第23話 模擬戦⑧
2階をクリアリングした後階段を上っていき3階、4階とクリアリングをしていったが結局機関銃手はいなかった。
「こうなると5階にいる可能性が高い。もしかしたらエスカレーターの上に陣地をしいている可能性もある。先にグレネードを投げ込んでから突入するぞ」
「了解です」
ということでグレネードを投げ込んで敵がいないことを確認してから慎重に登っていく。12.7mm弾だと多分このボディーアーマーは一撃で貫通すると思うし、なんなら壁まで貫通してくるから正直接敵の仕方で勝負はだいぶ決まるといえる。もしどこかで待ち伏せなんてされていたら普通に詰みだ。逆にこっちが先に敵を発見したりフラッシュバンを投げ込む隙があればこっちにも十分に勝機があるだろう。
というかこうやって考えてみると機関銃相手に戦うのってだいぶ無理がある感じしない?普通に室内戦で機関銃ってほとんど敵なしっていえるぐらい最強格だと思う。
ちらっと5階を見た感じ見える範囲には陣地をしいていないようだ。どうやら敵はエスカレーターじゃなくて別のところで陣地を形成している。それかここから移動しているかの2択。
グレネードの爆発音で相当の音を鳴らしているとはいえ今の正確な位置を隠したいのでなるべく音を立てないようにハンドサインで弓削さんに安全だと伝える。ただ周囲の警戒は怠らない。
まずはなるべく簡単にクリアリングできる入り組んでいないところをクリアリングしていく。通路を一つ一つ確認していくが敵はどこにも見当たらない。
今度は通路に入ってみないと敵がいるかわからない危険性が高い通路のほうをクリアリングをしていこうと壁から顔をのぞかせた瞬間に激しい銃撃を受ける。幸い機関銃手が見えた瞬間に顔を引っ込めたので弾がかすった程度で済んだが、だいぶ危ないところだった。どうやら俺たちの立てた音で俺たちが来ていることがばれていたみたいだ。
ただこっちにはフラッシュバンとグレネードがある。とりあえずグレネードを2つ機関銃手がいたところに撃ち込む。
ただこれは避けられたみたいだ。急いでそこから離れるような音と当たったときに聞こえるはずの声が聞こえない。ただこっちには弓削さんもいるのでフラッシュバンを投げ込んだ後は2人分の弾幕で押し切ろうと思う。
弓削さんにも俺の考えはおそらく伝わっているのでフラッシュバンを投げて起動した後に通路に出て機関銃手に向けてトリガーを引く。
機関銃手はフラッシュバンを受けて目が見えていないようだが感覚だけで機関銃を連射してくる。ただ目が見えていないので俺たちに当たるわけでもなくまずは俺の撃った弾が機関銃手の足に直撃して機関銃手が膝をつく。そのすきを弓削さんは逃さずに頭を打ち抜いて機関銃手を殺す。
機関銃手が死ぬと目の前に試合終了の文字が浮かび上がる。これで長かった渋谷での模擬戦が終わった。
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