,自分の特異体質を理解している。生エッチは相手の寿命を奪ってしまう。
夏江「週に2回,,,わかりました。でも,エッチの際はかならず避妊してください。それと,一緒にいる時間は2時間まででお願いします」
理事長「フフフ。身持ちが堅いといいながら,簡単に条件を飲みましたね。でもいいでしょう。その条件で結構です。では,早速,今日の夕方8時に,スプリングホテルの410室に来てください。そこは,わたしがマンション代わりに借りている部屋ですので」
夏江「わかりました」
夏江は理事長と愛人契約を結ぶことに同意した。だって,AV女優なのだから,そんな機会を逃すことはできない。それになんといっても,月100万円は魅力的だ。
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