第9話 夏江の受精卵
夏江がマキと宣誓契約を行ってから3日後,彼女はマキのマンションにやってきた。ここで,夏江は,獣魔族の童貞君とエッチをして子供を産むという約束を果たすことになる。
リビングルームではマキと童貞君がすでに待機していた。
夏江は童貞君を見てちょっと顔が赤くなった。童貞君は外見から判断すると15歳くらいの超ハンサムな若者だった。でも,夏江は魔獣族の人たちの寿命が20年程度しかないことを知っている。人間よりも5倍も成長が早いことも知っている。だから童貞君は生まれてからまだ3年くらいしか経っていないことになる。
マキは最初に童貞君を夏江に紹介した。
マキ「この子,外見は15歳のように見えるけど,実はまだ3歳よ。もちろん童貞よ。今日から赤ちゃんが生まれるまで,ズーッと彼と一緒にいるのが条件よ」
夏江は『ズーッと彼と一緒』の部分がひっかかった。
夏江「え?妊娠すれば,もうエッチしなくていいはずでしょう?なんでズーッと一緒いる必要があるの?」
マキ「フフフ。これでも,あなたのために,一番いい方法を選んでやったのよ」
マキの言葉は,いつも舌足らずで,話が見えなかった。
マキ「今回は時間加速を使うわ。そのパワーはどこから得られると思うの?」
夏江「え?魔法石とか使うのでしょう?」
マキ「バカね。そんな貴重なもの使うわけないでしょう。もっと安上がりな方法よ。フフフ」
マキは,意味深長な笑みを浮かべた。
マキ「彼の豊富な精子を使うのよ。2時間ごとに子宮に注入された新鮮な大量の精子を使って,時間加速魔法陣の効果を持続させればいいのよ」
夏江は,一瞬,自分の耳を疑った。
夏江「え?2時間ごと?それって,一日12回も犯されて射精されられるってこと?」
マキ「そうなるわね。もし,ポールの精子が枯渇したら,他の連中に対応してもらえばいいわ」
夏江「・・・」
夏江は気を取り直した。
夏江「魔法石を使えば,頻繁にエッチをしなくてもいいのでしょう?」
マキ「そうよ。でも,魔法石を購入するとなると,3千万はかかってしまうわ。あなた,3千万円支払える?」
夏江「・・・」
夏江は,せめてエッチが短時間で済むことを期待した。
夏江「エッチの時間って,1,2分でいいのでしょう?」
夏江は,敢えて短い時間を言った。
マキ「そんなの知らないわ。わたし,まだ処女だし経験ないの」
この話題にポールが返答した。
ポール「わたし,まだ経験ありませんけど,先輩たちのエッチを見ていると,1時間から2時間もかけて射精してしていました」
この話を聞いて,夏江はショックを受けた。もしポールもそんなに長時間なら,夏江は寝る暇もなくエッチし続けることになる。
マキはケラケラと笑った。
マキ「夏江,よかったわね。魔獣族は精力絶倫だから,休みなくエッチできて。羨ましい!!」
夏江は,さすがにこれはしんどいと思った。
夏江「あの,,,休憩を,,,もっと長時間いれることはできないのでしょうか?」
マキ「できるけど,2週間の妊娠期間が延長することになるわよ」
夏江は,そうなってもいいと思った。
夏江「多少,妊娠期間が延長してもいいです」
マキは溜息をついた。
マキ「まっ,いいわ。妥協しましょう」
マキは,傍に置いてある薄い本を夏江に渡した。
マキ「この本は,新魔界で出回っている呪詛の基礎が書かれている本よ。これをこの家にいる間,貸してあげる」
夏江はその本をペラペラとめくった。そこには,魔法陣が書かれていて,その解説が魔界語で書かれていた。
夏江「あの,,,この文字,読めないのですけど,,,」
マキ「あなた,これからポールとずーっと一緒にいるのよ。彼に翻訳してもらいなさい」
夏江は,ポールが回復魔法を使えるのか聞いてみた。
夏江「ポール君,あなた回復魔法は使えるの?」
ポール「使えます。でも,魔力の無駄使いはしません」
夏江は,なぜこのようなことを聞いたかを正直に話すことにした。
夏江「わたし,孔喜AV企画のAV女優見習いなんです。でも,このおっぱいの大きさでは,正式にデビューできません。今,片方のおっぱいで8kgほど重さです。それを20kg以上にするようにと言われました。ポール君も,わたしがさらに巨乳になってほしいでしょう? 回復魔法でわたしのおっぱいを大きくできたら,もっともっと気持ちよくなるわよ」
この提案に,ポールの心は動いた。しかし,月本国の獣魔族は,自分で魔力を生成することができない。必要に応じて必要最低限の魔力が与えられるだけだ。
ポール「残念ですが,自分の治癒以外に回復魔法は使いません」
ポールはきっぱりと断った。
ポールが断ったことで,夏江は自分の霊力のパワーを使って回復魔法を使うことになる。しかし,今の夏江にとって,1日に何回くらい使えるのだろうか??
