第15話 後片付け

そして2時間後、そこには大量の空薬きょうが落ちていた。


マジで人生で一番銃を撃った日で間違いない。訓練時代も相当銃を撃っている期間とかあったけど比じゃない。あんなにたくさん山積みになっていた弾薬を撃ち尽くしている。俺だって相当撃っているけど弓削さんと瀬霜さんがとんでもない。


弓削さんはカスタマイズを色々変えながらもどんどん撃っていたし、瀬霜さんに至っては機関銃を持って乱射していた。もちろん瀬霜さんの前にあった的はすべて跡形もなく吹き飛んでいるから最後のほうはもはや狙ってもいないでただぶっ放しているだけ。射撃訓練ってなんだっけ?


これが本物のトリガーハッピーか。


「みんな、もう満足したかな?」


「はい、久しぶりに実弾を使えて満足です」


「それにしてもまたすごい量を撃ったね。これは片付けが大変」


「自分たちでやるので問題ないんですが、瀬霜が吹き飛ばした的はどうしましょう?」


九条君は苦笑して瀬下さんを見る。


「俺は大口径を連射出来て満足だ」


「とはいえ、対戦車ライフルはやりすぎだろ。そんなんいつ使うんだよ」


「備えあれば憂いなし。万が一に備えているってことだよ」


「俺としては対戦車ライフルを使わないといけないような憂いは考えつかないんだが」


「もしかしたらクーデターとかが起きるかもしれないじゃん。そういう時のために訓練しているんだよ」


「そんなのは僕たちの対処する内容を超越しているような気がするな。それに瀬霜さん。的を破壊されるのは困るな」


「…すいません。でもこれは必要な訓練だと思います」


「まぁ、そう思うのならそれでいいけどこれの修理費は瀬霜さんの給料から引くって感じにしておくから」


「えっ…それはちょっと…」


「これに懲りたら今度からは破壊しないように節度を考えて撃つんだな」


そういうと弓削さんは箒を2本取ってきて俺に渡すと自分は掃除を始めた。ちなみに空薬きょうというのはすべて再利用している。今の時代こういうのがうるさいからしょうがない。ただこれを見るとリサイクルをするわけだなってのを実感できる。


「剣持も手伝ってくれ。この範囲を一人でやるとなるとつらい」


「わかりました。でも瀬霜さんの箒はどうするんですか?」


「あいつは箒を渡すだけ無駄だ。その時間をあいつは自分の荷物を片付けるに割く方が効率的だ」


「なるほど」


ということで3人で散らかした空薬きょうを2人で集めていく。リサイクルするとはいえここでリサイクルしているわけじゃない。これを業者に持って行ったりするのも大変なんだろうな?


3人で散らかした空薬きょうを10分ぐらいで片付け終わると今度は自分の荷物を片付けていく。とはいっても俺は3丁しか持ってきてないしカスタマイズとかもないから一瞬。そして弓削さんも手際がいいからすぐに片付け終わって結局瀬霜さんが一番最後まで片付けていた。


そもそも軽機関銃に加えて対戦車ライフルも持ってきてるって普通に考えて頭おかしい。そんな重装備持ってくるだけで一苦労じゃん。


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