第一章 これで俺も…
4話 転換
俺達は建物の中に少し早歩きで向かっていった、途中で
気のせい…だといいなぁ。
そんな些細な思いは建物の中に入った途端に搔き消えた、何で従姉ねえさん再従妹とその護衛(みたいな感じ)の人が立っていた因みに、従姉さんと再従妹は一応リアルであっているからなのかかなり会話が弾んでいるようだ。
そういえば、従姉さんとか再従妹の名前をまだ言ってなかったようなって俺は誰に向かって言っているんだ?まぁいいか、追々本人に言ってもらうとしよう。
「久しぶり、綾さん有希さん。」
そう姫が言うとまず綾さんが振り返るとなにもなさそうに。
ちなみに二人の本名は、まず従姉さんは尾崎綾で母さんの姉の長女という感じだ、そして再従妹は新田有希でかつては五大財閥に数えられたこともある新田財閥のご令嬢様で母さんの母さんと同い年の従姉の娘さんだ、兄がいるので跡継ぎ云々の話は今のところないようだ。
「二人共久しぶり。」
と、返してきた。だが、再従妹は。
「お久しぶりって、えっ? え?! ええええええええ!!なんで貴女がいるのよ瑠偉。」
少しひどくないかな、会った直後に悲鳴だなんて。
「俺だって知らないよ、俺は元々姫の付き添いだけのはずで着いて行ってもいいかと母さんに聞いたらどのみち迎えに行く予定だったと言われて今に至る訳で…」
そこまで言うと有希は理解した様子で。
「確かにそれは気の毒ね、それに、そういえばあのおばさんがここの社長だったわね、納得したわ。」
と、何かに納得したように有希は言う、俺は有希が何に納得したかは少しもわからないが。
あと、有希気を付けなどこで誰が聞いているか分からないからさ。
「誰がおばさんじゃ、ゴラァ。」
ほら、って母さん!?
母さんがいつの間にか有希の後ろに表れて鬼とまではいかないが起こっているような形相を浮かべていた。
「っげ。」
「げ、とはなんだ、っげ、とは。」
そう、振り向き有希が『っげ。』と言うと母さんがさらに怒った感じになって言い争いをし始めた。
するとそれまで一歩引いていた有希の護衛の人、五十嵐久遠さんが。
「こういう時は素直に謝っておいた方がいいですよ、お嬢様。」
と言った。流石、護衛兼世話係兼教育係。
「ごめんなさい。」
「別にいいわよ。」
母さんは謝ればしっかり許してくれるのだ。
母さんで思い出した、俺はなんのために呼ばれたんだろうか。
「母さん、俺は何のために呼ばれたの?」
「あ。」
その質問の後には母さんの間抜けな声が聞こえた気がした。
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