第8話 歓迎パーティー

弓削さんが九条君を呼びに行くために隊長の部屋に入っていく。


「瀬霜さん、あともう一人の方はどのような方なんですか?」


「あーー、彼ね。彼は気にしなくても大丈夫だよ。彼は今、日本にいないはずだから」


「え?」


「彼はね、今CIAのところに行ってるんだよ。まぁ、研修みたいなものだね。諜報活動の関係で行ってるらしいよ?」


「ということは実質的に今ここでは5人しか働いてないんですか?」


「そういうことになるね」


「それって大丈夫…」


俺が大丈夫なのか聞こうとしたら弓削さんが九条君を連れて帰ってきた。


「それじゃ、みんな行こうか」


「「おおーーー!」」


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ということで俺たち5人は歓迎会をするためにめちゃくちゃ安くて有名な大手イタリアンレストランチェーンに来ていた。さすがに未成年を連れてこの時間に居酒屋に入るのはまずいからここらしい。確かにここなら未成年はドリンクバーで色々飲めるし、一応お酒だってあるからぴったりかもしれない。


「それじゃ、みんな自由に頼んでいいよ。今日は僕のおごりでね」


「マジ?それなら私はハンバーグとドリア!」


「そんなに食べて大丈夫か?俺はこのチキンとワインで」


「逆に瀬霜はよくその量で満足できるね。私なら餓死するけど」


「俺は大体一日中ごろごろしてるからな。必要エネルギーが少ないんだよ」


「そういう自覚があるなら働いてほしいものだ」


「そんなこと言うなよー。せっかくの歓迎会なんだから仕事の事なんか忘れな。ずっと考えてると肩こっちゃうよ?」


「それなら俺の肩がこらないように迷惑をかけるな」


「もうーー、連れないな」


そんな感じでワイワイガヤガヤしながら楽しく時間を過ごしていく。こういう時も九条君が上司なのは驚いたけど仲の良い雰囲気が部隊の中にあるのはいいことだと思う。


それにしてもこんなにぎやかな席でご飯を食べるなんていつぶりだろう。俺はあんまり学生時代友達がいなかったし、警察学校時代も急がしくてなかなかこんなにゆっくりしゃべりながらご飯食べる時間なんてなかったから本当に久しぶりだ。たまにはこういうのもいいかもしれない。


ここから盛り上がっていくっていうその時にその時九条君のスマホが鳴った。


「ごめん。少し席を外すよ」


九条君はかかってきた番号を見ると少し面倒くさそうな顔をしてから席を外した。


何があったんだろう。部隊のみんなは楽しそうに会話しながらも何かを察して片付け始めているし、俺も荷物をまとめておこうかな。


「みんな、仕事だよ。場所は世田谷区役所、そこまでは車で行こう。弓削さん、頼めるかな?」


「了解です」


「それじゃ、剣持君には申し訳ないけど歓迎会はいったん中断ってことにして移動しよう」


どうやら仕事の連絡だったみたい。それにしても俺の初仕事がこんな時に来るなんて俺もついてない。

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