第75話 襲撃㉖
俺の目論見通り敵は俺のことを2人だと勘違いしたみたいだ。部隊を2つに割って俺のことを殲滅しに来た。これで俺のところに向かってきている敵は5人に減った。とはいえ重武装兵を5人同時に相手にするのは骨が折れる。ここはいったん距離を取ろう。
距離を取ったのはいいが俺にはスナイパーライフルなんかの遠距離から一方的に敵を蹂躙できるような高火力な武装はない。とにかく距離を取って一人づつ処理していく。これしかできないだろう。でも時間をかけすぎることもできない。おそらく敵から見て正面の方向に進んでいった敵たちは俺のことを探しながら進軍してくと考えられる。とはいえ、それでも時間をかけすぎると非戦闘員たちがいるところにたどり着いてしまうかもしれない。
それに変に横方向に向かっていって弓削さんとか瀬霜さんが挟まれるかもしれない。それだけは何としても避けなければならない。とにかく俺がいまするべきことは今正面にいる敵をすぐに片付けることだ。ハチの巣にされないように頭を隠しながらもスコープを除いて一人の頭に標準を付けると相手が倒れるまでトリガーを引き続ける。
5発ほど打ったところでようやく敵は倒れた。やはりこの装備で重武装兵を相手するのは厳しい。それに敵は一人の仲間が倒れたところでようやく俺がどこから撃っているのかあたりを付けたみたいだ。俺のいるほうに向けて機関銃を適当に乱射する。適当に乱射しているといえど十分に脅威になりえる。敵が使っているのは軽機関銃の類だ。俺のボディーアーマーなら胴体なら1、2発耐えてくれるだろうがもし頭に当たったらほとんど一撃で死ぬだろう。
とにかく銃弾に当たらないように場所を変えながら敵の頭を打ち続ける。そうやっているうちに弾丸が残り1マガジンになってしまった。これは非常にまずい。一応サブウエポンとして拳銃を持ってはいるが重武装兵にこの距離から撃ってもほとんど効果はないだろう。ならばあと1マガジンで2人仕留めなければならない。始末するのに最低限の数を考えれば余裕だ。だが残った2人はどうやら手練れ。今までの3人のように簡単にいくかというとそういうわけじゃない。とにかく隠れて撃つ。これを繰り返していく。
草むらから顔だけ出して敵の頭を標準の真ん中に入れるとトリガーを引く。
しかし相手は少しひるんだもののしゃがんで草むらに隠れてしまった。こうなってしまっては銃弾を無駄に使えない俺としては手出しできない。もちろん敵のヘルメットの耐久を減らせたとは思うがそれだけだ。俺には時間もなければ弾薬もない。こんなところでつまずいている時間はないのだ。
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