第136話 憎しみが生むもの⑭
自衛隊ということで応急手当関連の知識も豊富にあるようですぐに止血を完了させる。治療も終わり先頭に支障がないか確認するために俺は左手を開いたり閉じたりしてみる。
どうやら痛みは多少あるが、それでもまだ戦闘が継続することは問題くらい動かすことができるみたいだ。
「ありがとうございます。少し痛みはありますが戦闘は継続できます」
「それならよかった。ただあんまり無茶はやめてくださいよ。あなたは今この部隊の隊長なんですから」
「すいません」
俺は高宮2曹に謝りながら戦闘に復帰する。俺が治療を受けている間にも部隊の自衛隊員たちは奮戦をしていたらしく、敵の数が数人減っているのがわかる。すでに小田急乗り換え口周辺の敵は掃討しきっているような状態だ。
「次は南東口方向に向けて制圧を開始します!まずは11、12番線のホームにつながる階段まで制圧しましょう!」
俺はそういうと俺はそういうと近くにあった自動販売機の裏にポジションを変えて戦闘を続行する。まずは近くにいた敵に向けて数発の銃弾を叩き込んで始末。敵も俺がこっちに移動したことに気づいてようでこちらに向けて乱射してくるが壁に隠れていれば当たることもない。俺はフラッシュバンのピンを抜いて腕だけ出して敵に向かって投げる。
敵の足元まで転がったとこでフラッシュバンが起動し、俺たちはそれに合わせて突撃する。フラッシュバンをもろに食らった敵は抵抗することも許されずに殺されていった。
俺はそのまま13、14番線のホームにつながるエレベーターの後ろに隠れる。このエレベーターは透明なガラスに囲われているため隠ぺい性は低いがそれでも遮蔽物としては使える。それに敵がもし集中的に俺のことを攻撃してきたらその時は、ここ以外の遮蔽物に隠れておる自衛隊員が攻撃をすることができる。
移動が終わり俺たちが攻撃に移ろうとした瞬間、
「RPG!」
自衛隊員がそう叫ぶ。俺たちが叫んだ方向を見ようとした瞬間、大きな爆発が起きて軽く飛ばされる。爆発に続くように爆風と砂煙の中何かが崩れるような音が聞こえる。
RPGというのはいわゆるロケットランチャーのことだ。基本的には戦車だったりヘリコプターなんかを破壊するために使われるもので、非常に安価なためテロリストにも出回っていることが多い。もちろん室内で使うようなものではないが破壊力は非常に強いためもし使ったとしたら1発でゲームチェンジャーになりえる。
砂埃が収まってきてRPGが着弾したであろうところに向かおうとすると後ろから敵の増援が来る。これで俺たちは前方と後方で挟まれたような形になってしまった。
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