第104話 不穏の足音⑮
弓削さんが運転している車に大きな荷物を抱えて乗り込む。そして全員が乗り込むと弓削さんは車を出す。
今回は弓削さんが運転しているので安全にちゃんと気が配られているスピードで走行している。これが瀬霜さんだったら神に祈りながら立川まで行くことになっていたと考えるとだいぶ違う。
今回弓削さんの装備は見ていないのでよくわからないが、瀬霜さんは前回と同じバレットとミニミを持ってきてた。ミニミは新しく発注していたがどうやら届いていたらしい。そして蒼葉君はいつも通りの旧日本軍装備で来ている。どこからあんな骨董品を持ってきているのかはわからないが、それでも戦えているのだからちゃんと現代の装備を使ったらすごいことになると思う。
「一応今入ってきている情報を伝えておくね。どうやら爆発は立川駅につながっている駅ビルの5階で起きたらしい。死傷者は多数。でも敵が周辺に展開しているって話は出てないよ」
「火災は起きているんですか?」
「うん。でも消防が消火してくれているから延焼の心配はないと思うよ」
「ビルの倒壊の可能性は大丈夫なんですか?」
「わからない。でも相当大きな爆発だったってことだから5階がつぶれるような形でビルが途中から折れるってのはありえるかもしれないね」
「ほかに爆弾が仕掛けられている可能性はないんですか?」
「ないとも言い切れないけど今のところは見つかっていないよ」
「周辺に敵は展開していないってことだったが万が一に備えて銃は携帯しておけ。何もないとは言い切れない」
「了解です」
「瀬霜は周辺の建物から怪しい動きをする者がいないか見ていてくれ」
「了解」
「蒼葉君と剣持、俺で周辺を警戒するぞ」
「僕たちはすでに現地にあるはずの司令部に入るよ。もし何かあったらすぐに連絡して来てね」
「了解です。…そろそろつくぞ。準備しておけ」
立川駅の近くに車が止まり、車から銃を持って降りるとそこには焦げ臭いにおいが充満していた。あたりを見渡すと地面には怪我人らしき人たちがたくさん横たわっており、その間を縫うように救急隊員が走っている。
さらに駅ビルは5階から上は火に包まれており今にも倒壊しそうになっていた。駅ビルの近くでは規制線がはられており、そこより内側には建物の破片らしきものが散らばっている。
俺たちは事前に決めておいた3グループに分かれるとそれぞれで行動を始める。
俺と弓削さん、蒼葉君の3人は周辺の警戒ということでとりあえず現場にいる部隊長らしき人物のもとに向かう。
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