初仕事

第9話 初実戦

弓削さんが運転する車に全員で乗り込むと車内で九条君から今回の事件についての説明が始まる。


「今回の仕事は立てこもり事件の解決だよ。犯人は現在世田谷区役所の職員1人を人質に取って世田谷区役所に立てこもってる。人質の救出は現場に急行してるSATがしてくれることになっている。僕たちに任せられているのは犯人の確保、それだけだよ。ただ間違っても殺したりはしないでね。いろいろと後で面倒なことになるから」


「隊長、それじゃ今回は剣持君なしでやりませんか?ちょうどいい機会ですし俺たちのやり方を知ってもらうっていうのも大事ですし」


「それもそうだね。それじゃ、今回は僕の護衛っていう名目で作戦も見てもらうことにしようか」


「すいません、本当にそれで大丈夫なんですか?」


会話を聞いている限りだとこの人たちは今回の事件のことをあんまり重く受け止めていないみたいだけど普通に考えれば区役所での立てこもりなんて重大事件だよね?そんな軽い気持ちでやって大丈夫なのかな?


「心配はいらないよ剣持君、今回犯人確保に向かうのは弓削さんと瀬霜さんの2人だけど正直過剰戦力だと僕は思ってる。まぁ、こればっかりは話を聞くよりも実際に見てみる方が早いと思うよ」


「そうですか…わかりました。今回はおとなしく見ていることにします」


俺としては本当に2人で大丈夫なのか不安だけどSATもいることだし、協力すればできないこともないのかな?それに新人の俺があんまり出しゃばってもいいことないと思うし、お手並み拝見ということにしよう。


「そろそろつくぞ。そして瀬霜デザートイーグルの使用は許可しない」


「えーー、なんでだよ。別にサイレンサー着ければいいじゃん」


「どう考えても過剰な攻撃を持っているからだ。それに今回はSATとの共同作戦だ。もめ事を起こされると困る」


そういわれると瀬霜さんはいつの間にか手に持って眺めていたデザートイーグルをしぶしぶカバンの中に戻していく。というかそんな銃もここ使っていいんだ。さすが治安部隊パブリックオーダー


「おとなしくGlockにでもしておけ」


「でもあれって大口径じゃないじゃん。小口径の銃なんてロマンにかけると俺は思うよ?」


「実用性を考えろ。どう考えても大口径の銃なんて室内戦にはいらないだろというか壁を銃弾が貫通して危ない」


「でも俺ってマークスマンだから今回狙撃で参加することもできるんじゃないかな?それなら大口径のスナイパーライフルを使っても問題はないだろうし」


「…俺に一人で突入させるつもりか?扉のところで待ち伏せされていたら完全に詰みだぞ」


「そうならないように菖蒲がいるんでしょ?」


「…万が一のためだ。あと市街地での狙撃銃の使用はさすがに許可できない」


「結局大口径を使うことはできないのか…」


「あきらめろ。今度訓練場にでも行ってぶっぱなしてこい」


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デザートイーグル


デザートイーグルとはアメリカのIWI社とマグナムリサーチ社が製造している自動拳銃である。デザートイーグルにもさまざまな種類があるが瀬霜が持っていたのは.50AE版の物。


一般に販売されている拳銃の中では随一の威力を持っている。


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