第91話 不穏の足音②
「となると何かあいつらの手掛かりになるようなものは、、、」
「報告だと全くないってことになってるね。でもさすがにあの規模の戦闘の痕跡を消すなんてことはできないはずだから、何かしらは見つかると思うんだけど…」
「とにかく例の組織に関する情報をもう一度精査しよう。過去の事件のデータも一緒に探ってみて何かつながっているところがないのかも調査しよう。それにあの施設についても調べなければならん」
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俺はバスを使って品川に出ると拠点の最寄である中野を目指すために、まずは山手線外回りに乗り込んで新宿に向かわないといけない。拠点は中野駅から徒歩5分ぐらいところにそれとはわからないように設置されている。
だが結局俺たちが出勤したりと出入りは頻繁にあるので拠点の場所はある程度判明されてしまう。だからこそ知っててもわからないような場所に置かなければならない。
俺は電車に乗り込むとスマホでニュースを確認する。さすがに厳しい情報規制が引かれていることもあって栃木での戦闘に関することは書かれていない。特に何か読みたいものがあるから見ているわけではないのでどんどんスクロールして見出しだけ確認していく。その中でも一つの記事が目に付く。その記事は中東のある国の諜報機関が壊滅したという記事。
最近の記事の精度はとても高いのでめったに誤報というの見ることはないが、これは思わずそれを疑ってしまうようなものだ。中東はもう半世紀以上紛争をしている地帯だ。そのような国々の諜報機関が優秀なのは当然のこと。実際アメリカやイギリスに並ぶか、またはそれを越すような諜報機関を持っている国がいくつもある。
それなのにその諜報機関が壊滅した。それもそこそこの国力を持っているような国だ。気になってその記事をタップして詳細を読む。それによるとどうやらその国の諜報機関はどこかの国に攻撃されたわけではなくてゲリラのような攻撃によって一夜で壊滅したらしい。
ただまだ情報があまり入ってきていないのか詳しいことは書いていない。まぁ、このような情報は普通国が隠ぺいするためほとんど情報なんか出てこないだろう。
俺は何か関連の記事がないかとスマホをスクロールしてそれらしいものを探しながら新宿で山手線から降り、中央線のホームに向かう。時間帯のせいか中央線のホーム上にはほとんど人がいなかった。
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