第51話 襲撃②

「それで今はどんな状況なんです?」


「昨日ヘリコプターが着陸したと思われる場所付近の地下を調べたところ何かしらの空間があることが確認されました。ですので現在、周囲3キロを封鎖しています。それに加えて出入り口の可能性があるところはすべて県警が固めています。さらに航空隊も現在上空を飛行中です」


「了解です。それでその出入り口らしき場所はどこにあるんですか?」


「出入り口の可能性がある場所は全部で12箇所です。その中で3つの出入り口には最近人が近づいた形跡がありました。ここの近くに一つ、山の奥に1つ、そしてふもとのほうに一つです」


「了解です」


その時1台の車が近づいてきた。それもかなりのスピードを出しているように見えるが瀬霜さんはすでにここにいる。となると菖蒲さんが乗っているはずだがそもそも菖蒲さんはまだ免許が取れる年齢じゃないはずだ。


車が停車すると運転席からは栃木県警の警官が助手席からは菖蒲さんが下りてきた。心なしか県警の警官の顔がやつれているように見える。


「10分遅れだ。時間は守るようにと何度も言ったよな?」


弓削さんはポケットに入っているスマホで時間を確認すると菖蒲さんに苦言を呈す。


「しょうがないでしょ?わざわざ栃木のこんな山奥に来るために始発で来てるんだから」


「車で来たわけじゃないのか?」


「宇都宮までは電車で来てそこで県警のパトカーに乗せてもらったってわけ」


弓削さんは菖蒲さんのことを処置なしといった様子で見るとこっちに向き直す。


「それじゃ、今日は瀬霜さんも突入部隊に入ってもらっていい?周りは県警が固めているらしいから」


「わかりました」


「ということは中に突入するのは俺と瀬霜、剣持そして蒼葉君ということですね」


「そうだね。このメンバーになってからは初めてのメンバーがそろった状態での作戦になるね」


「了解です」


「赤嶺さん、本部ってどこにありますか?」


「本部はこちらです」


「それじゃ、みんな頑張ってね」


そういうと赤嶺さんについていって隊長と眠そうな菖蒲さんはその場から離れていった。


「それじゃ、今回の部隊長は僕がやろうかな」


「それじゃ、編成はどうするんです?」


「僕が一番前に行こう。剣持さんと弓削さんは真ん中、瀬霜さんは最後尾でお願い」


「今回の戦闘は室内戦になるが、おそらく十分な広さがあると思う。だから今回はライフルを使っていこう」


「了解です」


「弓削くん、僕はライフルじゃなくて機関銃に…」


「だめだ。最後尾から機関銃なんてぶっ放されたらたまったもんじゃない。使うとしてもSCAR heavyまでだ」


「えーー、あれって7.62でしょ?小さくない?」


「十分だ。俺たちは今から戦車に穴をあけようってわけじゃないんだ。対人戦闘ならそれでも十分すぎるぐらいの火力だ」


「もしアーマーが固かったらどうするの?」


「それでも7.62で十分殺傷能力はある。最悪グレネードを使えばいいだけだ」

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