第6話-恋する乙女の入念な準備-
ちゅんちゅんと雀のさえずりが聞こえる。
窓から入ってくる光が眩しくて、夢から現実へと起こされる。
目を開け、時計を見ると午前7時。
起きるにはちょうどいい時間だと思い、少し怠い体を起こしてベッドからでる。
今日は日曜日。いつもなら9時頃まで夢に浸っているのだが、今日はそうにもいかない。
なんでかって?理由は簡単。
今日は晴と遊ぶ予定をしているからだ。
しかもただ単に遊ぶってわけじゃない。
な、な、なんと今日は晴と2人でショッピングモールにデート(買い物)しにいくのだ!!
いつもはどっちかの家か近くの公園、徒歩圏内のスーパーなどが主な遊び場だが、今回はバスに乗って大きいショッピングモールに行く。親がいない、正真正銘ふたりっきりでの買い物。
これはデートと言っていいんじゃないだろうか。
そう思いながら下に降り、ご飯を食べ、準備をする。
今日は気合いに気合いを入れ、準備してあったおろしたての服を着る。
グレーのパーカーにダメージジーンズ。
自分で言うのもなんだが、なかなか小学生らしい良いチョイスだと思う。うむうむ。
そして洗面台に行くと、いつもは絶対手にしないであろう母のヘアアイロンを持つ。
いつも学校に行く時はくしで髪を梳かすだけだから扱うのは些か不安だが、晴とのデートにふさわしい格好になるために覚悟を決め、髪にヘアアイロンを当てた。
「お母さぁん…。髪の毛やってぇ……。」
いやヘアアイロンむずすぎぃ…。案の定失敗して半泣きになった自分は母親に頼るしかないのだった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「髪の毛よし、服よし、荷物よし、お金よし、バスの時間もしらべた。うん、大丈夫かな。」
今から、待ち合わせ場所に行く。初めてのデート。ドキドキが、とまらない。
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