第2話 ジュリィ
━━……出会いには、別れが付き物だ。それが、好きな人……愛している人なら、その悲しみは他の比じゃない。
「あの日から……ずっとジュリィが好きだったんだ。大好きだったんだ。会いたいよ……ジュリィ……」
━━━━━━━━━………………
あれから何ヶ月か過ぎた。すると、再びジュリィと同じ任務をする日が来た。
「よぉ」
キシルは前と同じ場所に座るジュリィに話しかける。
「久々」
「同じクエストに行く
「よろしく」
「それでなんだが、今日は行先わかってるよな?」
「承知」
そう言って地図を取りだし指を指した。確かにそこであっている。あっているのだが……
「そんな薄着で行くのか?そこ、極寒の地だぞ」
「っ!?失態……羞恥」
「……はぁ、お前は本当にドジだな。可愛いヤツめ。お前のために一応買ってきておいて良かったぜ」
そう言ってジュリィに服を渡す。
「感謝」
ジュリィはそう言って服を脱ぎ始めた。
「おい、なんでここで脱ぐ?」
「着脱」
「着替えならあっちに部屋があるよ」
「……承知」
ジュリィは顔を真っ赤に染めながら着替えルームへと向かっていった。
そして次の日……
「よぉ。今日も同じだな」
またまた前と同じ場所にいるジュリィに話しかけた。
「再会。感謝」
「そうだな。感謝だな。でだ、今日はどこに行くかわかってんのか?」
「ん」
ジュリィはそう言って指を指した。そこは灼熱の地。辺りには熱源があり、対策をしていかないとタダでは済まないだろう。まして、極寒の地に行くような厚着をして行くなどもってのほかだ。
「そう、もってのほかなんだよ。だからなんでそんな厚着してきてるの?」
「……失態。羞恥」
「いやもうそれは分かったからさ。ほら、ジュリィの服も買ってきたから着替えておいで」
「ん。了解。感謝」
ジュリィはそう言って服を着替えに行った。
「本当に可愛いヤツめ」
キシルは小さくそう呟いた。
その頃だっただろうか。俺が彼女を意識し始めたのは。
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