夏江にさほど重要でもないことを考える時間はなかった。マキに促されたポールは,夏江をお姫様だっこして,寝室に連れていった。
ポール「夏江さん,では,これから2週間,よろしくお願いします。マキさんは,明日,あなたが妊娠したかどうかを確認します。確認できたら,マキさんが時間加速魔法を施術することになります」
夏江に,そんな話などどうでもよかった。それよりもおっぱいを大きくするほうが大事だ。あの魔獣族のAV監督に,自分がAV女優として価値がある人間だと知らしめたかった。
かくして,,,,
翌日の朝,,,
マキが寝室のドアを開けると,ベッドで夏江とポールが全裸のままうつぶせになっていた。
マキは,ポールの体を揺さぶって起こそうとした。
マキ「ポール,起きてちょうだい。ポール,ポール?」
だが,ポールは起きなかった。いや,その場で息絶えていた。
マキ「え?ポール? まさか死んでしまったの?」
マキは,夏江がポールを殺したと思った。そこで,慌てて夏江の背中を叩いて彼女を起こした。
パチーン! パチーン!
マキ「夏江! 起きなさい! どうしてポールが死んでいるのよ!!契約違反よ!!」
一晩中犯されて疲れ切ってしまい,まだ数時間しか寝ていないのに無理やり起こされた夏江は機嫌が悪かった。
夏江「え? 何事?ポールの相手を8時間以上も連続でしたのよ。もっと寝かせてよ」
夏江は,そう言って再び熟睡状態に陥った。
この夏江の言葉に,夏江はポールを殺害していないと思った。では,なんでポールは死んでしまったの?
マキは,魔獣族の中でも優秀な魔法士であり,かつ,霊能力者だ。オーラを見ることなど容易なことだ。かつ,頭と頭と接触させることで,死亡直後なら,相手の直近の記憶を鮮明に再現させることも可能だ。
マキは,魔力を集中させた両方の手の平でポールの側頭部を抑えて,自分の額をポールの額に接触させた。
マキは,ポールが夏江を抱いて寝室に入ってからのポールの記憶を高速でスキャンしていった。
ポールのあれは巨大であったが,夏江はそれを難なく受けれた。射精はものの数分後に行われた。その後,彼は夏江の母乳を大量に飲んだ。そのことによって,すぐにあれが回復して,愛の行為が再開した。2回目の射精は,ちょうど30分後に行われた。ポールは,その間,母乳を飲むことで精力を持続させたようだ。そして,8時間の間に射精を16回も行った。また,その間,夏江のおっぱいを傷つけて,夏江自身が回復魔法を展開して,片方で8kgのおっぱいが,9kgにまで大きくなった。
獣魔族は,歳をとっても外観はほとんど変わらない。シワができることもない。平均寿命が20年足らずだからだ。
マキは,記憶の中のポールが射精するたびに,ポールの寿命を示すオーラが削られていくのを発見した。
マキ「え? これって,どういうこと? 夏江の特異能力なの?」
ポールは射精するたびに数年分の寿命が失われていった。5回の射精行為をすることで,ポールは自分の寿命をすべて投げ出してしまった。
マキは,ポールの頭から離れて,横ですやすやと寝ている夏江を見た。
マキ「どうやら,霊力使いって,相手の寿命まで奪う能力があるみたいね。迂闊だったわ」
マキは,獣魔族の仲間に連絡して,ポールの死体の処理を依頼した。
マキは,夏江のお腹部分に手を当てた。果たして,夏江は妊娠しているのだろうか?
受精卵は命と同じだ。受精した時点で,命特有のオーラを発する。子宮内のオーラを見るには,手の平を通してオーラを感知することができる。
マキ「え? ええーーー?! これって!何?! 受,受精卵がよ,四つも!」
ーーー
ポールという名前で,獣魔族の中でも,狐狸魔族に属することを夏江に紹介した。
マキに自分の排卵日が今日であることを伝えた。それを受けて,マキは,妊娠中はこのマンションで過ごしてもらい,赤ちゃんが生まれたら,すぐに胎児の霊魂を眠らせて,エミコの霊魂を植え付ける作業を行うこと,さらに,赤ちゃんの世話は,別途,専門のスタッフが面倒をみることなどを説明した。
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