7話 帰宅後配信
『じゃあ、そろそろ配信終わるねー。おつ葉。』
【コメント】
:おつ葉ー
:おつ葉ー
:《アヤ》おつ葉。
どうやら、姫の配信が終わったようだ、大丈夫だ料理はもうできている、そう久々に作るポトフだ、それも三人分、仕方がないのでねぎらいの意味も込めて母さんの分も作ってあげた。
ガチャと鍵の開く音がした、母さんが帰ってきたのだろう。
「ただいまー。」
「お邪魔します。」
違った、家の外で会ったのだろうか二人一緒に入って来た。
「お帰り、といらっしゃい、ご飯ならもう出来てるよ。」
「この匂いはポトフか。」
「そうですねー。この匂いはポトフですねぇ。」
さすが、この2人わずかなにおいだけで料理の名前は分かるもんな。片方は作れないしもう片方は作ろうしないのに、何故か匂いだけで俺が何回か作ったことのある料理なら何の料理か分かるというね。
ほんと、恐ろしい。
「あ、俺は食べ終わったら配信するから。母さん、食器の片付けお願いね。」
「分かったわ、あと落葉の中の人と幼馴染というのは漏らさないでね。瑠偉と花音ちゃんが炎上するっだけじゃなかったりするからね。」
「それくらいわかってますよ、じゃああれもですか?母さんがたまにライバーらしき人を家に連れてきたりしていることもですか?」
「もちろんそれもよ。」
「え?そんなことしてたんですか、瑠香さん。」
「まぁ、あなたには必要なかったトレーニングのためだけどね。」
「そうなんですか。」
そうだったんだな、だがな母さん連れ込むときは何か一言くれよばったり会った時に気まずくなるからな。
あと、早く食べよう、冷めちゃうよ。
「早く食べようよ、俺も時間が押しているからさ。」
「そうだね。」
「そうね。」
「じゃあ、「「いただきます。」」」
俺が俺の作ったポトフを口に運ぶ、うむ我ながら旨いものだ。
「美味しいわね。」
「久々に瑠偉の料理を食べたわ、最近働きづめだったからね。」
「私は毎日食べてたからね。」
「そうそう、これから毎日家に帰ってこれるからね。」
「分かったよ。」
そんな会話を交わしながら俺は少し急ぎながら夕飯を食べていった。
「ご馳走さまでした。後は頼んだよ母さん。」
「えぇ。」
さて、自室に行って配信準備をしますか。十分もあれば充分準備できるからな。
それから十分後俺はもう既に配信の待機画面を映していた。ちなみにコメントは。
【コメント】
:ライVに所属か。
:公式配信から来ました。
:御祝儀 ¥10000
:↑フライングすな。
お、時間か。待機画面から配信用の画面に切り替える。
「おはこんらぎにちは。」
もう慣れたけど最初の方はめっちゃ嚙んだりしたんだよな、これ。
:おはこんらぎにちは
:おはこんらぎにちはー
:おはこんらぎにちは、とおめでとう。
:まさか母親がライVの社長とはな親フラの心配は無いな。
「あ、因みにライVになるというのは今日初めて知りました、何故か俺と一日デートできる券でママが買収されてるんですよ。まぁ、母さんにとっては姪だから問題ないのかもしれない。」
:成程。
:理解。
:そういえば、公式配信ということは生で会っているんだろう、二人の印象を聞かせてくれよ。
「印象ねぇ、というか雪さんは、俺の再従妹だからね。あ、でも彼女は天才で努力家だからね、そうじゃなければあんなふうに成功しないよ。」
:は、再従妹なん。
:そうか。
:え、あのお嬢様が再従妹?
:そーなのかー。
「あと、落葉さんは何だろう自分なりに頑張っている感じかな、と言ってもこの界隈埋もれている人も頑張っていると思うけどね。」
:そうだよな。
:人気じゃ無かったりする人も頑張っているんだ。
「それに、俺も元々埋もれてたからね。何故か母さんがツブヤイターで俺のツイートをリツイートしたら一気に登録者数が増えたって感じかな。」
:そうか。
:そういえばそんなことあったよな。
:少し炎上みたいになっていたか。
「まぁ、そんなことがあったから今の俺がいるわけだし。」
:それもそうだ。
:ほんと、あの時はやばかったよな。
:アンチとかも一気に増えたし、あんたもてんぱってたもんな。
「そうだよ、あ、今回はもう終わりにするね。みんなも見てくれてありがとう。それじゃあ、おつーが。」
:おつーが。
:おつが。
:そういえば、途中からスパチャオフになってたな。おつーが。
――この配信は終了しました。――
今思えばいろいろなことがあったな。まぁ、家族会みたいなのには呼ばれなくなったけど。はぁ、リビングに戻るか。
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