さよりちゃん

ロンドンから、さよりちゃん、会いに来てくれた。

「あやめっちー!めっちゃひさしぶりー!」

さよりちゃんは、あやめっちのことを優しくギューッと抱きしめる。


「あやめっちの部屋に泊めてくれるー?」

「いいよー!」

「やったあああ!」


さよりちゃんは、あやめっちの部屋に荷物を置いて、新しいTシャツとショートパンツに着替えた。

「あやめっちと、こうやって、同じ部屋でいっしょに暮らしたかったんだー!ロンドンの頃から、ずっと、いつもそう思ってたんだよー!あやめっちといっしょに暮らしたいなあ~って」


さよりちゃんは、あやめっちをギュッと抱きしめて、チュッてした。

さよりちゃんとあやめっち、ファーストキス。


ママどうしは、ひさしぶりに大阪弁でしゃべってる。ふたりで盛り上がってる声、聞こえてくる。


夜は、おふとんを並べて寝た。

さよりちゃんは、ずーっと、あやめっちのことを見つめている。

「あやめっちは小学5年生かー!うちは中1やあ!」

「そやなー」

「あやめっちのとこ行ったろ」

って言うと、さよりちゃんは、あやめっちのふとんの中に入ってきた。

「ギューッ」

って言いながら、さよりちゃんはあやめっちをギューッと優しく抱きしめる。


「明日なー、あやめっちといっしょに行きたいとこあんねん」

「えっ?行きたいとこ?」

「うんっ?どこやと思う?」

「そやなー、ユニバかな?」

「ユニバも行きたいけど、明日行きたいのは、そこではなくて~」

「じゃあ、どこなん?」

「伊勢寺」

「伊勢寺って?」

「伊勢さんってわかる?百人一首とかの」

「あー、そんな人いたなー!百人一首に」

「うち百人一首の中でも伊勢さん好きやから、あやめっちと明日、伊勢さんの伊勢寺に行くんやからな」

「どこにあんの?」

「高槻の駅から歩いて行けるはずや」

「そうなんや」


さよりちゃんと伊勢寺に行ってみた。

百人一首も書かれてある。

「うちの、あやめっちへの想いみたいなもんやでー」

「えー、そうなん?」

「そうやでー、あやめっちに会いたい気持ち」

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