第26話 模擬戦⑪
東京な奴らに圧倒的な絶望を与えてやるために私以外の2人にはおとりをやってもらおうと思う。今回は作戦まで私に任されているからやりたいことができてストレスフリー。
まぁ開始3分で相手は全滅するからおとりを2人にやってもらうってことと最初の拠点をヒカリエにすることを決めたらそれで終わり。マジでちょろすぎる。
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私たちがヒカリエに転送されるのと同時に試合が始まる。私はヒカリエの5階でおとりに誘きよせられる相手がどこから出てくるか見ている。とりあえずおとりになってもらうって言ったけど高木には盾を持たせているし多分やられることはない。これで東京を完封することもできる。完璧な計画だ。
予定通りおとりの2人は渡り廊下を渡っている。そして銃の発砲音と主におとりの1人が撃たれる。撃ったのはスクランブルスクエアの5階。私はすぐさまマズルフラッシュが見えた場所に機関銃を撃ちこむ。すぐに隠れてしまったからわからないけどたぶん1人はやれたはず。ただ当初の目的であるここで3人を殺すっていうことを達成できなかった。ただこうなればおとりの2人を突っ込ませるだけ。
「2人、突っ込んで。それでちゃちゃっと済ませて」
「はぁ、わかったよ」
通信に応じたのは高木ではなくもう一人の隊員。彼は博多に10年間も務めているベテランだ。ただ10年間も博多にいるということは東京に上がる実力はないということ。私には及ばない。
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30分待っても殲滅したという報告が来ない。何なら通信を切られたみたいでもはや通信が通じない。何を手間取っているんだか。相手はすでに2人しかいないし敗走している状態。それなのに仕留められないとか情けなくならないのかな。
本当に使えない。これなら私も前線に出るべきだった。
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それから10分後、下の階から何やら足音が聞こえてくる。最初は味方が戻ってきたのかと思ったけどまっすぐにここに向かってくるんじゃなくて何かを探し回るようにうろうろとしているようだ。音からしてクリアリングをしているようだし、そもそも味方が敵をせん滅しないまま帰ってくるなんてあり得ない。
そうなるとあの2人はやられたのかそれとも途中ですれ違ったのか。どちらにしろありえない。弱すぎる。
でも私が相手を一方的に蹂躙できると考えればこれもありかもしれない。1人で東京2人を倒せば私の実力を証明できるしこれはチャンスだ。
とりあえず陣地を形成する。本当はエスカレーターの上に陣地を築きたいけどそこに築いてグレネードで一掃されたらたまらない。ここは少し奥に行ったところに陣地を作ってそこで敵を迎え撃つのが吉だ。
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