第135話 憎しみが生むもの⑬
改札の向こう側には数名の敵構成員が展開しており、改札を挟んで銃撃が開始される。
敵の構成員からの射撃は激しく、顔を出すことはできない。ただ俺たちもずっと撃たれっぱなしというわけにもいかない。当たらなくてもいいからとにかく銃弾をばらまく。こちらからの銃撃が始まったことで少しだが敵の銃撃が緩くなる。
そのすきに俺は隙間から標準を合わせると敵構成員の一人の頭を吹き飛ばす。どうやら敵のアーマーは赤羽の時や栃木のように軍隊で使われていてもおかしくないレベルのものではない。俺たちのライフルであれば数発も当たれば間違いなく貫通することができるだろうし当たり所が良ければ一撃で貫通できてもおかしくない。
「高宮2曹!どうやら敵のアーマーはあまり硬くないようです」
「わかった!敵の射撃がもう少し緩くなったら駅の構内に入ろう!」
「了解です!」
自衛隊の隊員も相当戦いなれているようでまだ負傷者は一人もいない。そして自衛隊員の誰かが撃った弾丸がこちらに対して積極的に射撃をしてきていた敵構成員の右腕を貫通する。
その瞬間敵の攻撃が一瞬緩む。俺たちは右腕が貫かれた敵構成員を速やかに始末すると改札を低い姿勢のまま駆け抜ける。周りからは敵が射撃を続けているが案外動いている人間を撃つというのは相当難しい。
俺たちは手前にあったまず15、16番線へと下る階段まで滑り込むと周辺をクリアリングする。少しの間なら遮蔽物として使うことができそうだ。しかしそうすると15、16番線のホームから上がってくる敵に挟まれることになってしまう。
そうなると非常にまずいことになるのですぐに小田急乗り換え口までを制圧してしまいたい。
とりあえずこちらを撃ってきていた一人の敵構成員を1発で仕留める。俺に続くように自衛隊員たちも射撃を始めてこちらを撃ってきていた敵が顔を出すことをためらうくらいの弾幕を張る。
「小田急乗り換え口まで一気に制圧します!」
「了解!自分たちもあとに続こう!」
俺は階段の陰から飛び出すようにして小田急乗り換え口まで移動する。もちろん飛び出しているので射撃を受けるがそうそう当たるものじゃない。しかし、小田急乗り換え口が目の前に見えた時に左腕に1発もらってしまう。とにかく俺は反射的に撃ってきたやつを射殺する。
そのまま小田急乗り換え口近くにある遮蔽物に体を隠す。撃たれた左腕を見てみると多くの血が流れてはいるが、幸いにも銃弾は貫通しきっている。
「おい、大丈夫か?」
高宮2曹はこちらに焦った様子で走ってくる。
「えぇ、どうやら大きな血管に当たったわけではないようですし、銃弾も貫通しきっています。止血さえすればまだどうにか」
「わかった。少し待っててくれ」
高宮2曹はリュックから医療キットを出すと慣れた様子で俺の左腕の止血する。
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