第13話 射撃訓練

…アラームが隣でなっている。現在時刻9時45分。さすがに隊服のまま寝ることはできないから隊長から渡されたジャージを着ている。ちなみに治安部隊パブリックオーダーの隊服は真っ白。色だけで言うなら海上自衛隊の制服に似ているかもしれない。


ジャージのまま仕事をしてもいいんだけどそれだとしまらないから隊服に着替える。菖蒲さんとか瀬霜さんですらジャージのままじゃ過ごしてないことを考えると多分暗黙の了解的な感じで隊服は着ないといけないんだろう。


隊服に着替えて自分の机に向かうとすでに弓削さんがいた。今は9時55分だから別にいても不思議じゃないんだけどまだ瀬霜さんは寝ているし菖蒲さんもきていない。相対的に弓削さんが早く来ているように見えるというわけ。


「おはようございます」


「おはよう。仮眠室で寝ていたのか?」


「はい。10時まで出社しなくていいっていうのを知らなくて8時に来てしまったので」


「なるほど。確かにそのことを伝えてなかったような気もするな。すまない」


「いえ、大丈夫です」


「そんなことよりも今日は射撃訓練場に行くぞ」


「射撃訓練場ですか?もしかして今日が射撃訓練の日なんですか?」


「いや、そういうわけじゃない。新人の適性を見るために毎年やってるんだよ。学校時代のころの成績だけじゃなくて隊長が自分の目で確認したいらしい」


なるほど。確かに資料よりも実際に見たほうがいいのはわかる。でも九条君って銃の事とかわかってるのかな?あの年だし銃の事とかわかってなくてもしょうがないと思うし逆に分かっているほうが怖いけど。


「あと、ついでに瀬霜と模擬戦だな」


「え?」


瀬霜さんと模擬戦?模擬戦って言っても実弾は使えないしどうやってやるんだろう。もしかしてVRとかでやるとかかな?


「瀬霜がやりたいらしい。まぁ、楽しみにしておけ。出発は10時半だ。それまでに使う銃を持ち運び用のケースに入れておけ」


そういうと弓削さんも銃を取り出し始める。


それにしてもなんかすごい量の銃が入ってる。何丁あるんだ?あれ。


「弓削さんは何を持っていくんですか?」


「俺はとりあえずSMGとしてスコーピオンEVO3、ライフルとしてSCAR、狙撃用にL96A1だな。あとはその場でのカスタマイズのためにいくつかのスコープとかサイトなんかは持っていくな」


「そうなんですね。それって弾丸の大きさとか気にして選んでたりするんですか?」


これは俺が最初に好きな武器を使っていいって言われた時から気になっていたこと。もし弾丸がばらばらなら弾薬が尽きたときに譲ってもらうってこととかできないし、あと管理がめんどくさそう。


「いや、まったく気にしてないな。ここではほとんどの弾丸が用意されているからな。わざわざ気にする必要がない」

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