第30話 凶報②
「えーーと、どうしたんですか」
「だって弓削くんが調べているんだろう。絶対面倒なことになるに決まっている」
「そうそう。だってあいつは疫病神みたいなもんだもん」
頭を抱えながら俺のほうを見て2人はいってくる。
なんか弓削さんに対する印象がとんでもなく悪いんだけど…。でも確かにさっき九条君もそういう感じのこと言っていたし弓削さんってそういう自分から首を突っ込んじゃうタイプなのかな?とはいえそれも業務内容の中に入っているんだからしょうがない。
それに自分も仕事がないほうがいいことは間違いないんだけどここで暇しているのもなんだから正直何か事件ないかなって思っている節もある。
それに俺ここに来てからなんだかんだ言っていまだに実戦を経験していないしそろそろ経験をしたい。
「剣持君、仕事をやりたくてたまらないみたいな顔をしているけど絶対に後悔すると思うよ」
「なんでですか?」
「そりゃ、後処理がめんどくさいから。俺たちがなんかやった時は俺たちがそのあとの書類を作らなきゃならないのがだるい」
「いや、マジでそれな。なんで実行部隊の私たちがそんなことまでしなきゃいけないのよ」
「いや、どうせ2人ともやらないでしょう?」
「「ギクッ、」」
はぁ、この人たちは何を言っているんだか。どうせそういうのをやるのは九条君と弓削さん。今までの勤務態度を見て俺もわかっているけどこの人たちはそういうの絶対にやらない人だし、多分九条君もそういうのわかっていると思うから多分そういう仕事を振らないと思う。
だけどこの理論で行くのならもしかしたら俺にはその書類関係の仕事が回ってくるってことだよね?…はぁ、めんどくさいなー。まぁここがホワイトな職場で書類業務で残業なんてものがないだけましってことにしよう。
「というか、剣持ってここに来てから初めての実戦っていうことになるんじゃない?」
「そうですね。自分はあの立てこもり事件の時は観客状態でしたからね」
「マジか。それなら気を付けたほうがいいよ。交戦規定とか言ってくるようなうるさい奴もいると思うけどそんなのは無視してもいいから」
「え?さすがにそれはまずくないですか?」
「私の経験上だとそういう固いことを言ってるやつらから死んでくよ。そもそも私たちが相手するようなやつらはいかれている奴らだけだから」
「まぁ、菖蒲くんが言っていることも間違いではないかな。俺も交戦規定なんてそもそも何なのか把握していないからね」
「それはさすがにまずくないですか!?」
でも菖蒲さんとか瀬霜さんがそういうっていうことは本当にそういうこと何あろう。2人はどうしようもない勤務態度だけども実力は間違いなくある。さすがに交戦規定をガン無視っていうのは新人の俺にはハードル高いけど心の中に止めておく価値はあるだろう。
でも菖蒲さんの口調だと誰か仲間が死んだことあるっていうことなのかな?そんなにここで長く働いているようには見えないんだけどな。
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